感想一覧

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[良い点]
 起承転結があまりにも上手くて素敵で、物語の半ばからボロボロ泣きながら読み終えました。

 荒れ地をゆく老婆と犬の姿を明々に思い浮かべることができ、この地の乾いた空気感が伝わってきました。
 台詞が少なく男の語りで進められることも、荒涼とした世界観・雰囲気を感じられて、とても好きです。
 機械仕掛けの犬であった意味がよく分かる構成には感嘆しました。この出逢いは偶然ではなく必然、なるべくしてなったのだと、そう感じられました。

 すこし寂しさはあるものの、どこか希望を感じさせる短い旅路。老婆は最後の瞬間に想い出を振り返り愛する母の姿を見ることも叶い、そして男もまた自己を取り戻して愛していたものを想い出す。
 老婆が父親のことをついぞ知ることはなくとも、家族がともに在れたラストシーンはとても静かで切なくて、印象的です。

 そしてすぐに読み返し、いろいろな描写の意味を考えてため息が出ました。
 すべてをわかった上で読むとより理解できるものがあり、感慨深かったです。

 心に残る素敵なSF作品をありがとうございます。
mochi*さま
初めまして。たびーと申します。
このたびは、ご感想とレビュー、ありがとうございます。
出先でトップ画面の赤い文字を見て、「は?」となりました。なんせ、そんなに頻繁にレスポンスのある物語を書いているわけではないので、ただただ驚きました。
本作は、三題噺みたいな感じで頭の中にしばらくありました。
まだちょっと手直ししたいところもあるのですが、まずはこのような形となっております。
文中の「花の名前にしたら、家族だってわかる」のあたりは、椎名誠さんご夫妻のエピソードです(奥様は一枝、娘さんは葉)。
SFというには少し柔らかめかもしれません。こんな感じの作風ですm(__)m
[一言]
泣きました。世界観の描写、命の輝きが成す行動と衝動。最高です。書いて下さり、ありがとうございます。
  • 投稿者: 南豆木
  • 30歳~39歳
  • 2021年 05月12日 07時37分
南豆木さま
初めまして。お読みいただき、ありがとうございます。
映画館で映画を見るのが好きです。
犬のモデルは、ソフトバンク戦でペッパーくんと一緒に応援していたあの犬です。こころ惹かれました。
[一言]
今この時ただある点の存在だった犬の内側に記憶が蘇る時。
なんだか儚い。
老婆の存在も途切れかけたバッテリーも再生された映像も。
儚いけれど、かけがえのない。
素敵な物語をありがとうございました。
にけさま

感想をおよせいただき、ありがとうございます。
はかなく消えていくものが書きたかったのです。
犬はだいぶ身勝手に生きて来たようですが、最後に報いることができたのがせめてもの救いとなれば……。

お返事遅くなって申し訳ございませんでした。
[一言]
しずかで。くらくて、どんずまりで。でもほっこりとした淡い明るさを感じるお噺でした。好きです。
会いたい人がいる。かすかな、かすんでいく様な記憶を糧に、生きていけるのだと胸をうたれました。

淡々と続いていくのかな〜と、思ったところで世紀末的な阿呆三人組がでてきて「おっ!」となりました。ファイアパンチお好きという言葉で、「ああ!」となりました。
別ものですが、パワーちゃん好きです。
カラスウリさま

このたびは、感想をおよせいただきありがとうございます。

ファイアパンチ、なんでか映画が出てきて「は?」と思いましたが、ラストまで読んで納得というか腑に落ちたというか。
チェンソーマンの、マキマさんも映画が好きですね。作者自身が映画が好きなんでしょう。

うっかり淡々と終わらせるところでしたが、チンピラが出てきてよかったです。

お返事遅れて、申し訳ございませんでしたm(__)m

パワーちゃん、わたしも好きです。
[良い点]
素晴らしいです
思わず引き込まれました
[気になる点]
いつもはここに
「その後のふたり」
って書くのですが、
今回は書くことがありません
[一言]
最初の方に出てきた執念ですね
赤い光の下で、残された人間は
何を考えながら過ごしているのでしょうか?

あぁ!
「老人Z」と云うアニメ映画をご存知でしょうか?
老人介護ロボットが文字通り暴走する話です
機会があれば見ていただきたいと思います
  • 投稿者: てと
  • 2020年 10月14日 07時09分
てとさま

夜の道をウォーキングしながら、街の明かりが雲を赤く染めているのを見ています(高速のパーキングだったりするんですけど)。

わたしのSFはツッコミどころが満載で、宇宙船どうやって航行してるの、とかそのへんのエネルギー事情を聞かれると言葉に詰まります。
でも、犬はバッテリーでいずれ電気切れで動かなくなる、というふうにしました。

「老人Z」大友克洋のアニメというのは存仕上げていますが、きちんと見たことはなくて。
機会が巡って来たなら、見たいです。

お返事遅れて申し訳ありませんでした。
[良い点]
始めは淡々と……と思いきや、ゴロツキが現れて急に激しく動き出し全てが(私の)頭の中でつながって、心震えました。
[一言]
ディストピア、というと光景含め思い出しそうです。
素敵なお話、ありがとうございました!
柿ノ木さま

感想をお寄せいただき、ありがとうございます。

ゴロツキのエピソード、当初はなくて平穏無事に映画館へたどり着く予定でした。
でも、それだとなんだかメリハリないし、業務用の映写機ではメモリー再生できそうにないし……とウォーキングしながら考えて構成を変えました。

ディストピア、住んでいる者は気づかないのかも知れません。
[良い点]
最後に記憶が戻ってよかったです。最高です。
  • 投稿者: AC130H
  • 2020年 10月12日 10時34分
AC130Hさま

感想をお寄せいただき、ありがとうございます。
きっかけがあれば、昔の記憶を呼び覚ませるはずと。
匂いとか、似たような出来事とか。
つい昨日のことは忘れるのに、遠くの日々の色鮮やかなこととか。
[良い点]
なんと……
ただの偶然ではなく、お互いの強い意志の結果の巡り合いですか……

たびーさんがこれ系を書くと……もうぐっときまくりですよ……
ぐすん……
  • 投稿者: 暮伊豆
  • 2020年 10月11日 16時36分
暮伊豆さま

感想をお寄せいただき、ありがとうございます。
犬と老女が映画館へーという筋だけ考えて、形にするまでしばらくかかりました。
小説講座で、「偶然」は極力排除せよと教わり、とにかく必然であることを考えました。
猫派なのに、物語にするのは犬ばかり。
[良い点]
最後に思い出すべき何かがあったのだから、きっと犬と老女は幸せだったのだろうと思うのです。
二人ともなにもかも無くして、彷徨うだけなのに、こんな救いが最後にあるなら。
狼子さま

感想をお寄せいただき、ありがとうございます。
相変わらずのディストピアものでした。年相応に、老人が出てくるお話を書くようになったなーと思っています。
老人は、一冊の本。
彼女も、犬も、それぞれの物語を綴って来たのでしょう。
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