エピソード11の感想一覧

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[良い点]
個人的に、突然放り込まれる異世界では、その世界がどんな設定で動いているのかよりも、そこで主人公が何を考えどう行動すべきかがテーマになると思っています。その観点から見ると、この物語はとにかく与えられた条件で何とか生き延びて元の世界に帰ってやろうという主人公の泥臭さみたいなものをが感じられてとてもよかったです。
アクが強すぎる仲間たちですが、それくらいの強烈さがあって初めて主人公が行動を起こさなければならない理由にもなると思いますし、それぞれのキャラがはっきりしていて読んでいて面白いです。
[気になる点]
私が読み進めた冒頭部分だけでの印象ですが、コミカルな表現の大半が既存作品の力を借りているように感じられました。分かる人が読めば面白いですが、よく分からない人にとってはこの頻度と回数で既存作品のネタが入るのは疲れるんじゃないかと思いました。

描きたい表現が頭の中にたくさん浮かんでいるように見受けられました。そのためなのか、文章の方向性が少しブレているように思える箇所があります。一例として引用させて頂きますと、
↓引用↓
「いや、いい。それより彼女のアレ、さすがにヒドイ」
 ユーマは落とし前の説明を断念した。
 メンドくさがりな男でもあった。
 代わりにぐるぐる巻きにされているリディアを指差して、キノコマンの対応を批判した。
 ギャグマンガのような縛り方だ。もっとこう艶めかしい縛り方があるだろう、とか思ったが、口には出さない。
 女の子になんてひどいことを、という意味で言ってみた。
↑引用↑
ひとつの台詞に対して「説明を断念した」「対応を批判した」「という意味で言ってみた」と三つの述部があり、さらにその述部を説明する一文が加わっています。そのことによって文章の流れが滞っているように感じられました。
すべて言いたいことや描写していることは分かるのですが、表現をまとめたり絞ったりして文章の流れを意識してみてもいいのかなと思いました。
上の例でいえば、台詞の下2行を「ユーマは〝落とし前〟の説明を断念した。なにせメンドくさがりな男なので。」みたいにして、台詞の上に持って来るだけでも若干スッキリするのかなと思いました。
[一言]
現実世界よりも異世界での日々を楽しんでいそうな主人公が今後このクセのある仲間たちとどう生き抜いていくのか楽しみになりました。
また、今回は時間の都合上途中で読むのを止めましたが、各話の切り方なのか構成なのか、一区切りつくような箇所が見つけづらく、どんどん読み進めることができたのが驚きました。
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