エピソード77の感想一覧

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[良い点]
この物語の、良いところと悪いところが端的に出ている回。
[一言]
価値のないものを代わりに貰っても、復讐を待つ理由にはならない。

直接の復讐対象がドロシーなのはキモとして、他の二人もソランとの人間関係を裏切っているので、その身体生命に価値がない。
順序の問題なだけで、どのみち殺すからである。

ドロシーに討たれる覚悟がある事も、何の関係もない。

復讐と言うのは、復讐者が自分の意志で、自分のためだけにするものであって、相手にどんな覚悟があるかは何の関係もないのだ。

復讐の原動力は憎悪であり、つまりは反転した愛情、ただ相手を抹殺する事だけを考える、純粋な感情の黒い炎。

人間としての覚悟をしているのであれば、ドロシーはまず他の二人が一語も発する前にその場を去らしめるか、行動不能にさせるべきであった。
しかるのち、自ら一語も発さずに命を絶ち、愛している者に捧げるべき。

言葉は裏切る。
行動は裏切らない。あるいは、行動がそれ自体で証明になる場合、言葉は必要ないか、発するほど真実から離れて行く。

それが、ソランの代理が言う、偽善の匂いという奴だ。

そして、彼女らは正しく偽善者であった。
自らをまず欺き、相手の事を考えず、相手が望む事をさせようとしなかった(相手がソラン本人であったならば、という意味だが)。

そして、メタ的にはその演出は正しい。
彼女らはこの物語が始まってこの方、徹頭徹尾、常に偽善者であった。
偽善者であるから、他の予定を全て返上し、即時にソランの元に赴いて自らくびれ死ぬ事が出来ない。
そして、前非を悔いてすぐ死んだら話が続かないから、偽善者をやめられないのである。

これは、物語の構造上、どうする事も出来ない。
娯楽作品に於いて、主人公の死は物語を停止あるいは破壊するので不可能。
まして、復讐対象者が復讐者より先に死ぬわけにも行かない。

それゆえに、彼女らは虚しく言い訳し、文字通り立ちすくむしかなかった。

そして、ソラン代理の方は復讐の半分を既に終えたとも言える。
ドロシーたちは、今後どんな善行を積もうと、どんなに優れた者になろうと、負債を追ったままであるという不壊の首枷を嵌められたのである。

ただ一つの理由:「どんな正義のためであろうと、男を世界で一番愛しているなら、その男より何かを優先してはいけない」
彼女らは常にこれを侵してしまう。
ソラン代理は偽善と呼ぶ事で、その行いを正しく総括した。

  • 投稿者: 月光蝶
  • 2023年 08月06日 02時05分
長い感想頂いて、真面目にお返事しようなんて考えていたら月日が経ってしまいました
筆不精が故の不始末と笑って頂けると有難いですが、大変申し訳ありませんでした

少しネタバレですが、今後の展開としてパラレル・ワールドを統括する普遍的組織「千年世紀守護神(ミレニアム・ガーディアン)」の介入と、ソラン一行の攻防が描かれます
そのときにドロシー達はどう動くのか?
ドロシー達の師匠である巻き髭のエージェントの立場と目的は?

ドロシー達の贖罪は本当に死ぬだけで完結するのか?
くつがえすことの出来ない罪はどうやって償うのか?
彼女達のあやふやな答えはソランに受け入れられることが無いのは大前提として、果たして人並みに足掻いたのだと理解して貰えるところまで行き着けるのか?
幾つかの命題が連鎖的に広がっていきます

更新が遅くてすいませんが、暖かい目で見守って頂けると有難いです

2024年01月28日
[一言]
ソランも周りの女達がネタ枠兼ねてて面白おかしく生きてるのが実態という気がしなくもないですが、、
現時点でのドロシー達とソランの差はとてつもなく大きいですがドロシー達が万能神になったら名前的に無敵ぽいから逆転するのかな
ただ力をつけるためだけに多くを犠牲にしたソランが因果応報で苦労してるだけの女に負けるようならなかなか救いが無いですね
疲れただけじゃん
毎度ご贔屓に有難う御座います

敢えて圧倒的な力の差を見せ付けるように考えた回でした
ただ「贖罪」のために生きた者と
ただ「復讐」のために生きた者、どちらが上か
首を洗って待っていろよと

ただこの時点でドロシーは既に固有ストレージに自身の複製脳を5000個以上並列配列した記憶装置や、ナンシーの最大攻撃兵器に匹敵する星団をも消し去る程の極大魔術などの、正しく「万能神」と言ってもよい実力を持っています
これを出し抜いた分身アバターの実力、実際の勝負は「力対力」じゃないんだというところを示したつもりで、今後の展開もその方針で進みます

ただ寄り道してる「ソラン一行」は、帰り着くと言った目標がありますが、行く先々でのエピソードになります

今後もご贔屓頂けたらと思います
[良い点]
(厳密には違うけど)ようやく待ちに待った場面が見れました。
なんというか読んでてドロシー達に対して感じていた事の殆どを言ってくれてスカッとしました。
[一言]
超越的な力を得た双方でしたが、実際にはかなりの差が開いていたんですね。
これからドロシー達はどうするのか、「その時」が来た時に何が起きるのか、いつの間にか微妙に変わっていた表題が何を示しているのか、非常に気になってます。
毎度ご贔屓に有難う御座います

厨二病的なタイトル改変でしたが、「姦淫の罪を犯した奴が完全無欠である筈がない」と言う矛盾を抱えています
それでも尚、万能神へと至るドロシーの軌跡が描かれることを示唆しています
(先の長い話で、筆者も気が遠くなるような思いです)

代理との対峙と言う形でしたが、壮麗な復讐譚もやっとここまで持ってこれました
インスタントざまあの「寝取られ」とは真っ向敵対するスタンスで始めた投稿活動です
今後もご贔屓にして頂けたらと思います

有難う御座いました
[一言]
分身でこれとは予想以上に力の差がすさまじいことに。
果たしてソランの復讐の行方はどうなるのか。
毎度ご贔屓に有難う御座います

漂流する「ソラン一行」ですが、行く先々でパラレルワールドの均衡を乱して回れば、当然ドロシーの恩師であった「巻き髭師匠」が送り込まれた母体、「ミレニアム・ガーディアン」に目を付けられます
未だ実体の見えない組織からの干渉、逃げる一行との攻防と言った虚々実々の駆け引きの構想を練っています

とわいえ次のエピソードの「アラビアンナイト」編の細部を描くのに苦しんでます
ペルシャ文化圏の情報は思ったよりも少なく、古代より女性は顔を隠していたのだろうかとか浅学にしてして分からないことが多く、情報収集中です

更新度が遅くてすいませんが、これからもご贔屓にお願いします
[良い点]
今回は、転換点として、ドキドキしながら読ませてもらいました。
力の差が圧倒的に開いてしまったんですね。
膨大な知識と考察を含んだ大きくて重い作品。
背徳的な登場人物と関わって蛇行しているようにも見えながら、確かに前に進んでいることがわかります。
他に類を見ない作品だと感じます。


[一言]
重くて大きい作品なので、止まってしまわないか心配です。どんなに、ゆっくりでもいいから、前に向かって動き続けてください。
  • 投稿者: ひさお
  • 2023年 07月29日 10時23分
レビュー頂きまして感謝感激雨霰です
書いてる内容が内容なので、一生レビュー頂くことなんて無いかと思ってました

無論、エタらない覚悟で始めてはいますが熱しやすく冷めやすい自分の性格上、ここまで続けられたのは待っていてくれる読者様が居たからと思っています
読まれる以上は続けると言った、創作活動は自分の性に合ってるんだと思います

派生サブストーリーを別投稿しようかとか、他に書きたいモチーフないかなとか色々考えた時期もありましたが、今のところ本編一本槍です

真剣に取り組んでは居ますが、「あまり無理しない」も投稿活動で長くやる心得にしています

そんな訳で更新頻度、きわめて遅いですが今後ともご贔屓にして頂ければと思います
有難う御座いました
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