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[一言]
難しい問題のお話でした。
親切は人のためにあらずというか、なんというか。
サグレとトガリの間に人が入ってきてしまったのは、それこそ、サグレにとっては天災のようなものですから、彼はそこまで気にしないかもしれませんね。
トガリのこれからがちょっと心配です。
  • 投稿者: 夕立
  • 2021年 02月13日 22時14分
 夕立様、ご感想ありがとうございます。返信が遅れて申し訳ございません。
まず念頭にあったのが、敵のはずの肉食動物の亡骸に取りすがって泣く小動物という図でして、そこからアイロニーとか目標の喪失等のテーマらしきものを入れて話を膨らませていったのです。

 おっしゃる通りサグレは(私自身が彼の真意は不明としているので行動の意図も確かなところは不明です)人間の手出しによる横死も自然なことと捉えていると思います。虚無的な中で生きることを精一杯楽しんでいるのですね。

 トガリは長く引きずるとは思いますが、徐々に立ち直っていくのでしょう。ただし野生のネズミとしては死んだも同然なのですが。ポラトゥーチ博士に師事して仙鼠でも目指すのがいいのか……(笑)。

 もう一度、お礼を述べさせていただきます。感想ありがとうございました。書く者にとって自作が人が何かを考えるきっかけになることほど名誉なことはありません。夕立様も頑張ってください。
[一言]
トガリとサグレ。敵対する種族でなければ彼らは幸せになれたのでしょうか。もしも……を仮定していても無意味と知りながら、思わずそんなことを考えてしまいます。

トガリは少しばかり愚かだっただけ。
サグレは自然の掟に従っただけ。
それでも、サグレがトガリの仲間を傷つけたのは誤解だったのではないかと思いたくもあります。

でもきっと戦場で敵兵を助けて、自軍の拠点を浅はかに教えるとこういう結果を生むのでしょうね……。戦争で考えると、サグレの行動の方が自然に思えるのもおかしな話なのかもしれませんが。

「私」とともに突き放された結末にいろいろなことを考えてしまう物語でした。
石河翠様、ご丁寧な感想、ありがとうございます。
実に深く読み込んでいただき感激に耐えません。

おっしゃる通り、トガリの行為は“人道的”には立派なことでしたが、野生動物としては愚かでした。優しさを向ける相手を間違えたからこそサグレにつけこまれたわけです。「私」たちに事情を話したのも、自分の特別感を誇示したい気持ちが拭いきれていなかったのでしょうか。

サグレの内面描写は敢えてしませんでしたが、実は書いた私にも、彼がどこまで意図的にトガリを利用したのかはよくわかりません。ただ、サグレにも情や感謝の気持ちはあったけど、捕食衝動には勝てなかった。あっさり割り切れた。恐ろしくドライだったのでしょう。

巣穴でトガリを待ち構えて食わなかったのは、彼女にだけは恩や好意を抱いてていたのかもしれません。再会するなり襲い掛かったのも、自分が見逃したせいで呪われた余生を送る羽目になったことへの“けじめ”だったのかも……と考えを巡らせていました。「私」の介入は彼にもまったくの予想外でしたから、真相は永遠に闇に葬られてしまいましたが。

アマチュア作家としても未熟な私ですが、自作で人様に色々と考えていただけることは本当に光栄であり、素晴らしいことだと思っています。今後も読者の心に、ほんの小さな何かを残せるような作品を書けるよう精進していくつもりです。石川様も頑張ってください。
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