感想一覧

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[一言]
大事なものは失ってみないとわからないのですよね。
自分を縛るもの、自分にとっての重荷であるものが、実は自分自身を形作るもの、自分が生きる上での根っこであったりして……。

心を入れ替えても、帰ってきてくれることはないのでしょうか。あるいは、いつか別の誰かが迷い込んできた時に、戻る道を教えてくれるイレギュラーな存在になってくれることはないのでしょうか。

この鏡に逃げ込んだ女性たちの哀しみが浄化されることがあるといいなあと思いました。
感想をありがとうございます、石河 翠様。

大事なものは、近くにあればあるほど意識から抜けてしまうもの。
あるのが当たり前なのでありがたみを感じなくなり……むしろ邪魔な、疎ましいもののように感じてしまったり。
哀しいことですが、人の心にはありがちな事かと思います。

カオルの両親が心を入れ替えても、彼女が戻ることはないでしょうね。
彼女自身が戻るつもり無いでしょうし、心を閉ざし切っているので、反省の言葉も響かないでしょう。

いつかはこの女性たちの哀しみが、すべて浄化されればいいのですけど……時間がかかるでしょうし、簡単ではないでしょうね。
[良い点]
実は私の実家にも母の嫁入り道具の三面鏡の鏡台があって、合せ鏡にすると悪魔がでてくる、なんてなんて話を聞いて怖くなった思い出があります(笑)

カオルちゃんみたいな子供多そうですよね。どこかにいきたいと思ってしまった心が囚われてしまうのでしょう。

秀逸なホラーでした!

感想をありがとうございます、しましまにゃんこ様。

私も子供の頃、母が使っていた三面鏡を覗き込んではあれこれ想像し、怖くなったりしました(笑)。
合わせ鏡って、なんとなく怖いですよね。

合わせ鏡が作る世界へ、行き場のない絶望を抱えた子が囚われてしまう。
鏡守の役目、その意味がわからないままカオルの母親は、名誉だと言われてやっていたのでしょうね。
今後彼女がどうなるかはわかりませんが、カオルはこのまま、永遠に鏡の中に囚われ続けるでしょう。
それが絶望なのか救いなのか、作者にもわかりません。

お読み下さってありがとうございました。
[良い点]
これまでも鏡守の大切なものを奪い続けていたのだと思うと複雑な心境になりました。
  • 投稿者: ぼるてん
  • 男性
  • 2021年 08月01日 13時02分
感想をありがとうございます、ぼるてん様。

そうですね、結果としてそういうことになると思います。

ある種の呪いの鏡ですけど、コレが呪いアイテムになったのは『ないがしろにされた、三面鏡の初代持ち主だった女主人の寂しさ』が原因ですからね。
惹き合ってしまうと命を取られてしまいますから、鏡守は最低でもどちらか一方(鏡か血筋の女)は、寂しがれせてはならないのです。
[良い点]
鏡の向こうには、自分の世界と同じようだけどちょっと違う世界があるような気がします。特に三面鏡は前に映るものをそれぞれ少しずつ角度を変えて映すことで、現実との差異が変わるようなところが不思議に思います。
そんな鏡の不思議さが感じられて、怖いお話だと思いました。
月日が経つうちに心が変わり、大事にされなくなった鏡とカオル。
気がついたところで、カオルはもう鏡の世界に隠れてしまい、両親はなすすべがないのでしょうね。
秀逸なホラーで、面白かったです。
感想をありがとうございます、石江京子様。

鏡の向こう、というのは、不思議な異界のような気がします。
現実ととても似ているけれど、明らかに違う世界だと。

三面鏡を大事にしなくなった母親は、つまり今の家庭から心が離れたということなのでしょうね。
父親は元々、家庭にあまり執着がなさそうですし。
この二人はなるべくしてなった不仲かもしれませんけど、子供のカオルはどうすればいいのでしょうか?

粗末にしてきた部分に大事なものがあったのを、今更ながら二人は思い知ったでしょうけど、『もう遅い』のです。

現実にもありがちな話ではないかと、私は思います。
[一言]
鏡のホラー好きなんですよー。三面鏡と、かくれんぼをこう合わせてこられるとは!
おさすがです!

  • 投稿者: 砂礫零
  • 2021年 07月29日 02時04分
感想をありがとうございます、砂礫零様。

鏡って、アイテム自体がすでに怖いですよね。
三面鏡なんて怖さ3倍です(笑)。

鏡の中に鏡が映り込む状態って、異界への入口めいてぞくぞくするなと、子供の頃から思っていました。
ここに迷い込んだら、永遠に見付からないだろうなとも。ぞわ~。

おさすが、のお言葉、ありがとうございました。
[一言]
カオルちゃああああん!!!!(ブワッ)
カオルちゃんは何も悪くないのに……(ブワワッ)。
やるせないですね……。
感想をありがとうございます、間咲正樹様。

まったくですよ、カオルちゃんは何も悪くありません!
悪いのは大人たちです。

もちろん当人たちにも、それ相応の理由や同情すべき部分はあるでしょう。
でも、子供には関係のない話です。

こういうことって、世間にはままあることでしょうけど……おっしゃる通り、やるせないですよね。
[一言]
……でもいらないって思ったくせに。

とか思いました。
いやまあわかりますけどね。親も一人の弱い人間なわけだしね……

後悔して生きる系ざまぁ。
この後夫婦はどうなるんでしょうか。

このまま破綻するのか、娘を悼み、傷を舐め合う感じで夫婦仲を取り戻すのか。
どちらにしてもカオルちゃんは戻ってきませんし、不幸になりそうな気はしますけど。

面白かったです!
  • 投稿者: 砂臥 環
  • 2021年 07月28日 23時20分
感想をありがとうございます、砂臥 環様。

そうですよね~。
魔がさしたように一瞬、そう思っただけにせよ。
この夫婦は二人共、娘を厄介者だと感じていたはず。

確かに親であってもひとりの弱い人間、そんな気分を持つことそのものは、ある程度仕方ないかもしれません。
でも……子供の立場からすると。
仕方ない、では済みませんよね。

どちらにせよ不幸になりますね、この夫婦は。
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