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[一言]
 ハイファンタジーの定義って1971年なんですよね。かなり最近です。 しかもその定義って、かなり表面的で薄っぺらいんですよね。

 でもなんでこういう分け方をしたのかといえば、当時において、指輪物語のような細かく設定が追求された完全な架空世界というのは、ほぼ無かったからです。
 つまり当時においては「こんな緻密な架空世界まで作ってしまうんて、なんてすげぇ《ハイな》幻想《ファンタージ》なんだ」って事なんでしょうね。

 しかし、その後、ドランゴランスしかり、ウィザードリィしかり、ルーンクエストしかり、むしろ、ハイファンタジーのほうが積極的に作られていく。
 そりゃそうですよね。現実世界にほぼ縛られることのない、なんでもありな世界なんですから。

 とはいえ、完全な架空世界といっても、それを作るのは現実世界にいる作家で、またそれを解釈して読むのも現実世界にいる読者なわけです。
 なので実際には、完全な架空世界でなく、現実世界の寓意《アレゴリー》としての架空世界でしかない。
 つまり、ハイファンタジーというのは、実際にはアレゴリーファンタジーでしかない。
 ここにおいて、ハイファンタジーもローファンタジーも余り変わりがないんですよね。
 だから、異世界転生モノとか異世界転移モノとかが出来ちゃうし、それらはハイ・ロー、2つの属性をもっている訳です。つまり現実世界とつながった架空の世界です。

 ここにおいて、ハイとローという風に分けて考える意味は殆どない、と私は考えます。


 しかし、ローファンタジーと現代社会というのは、結構おもしろい組み合わせではあります。
 というのは、現代社会というのは完全な科学主義であって、アンチ神秘主義ですから。

 しかしながら、現代科学であっても、分からない事はたくさんあって、また、現代科学のおいて『判明されている』とされる物事であっても、結局の所、地球世界において観測された結果にすぎないわけですから、それが、宇宙全てに適応されるのか?というのは、実は、確定されていない。

 つまり、現代人は科学を宗教として盲信している訳なんですよね、実は。
 で、そこに科学では解明できない、もしくは現代科学ではありえないとされる現象が起きたらどうなるか?
 科学という宗教は破綻します。
 一気に、人間の意識レベルは、近世レベルまで退行するでしょうね。つまり、世界というものに対する畏怖みたいなものが、おそらく復活するでしょうね。

 すると、もはや解明されつくされたと言われている、世界に不思議が溢れでるわけです。
 センス・オブ・ワンダー、不思議の感覚。
 ファンタジーやSFにおける面白さの根源。
 そこにおいて、未知なるものへの冒険物語が作られるでしょう。

 つまり、ローファンタジーの面白さというのは、今ある現実における常識が、覆される所にあります。
 そして、その覆された現実で、主人公がサバイブする、つまり戦う物語、というのが、ローファンタジーの楽しみだと思います。

ありがとうございます。
ハイファンタジーって結構何でもありだなぁとは思っていたんですけど、
やっぱりそんな感じだったんですね。

ローファンタジーは今から少し未来の話といった感じなんですかね?
そこがとても面白いなぁと思いましたね。

ローファンタジー読んでみますね。
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