エピソード170の感想一覧

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[良い点]
マリー側の事情というか言い分が明かされる!

>だが、消えぬ遺恨となった理由は、それほど単純ではない。
>婚姻と出産で家を繁栄させるという、貴族令嬢の義務をわきまえていた。

大貴族の娘なら、政略結婚の道具として生きるのは、普通に決まっていたことだもんね。
リシュリューとはいえ、そこはちゃんと教育を受けている令嬢だし、確かにここまで拗れた理由は他にあるのかも。

>ヨーハンがマリーへと意に添わぬ苦痛を無理強いするなどと、マリーはちらとも考えたことはなかった。

私も似たような感覚ありましたよ~。
ヨーハンは心の優しい君主になるだろうと思ってました!
なので、マリーを娼婦代わりにあちこちに……というところが解せなかったんですよね~。

>決して曲げられぬトリトンへの恋慕を折らせ、とりつくろい、新たなる恋慕としてヨーハンへ捧げるよう強いた。

これには、愛以外の理由があると思うんですよ。
たとえば、ヨーハンがマリーのために同じ苦痛を味わったとかそんな感じの。

彼の生涯から考えると、その転機は『父殺し』だから、そこに至る過程でヨーハンは心を壊したのではないかな?
それが(理想国家のためだけじゃなくて)、なにかマリーに関わっていたのでは?
だから、自分の犠牲に見合う犠牲をマリーに求めた気がするんですよ~。

うーん、これは恋愛至上主義な女子視点?
いやいや、男なんてもんは意外と意気地なしだから、父を殺しを正当化するために「愛の正義」も理由に入れてた可能性あり笑!

で、私がこれほどしてやったのに、お前は分かってない……みたいな?いや、ちゃんとそういうこと話し合ってないんだろうなあと思うんですけどね。

ここでマリーの事情が明かされたとして、ヨーハン側の事情(父殺しや呪われた固有魔法)について知っているのは、もうヴィエルジュだけ。
彼はそれをマリーに語ってくれるんだろうか。この夫婦はいつか和解できるのかなあ。

私はトリトン様推しですが、人としてはヨーハンのほうが劣等感を含めて複雑な思惑を持つ分だけ魅力的です。
トリトン様は恵まれていたせいもあって、もっと単純に生きてきたと思いますね~。

と、空原様の作品を勝手に想像して語ってしまった笑!
本当に深い物語ですよ~。
ああ、一布様とヨーハンについて語りたい。
『魔女の恋』の読書会開きたいです。。。
  • 投稿者: 日置 槐
  • 2024年 08月12日 15時46分
日置 槐さま

ご感想ありがとうございます。
悪女マリーの弁明がようやくここで、かないました~。

いただいたご感想を拝読して、日置さまの中でヨーハンが生きている! というのが強く感じられて、ものっすごく嬉しいです!
たくさんの深いご高察を本当にありがとうございます!
ご覧いただく方それぞれのヨーハン(に限らずですが)がいたらいいなぁ、と図々しく思っていまして。
こうして日置さまのヨーハン像を教えていただけること、たまらなく幸せです!

加えて、トリトンを贔屓していただいて、めっちゃくちゃ嬉しいです~!
己の信念をつらぬき、エノシガイオスの男としてシンプルに生きた人で、最期も武人の剣によって迎えましたし、悔いはなさそうですよね。


読書会!!!!!
もし実現するのであれば、なんって光栄すぎる会なのか~~~~~!
私も傍聴人として参加したい!

学生だったころ、当時全盛期だったSNS、mixiのオフ会で、ラディゲの「肉体の悪魔」座談会に参加したことを思い出しました。
オフ会参加者の皆様、めっちゃ教養高くて、仏文学にお詳しいことはもちろん、歴史についても造詣が深く、ラディゲとコクトー、ピカソ等のつながりすら知らなかった私は、まったく討論に加われませんでした。
しかしながら、皆様お優しく、またオフ会参加者の最年少だったこともあり、いろいろていねいに教えていただいたり……いい思い出です。

日置さま、フランス語を専攻なされて、なにより英文学を学ばれていらっしゃるということなので、そういった読書会の雰囲気というのは、大学のゼミなどでもご経験があるのでしょうね。
いいなあ~。素敵……!

日置さまの教養が深く、そしてまた想像力が豊かでいらっしゃるからこそ、今作を実際以上に深い物語へと昇華してくださっているのだと思います。

これまでにいただいたご感想にて、はっと気がつくことだったり、自作と改めて向き直るようなことが多々あります。
いつも丁寧に今作とおつきあいくださり、温かなご感想を本当にありがとうございます!!!
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