エピソード5の感想一覧

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[良い点]
一見、難解にみえても読み解いていくと、美しい人への賛歌と恋慕、執着、美しい語彙からいろいろな感情みえました。
カメラワークが一点に絞られているので物語の中に入ってしまえばのめり込みやすいです。
後半はすこし視点が広がり、周りが見えました。その事によりその場の状況がわかり、どうなってしまうのか、という引きが効いていたと思います。古典純文がモチーフでしょうか。それとも新しい手法を考えられたのか。少しお聞きしてみたくなる物語でした。
[良い点]
タイトル。誰もいない街。ハードカバーで本屋さんの平台に置かれてそうなタイトル!表紙絵はシンプルな色使いで街のイラストなんだけど、ひとは一人もいないやつですね。ちょっと一人で静かに時間を過ごしたい人が手に取りそうなイメージです。妄想です。妄想を繰り広げてないで、本文を楽しみにしましょう。

あらすじ。透明感のあるあらすじ。タイトルから受ける印象との乖離がなくて、するんと読めました。感じたのは切なさ、過去への後悔、弥生への興味です。ワクワク、ではないけれど彼と彼女のことをもっと知りたいな、と思うあらすじでした。

本文。はじめは、海の絵を描いているのかと思ったのです。でもこれは、過去を振り返ってるところなのですね。彼女を目にしたときの感動が描かれているのだと、感じました。書かれてるじゃなく、描かれてるなのです。語り手の目には彼女と彼女を取り巻く背景しか見えていないのだなあ、感じました。これほど釘付けになって、一度は寄り添ったひとと別れるのはどのような心地なのだろう。身を裂かれるようなのか、心が潰されるようなのか、と書き出しの先にある書かれているであろうものに想いを馳せました。
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