感想一覧
▽感想を書く[良い点]
遅くなりましたが、最終選考に残られたということで気になっていた本作を読ませていただきました。
最後の展開まで予想できず、ずっと冒頭のようなおとぎ話的な雰囲気で話が進んでいくと思い込んでいたのでいい意味で裏切られました。
没入感が深まっていったところで、
『今日でこの世界は終わりとなります。おはようございます』
という文章が出てくるのが気持ちよかったです。
ぱーっと視界がひらけていく感じがして、読み手側も夜明けに立ち会ったような心持ちになりました。
面白かったです!
[気になる点]
>両側に二本、角のように突き出した部分に配線を繋いだゴーグルをした男
最後のこの八木さんの描写だけが、頭でどうしても思い描けず……。
もしよければどういうイメージなのかあらためて教えてもらえるとすごく嬉しいです。
唯一出てきた八木さんの現実世界での描写を理解できず、すごく気になっています。
読解力がない私が悪いのですが。汗
それとタイトルの「ノアの旅」、旅ではなくてもっと別の言葉が入るとより本作にいいような気がしました。
とはいえ、では何がいいのかといえば私にもわかっていません。
[一言]
気になる点はスルーしてくださって大丈夫です!
不快な思いをさせたら申し訳ありませんm(_ _)m
遅くなりましたが、最終選考に残られたということで気になっていた本作を読ませていただきました。
最後の展開まで予想できず、ずっと冒頭のようなおとぎ話的な雰囲気で話が進んでいくと思い込んでいたのでいい意味で裏切られました。
没入感が深まっていったところで、
『今日でこの世界は終わりとなります。おはようございます』
という文章が出てくるのが気持ちよかったです。
ぱーっと視界がひらけていく感じがして、読み手側も夜明けに立ち会ったような心持ちになりました。
面白かったです!
[気になる点]
>両側に二本、角のように突き出した部分に配線を繋いだゴーグルをした男
最後のこの八木さんの描写だけが、頭でどうしても思い描けず……。
もしよければどういうイメージなのかあらためて教えてもらえるとすごく嬉しいです。
唯一出てきた八木さんの現実世界での描写を理解できず、すごく気になっています。
読解力がない私が悪いのですが。汗
それとタイトルの「ノアの旅」、旅ではなくてもっと別の言葉が入るとより本作にいいような気がしました。
とはいえ、では何がいいのかといえば私にもわかっていません。
[一言]
気になる点はスルーしてくださって大丈夫です!
不快な思いをさせたら申し訳ありませんm(_ _)m
◆アンリ様
この世界がノアのインナーワールドであることを決めた際、書き出し規定文の「おはようございます」を、最後に本来の意味での「おはようございます」として使用するのはどうだろう、と思って、繰り返し使用してカウントダウンすることにしました。
夜明けを一緒に体感していただけて良かったです。
気になる点の八木さんですが。
あー、すみません。これ、自分でもどう書けば伝わるかわからなくて。
近未来SFにあるかんじの技術で、ヘルメットや水中眼鏡のようなゴーグルをつけて、意識だけ夢の世界へ入りこむようなやつ、って言って通じますかね。
ああいう装置を頭につけていて、配線をつなぐ箇所が、まるで山羊の角のように突き出しているイメージだったんです。(厳密にいえば、山羊の角って横というよりは上から生えている気がしますが)
頭の中では映像で流れていたんですが、それをうまく言語化できませんでした。山羊の形に固執せず、ただ「八木」という名前だけで、山羊頭の姿だったことは繋がるので、ただベッド脇で手を握っていただけでも良かったかもしれません。
タイトル、難しいですよね。なにが正解やら。
コンテスト主催者のコラムでも、タイトルについて語っている記事がありました。印象に残るタイトルは、どんな話だったかも記憶に残っている、と。
そんなタイトル付けてみたいものです。
アンリさんに丁寧に読んでいただけて嬉しいです。
ありがとうございました!
この世界がノアのインナーワールドであることを決めた際、書き出し規定文の「おはようございます」を、最後に本来の意味での「おはようございます」として使用するのはどうだろう、と思って、繰り返し使用してカウントダウンすることにしました。
夜明けを一緒に体感していただけて良かったです。
気になる点の八木さんですが。
あー、すみません。これ、自分でもどう書けば伝わるかわからなくて。
近未来SFにあるかんじの技術で、ヘルメットや水中眼鏡のようなゴーグルをつけて、意識だけ夢の世界へ入りこむようなやつ、って言って通じますかね。
ああいう装置を頭につけていて、配線をつなぐ箇所が、まるで山羊の角のように突き出しているイメージだったんです。(厳密にいえば、山羊の角って横というよりは上から生えている気がしますが)
頭の中では映像で流れていたんですが、それをうまく言語化できませんでした。山羊の形に固執せず、ただ「八木」という名前だけで、山羊頭の姿だったことは繋がるので、ただベッド脇で手を握っていただけでも良かったかもしれません。
タイトル、難しいですよね。なにが正解やら。
コンテスト主催者のコラムでも、タイトルについて語っている記事がありました。印象に残るタイトルは、どんな話だったかも記憶に残っている、と。
そんなタイトル付けてみたいものです。
アンリさんに丁寧に読んでいただけて嬉しいです。
ありがとうございました!
- 彩瀬あいり
- 2021年 09月18日 22時58分
[良い点]
よかった。とても、よかったです。
いつにもまして言葉が研ぎ澄まされ、選び抜かれている感じがしました。無駄なものが何ひとつない、精緻なパーツが組み上げられて、でも出来上がるのは、ですます体のやさしい童話。銀河鉄道の夜みたいに透明感のある世界。
とはいえ、最初の頃は山羊頭などが出てきて、なんともいえない不穏さが漂っていました。なんだかシュールで、先に希望があるとは思えない雰囲気。
ところが……。
[一言]
ハッピーエンド……! メリバかと思ってた、うれしい、よかったー!
インナースペースとは想像もしていませんでした。素敵なアイデアですね。最初は童話かなと思い、途中でSF? ラストはなんと恋愛もの。彩瀬さんらしい展開が本当にうれしかったです。
ノアは最初、少年かと思っていましたが、少女だった理由がラストでわかりました。この名前がまたミスリードを誘ういいネーミングですね。やっぱり方舟的なもの、終末の切ないイメージを想起させるので。
予備知識なしに読んだあと、活動報告も読んできました。共通書き出しだったんですね! 道理でなんとなく冒頭の雰囲気がちがうと思いました。
出てくる動物たちも秀逸でしたが、七つの大罪からのイメージとのことでそれも納得です。いちから発想するより楽だし、深くなる。そういうやりかたもあったんだなあと、お勉強になりました。
コンテストに残ったこと、あらためておめでとうございます。ていうか、大賞でもいいんじゃないかと思います。
完成度の高い作品を読ませていただき、どうもありがとうございました。
よかった。とても、よかったです。
いつにもまして言葉が研ぎ澄まされ、選び抜かれている感じがしました。無駄なものが何ひとつない、精緻なパーツが組み上げられて、でも出来上がるのは、ですます体のやさしい童話。銀河鉄道の夜みたいに透明感のある世界。
とはいえ、最初の頃は山羊頭などが出てきて、なんともいえない不穏さが漂っていました。なんだかシュールで、先に希望があるとは思えない雰囲気。
ところが……。
[一言]
ハッピーエンド……! メリバかと思ってた、うれしい、よかったー!
インナースペースとは想像もしていませんでした。素敵なアイデアですね。最初は童話かなと思い、途中でSF? ラストはなんと恋愛もの。彩瀬さんらしい展開が本当にうれしかったです。
ノアは最初、少年かと思っていましたが、少女だった理由がラストでわかりました。この名前がまたミスリードを誘ういいネーミングですね。やっぱり方舟的なもの、終末の切ないイメージを想起させるので。
予備知識なしに読んだあと、活動報告も読んできました。共通書き出しだったんですね! 道理でなんとなく冒頭の雰囲気がちがうと思いました。
出てくる動物たちも秀逸でしたが、七つの大罪からのイメージとのことでそれも納得です。いちから発想するより楽だし、深くなる。そういうやりかたもあったんだなあと、お勉強になりました。
コンテストに残ったこと、あらためておめでとうございます。ていうか、大賞でもいいんじゃないかと思います。
完成度の高い作品を読ませていただき、どうもありがとうございました。
◆こまの柚里様
こまのさん、鋭い!
最初は少年主人公の予定でしたし、そうでなくとも(見た目はともかく)性別のないアンドロイドとして出発して、だんだん肉付けされて人間に近づいていくような、そんな雰囲気を目指しました。どちらとも取れる名前であり、動物たちを乗せて新しい世界へ進むということで、ノアと名付けました。うまくハマったのかなと思います。
メリバにしなくて、ほんとよかったです(笑)
これもすべて、山羊頭の男のおかげですね。愛です、愛。
決められた書き出し文と文字数制限。ジャンルはSF。
考えてみると、結構縛りがあるコンテストだったなと思いますが、そんななかで「好き」を詰め込みました。
こまのさんの心にも届いて満足です。ありがとうございました。
こまのさん、鋭い!
最初は少年主人公の予定でしたし、そうでなくとも(見た目はともかく)性別のないアンドロイドとして出発して、だんだん肉付けされて人間に近づいていくような、そんな雰囲気を目指しました。どちらとも取れる名前であり、動物たちを乗せて新しい世界へ進むということで、ノアと名付けました。うまくハマったのかなと思います。
メリバにしなくて、ほんとよかったです(笑)
これもすべて、山羊頭の男のおかげですね。愛です、愛。
決められた書き出し文と文字数制限。ジャンルはSF。
考えてみると、結構縛りがあるコンテストだったなと思いますが、そんななかで「好き」を詰め込みました。
こまのさんの心にも届いて満足です。ありがとうございました。
- 彩瀬あいり
- 2021年 09月14日 19時48分
[良い点]
世界の終わりを告げられても、しんと静まり返って透明な心境のノア、最初は性別すら「ない」ような存在の主人公が、バスに乗って、ドロドロした感情を捨てられずに大事に抱えている動物たちと一緒に「昼の町」へ向かう、というプロットが、童話や神話のような暗喩に満ちていて、色々な想像を受け止めてくれるような深い物語でした。
最後に明かされるもう一つの世界が、ノアの旅の終着点できちんと「少女」であるノアを待っていて、「乃愛」としての物語がそこから始まる、というエンディングが、この破滅エンド一直線になりそうな書き出しからの終わり方としてすごく素敵で、終わる世界と始まる何かについて、思いをを巡らせることができました。
[一言]
pixivで発表されたときから、ずっと読ませていただいていて、選考を通過されていくのをどきどきしながら(勝手に)見守らせていただいていました。
本当にすごい、と思います。同じ書き出しで、こんな物語を書けるんだ、というのが衝撃でした。
彩瀬様の作品のファンで、読ませていただいているのですが、こちらの読み力の問題で、なかなか感想として言葉でお伝えできるような形にまとまらず、しばらくうじうじしておりました。
いたらない言葉ながらも、今後は感想としてお伝えできるように、と思っています。過去作に突然お邪魔したりするかもしれませんが、びっくりしないでいただければ幸いです。軽く放置していただいて結構です……。
世界の終わりを告げられても、しんと静まり返って透明な心境のノア、最初は性別すら「ない」ような存在の主人公が、バスに乗って、ドロドロした感情を捨てられずに大事に抱えている動物たちと一緒に「昼の町」へ向かう、というプロットが、童話や神話のような暗喩に満ちていて、色々な想像を受け止めてくれるような深い物語でした。
最後に明かされるもう一つの世界が、ノアの旅の終着点できちんと「少女」であるノアを待っていて、「乃愛」としての物語がそこから始まる、というエンディングが、この破滅エンド一直線になりそうな書き出しからの終わり方としてすごく素敵で、終わる世界と始まる何かについて、思いをを巡らせることができました。
[一言]
pixivで発表されたときから、ずっと読ませていただいていて、選考を通過されていくのをどきどきしながら(勝手に)見守らせていただいていました。
本当にすごい、と思います。同じ書き出しで、こんな物語を書けるんだ、というのが衝撃でした。
彩瀬様の作品のファンで、読ませていただいているのですが、こちらの読み力の問題で、なかなか感想として言葉でお伝えできるような形にまとまらず、しばらくうじうじしておりました。
いたらない言葉ながらも、今後は感想としてお伝えできるように、と思っています。過去作に突然お邪魔したりするかもしれませんが、びっくりしないでいただければ幸いです。軽く放置していただいて結構です……。
◆藤倉楠之様
>性別すら「ない」ような存在
ここ。これがとても嬉しいです。読んでいる人に対して、ノアのことを徐々に開示していくような形にしたかったので、冒頭は自我のない虚ろな存在として映っていたら、狙い通りです。
明確な言葉にしない、曖昧で、読み手が勝手に感じ取るような寓話が好きで、そんな雰囲気を散りばめました。本当に「好きな人は好き」の極みなんですが、色々と想像して感じていただけたら、こんなにありがたいことはありません。
感想については、あまりお気になさらず。私も、読んだものすべてになにかを残せているわけではないので、お互いさまなのですよ。言語化難しい。
そうそう。自分が投稿したあと、参加作品を眺めていたときに藤倉さんのお名前を見つけていて。共に一次選考を通過して、ひそかに喜んでおりました。同じことしてたんですね(笑)
次回がもしあったら、またご一緒したいところです。
>性別すら「ない」ような存在
ここ。これがとても嬉しいです。読んでいる人に対して、ノアのことを徐々に開示していくような形にしたかったので、冒頭は自我のない虚ろな存在として映っていたら、狙い通りです。
明確な言葉にしない、曖昧で、読み手が勝手に感じ取るような寓話が好きで、そんな雰囲気を散りばめました。本当に「好きな人は好き」の極みなんですが、色々と想像して感じていただけたら、こんなにありがたいことはありません。
感想については、あまりお気になさらず。私も、読んだものすべてになにかを残せているわけではないので、お互いさまなのですよ。言語化難しい。
そうそう。自分が投稿したあと、参加作品を眺めていたときに藤倉さんのお名前を見つけていて。共に一次選考を通過して、ひそかに喜んでおりました。同じことしてたんですね(笑)
次回がもしあったら、またご一緒したいところです。
- 彩瀬あいり
- 2021年 08月25日 21時04分
[良い点]
暗喩、見立てが素晴らしいですね。
7日間は、世界ができるまでの時間。
拾っていく動物たちの抱く思いも、過ぎれば毒となるけれど大切なもの。その、大切なものを拾い上げていく旅。
身近で、分かりにくいものを例えた話は、SFやファンタジーの醍醐味の一つ、だと思います。
[気になる点]
執筆の裏話で、「構想時は旅の方向が逆で、途中で反転した」と書かれていたのを見ました。
その頃は、「動物たちがバスから下車していく」形だったのだろうかと気になっています。
彼らの象徴するものは、機械のような『生きていないもの』には無い。それらが剥落していく形だったのだろうか、と。
[一言]
バスで拾って旅のお供としていった動物たち。
猫、狼、リス、孔雀、蜘蛛、ロバ。
彼らは終わる世界の中にいた。
ヤギだけは、『外』から迎えにやってきた。
ヤギが、終わる世界が何を意味するか。
ノアにかつて何があったか。
動物たちに対応するものはノアが忘れてしまっただけ。ヤギに導かれて思い出すだけで良かった。
ヤギに対応するものだけは、完全に失われてしまった。
ヤギの手伝いで思い出すことはできたけれど、これからゆっくり取り戻していかなければならない。
ノアたちの旅は、新しい世界でも違った形で続くのでしょう。
傷は深く、穴は大きい。それでも、ラストシーンを見てしまえば、これからも何とかなるんじゃないかと思えてしまう。
暗い方へ目を向けがちな私ですが、この「何とかなりそう」な感覚は、他の方が感じているそれに近いものなのかもしれません。
暗喩、見立てが素晴らしいですね。
7日間は、世界ができるまでの時間。
拾っていく動物たちの抱く思いも、過ぎれば毒となるけれど大切なもの。その、大切なものを拾い上げていく旅。
身近で、分かりにくいものを例えた話は、SFやファンタジーの醍醐味の一つ、だと思います。
[気になる点]
執筆の裏話で、「構想時は旅の方向が逆で、途中で反転した」と書かれていたのを見ました。
その頃は、「動物たちがバスから下車していく」形だったのだろうかと気になっています。
彼らの象徴するものは、機械のような『生きていないもの』には無い。それらが剥落していく形だったのだろうか、と。
[一言]
バスで拾って旅のお供としていった動物たち。
猫、狼、リス、孔雀、蜘蛛、ロバ。
彼らは終わる世界の中にいた。
ヤギだけは、『外』から迎えにやってきた。
ヤギが、終わる世界が何を意味するか。
ノアにかつて何があったか。
動物たちに対応するものはノアが忘れてしまっただけ。ヤギに導かれて思い出すだけで良かった。
ヤギに対応するものだけは、完全に失われてしまった。
ヤギの手伝いで思い出すことはできたけれど、これからゆっくり取り戻していかなければならない。
ノアたちの旅は、新しい世界でも違った形で続くのでしょう。
傷は深く、穴は大きい。それでも、ラストシーンを見てしまえば、これからも何とかなるんじゃないかと思えてしまう。
暗い方へ目を向けがちな私ですが、この「何とかなりそう」な感覚は、他の方が感じているそれに近いものなのかもしれません。
◆LE-389様
私はどうも感覚で書くので、とても丁寧に言語化していただいたかんじで、背筋がピンと伸びる心地です。
当初は、数名の旅人が己の生を少年に語り、「良い旅を」で下車する(先に逝く)イメージでしたが、(ひとりで向かうのは寂しいなあ)と思って、最後まで同乗する方向になりました。
ただ、「死地への旅」版でも、主人公はなにかを得ていく物語でした。
住めなくなった惑星から人類は脱出していて、外へ向かう船がある地へ行く、みたいな舞台設定で。置いていかれたチャイルド型アンドロイドを通して、人間の業とか欲とか、そういうのを浮き彫りにする話。この辺りは、今と同じですね。
得ていったあとで無に帰すというのは後味悪そうなんですが、下地が「銀河鉄道の夜」なので、もぞもぞして終わる予定でした。
少年の連れということで、大人はやめて。でも子どもが達観した人生を語るのもどうかと思って、動物に。多様な動物たちとなんの疑問もなく会話をすることで、(敢えて言葉で説明せずとも)リアルベースではない寓話的な世界観であることがわかるかな、とも思いました。
山羊を色欲とした時点で、主人公の性別を変えたほうがいいような気がして、少女になった、ような気がします。
目覚めたあとでも、ノアを取り巻く環境はなにも変わっていない。
変わったのは、内側。
なんとかしよう、やってみようと、少しでも考えるようになったことで、変化していくものはあると思っています。気の持ちよう。
私自身、湿っぽい、ダークサイド寄りの話を書きがちなんですが、この物語はノアをはじめとした登場人物たちによって導かれたラストです。LE-389さんのお心になにかを残せたなれば、とても嬉しいです。
ご感想、ありがとうございました。
私はどうも感覚で書くので、とても丁寧に言語化していただいたかんじで、背筋がピンと伸びる心地です。
当初は、数名の旅人が己の生を少年に語り、「良い旅を」で下車する(先に逝く)イメージでしたが、(ひとりで向かうのは寂しいなあ)と思って、最後まで同乗する方向になりました。
ただ、「死地への旅」版でも、主人公はなにかを得ていく物語でした。
住めなくなった惑星から人類は脱出していて、外へ向かう船がある地へ行く、みたいな舞台設定で。置いていかれたチャイルド型アンドロイドを通して、人間の業とか欲とか、そういうのを浮き彫りにする話。この辺りは、今と同じですね。
得ていったあとで無に帰すというのは後味悪そうなんですが、下地が「銀河鉄道の夜」なので、もぞもぞして終わる予定でした。
少年の連れということで、大人はやめて。でも子どもが達観した人生を語るのもどうかと思って、動物に。多様な動物たちとなんの疑問もなく会話をすることで、(敢えて言葉で説明せずとも)リアルベースではない寓話的な世界観であることがわかるかな、とも思いました。
山羊を色欲とした時点で、主人公の性別を変えたほうがいいような気がして、少女になった、ような気がします。
目覚めたあとでも、ノアを取り巻く環境はなにも変わっていない。
変わったのは、内側。
なんとかしよう、やってみようと、少しでも考えるようになったことで、変化していくものはあると思っています。気の持ちよう。
私自身、湿っぽい、ダークサイド寄りの話を書きがちなんですが、この物語はノアをはじめとした登場人物たちによって導かれたラストです。LE-389さんのお心になにかを残せたなれば、とても嬉しいです。
ご感想、ありがとうございました。
- 彩瀬あいり
- 2021年 08月25日 20時36分
[良い点]
「世界の終わりまであと七日」という状況に、本来ならすごく緊迫したものを感じるはずなのに、最初から不思議とゆったりとした雰囲気を感じ、安心して読み進めました。
主人公のノアがバスで「昼の町」へ向かう過程で出会う動物たちはそれぞれ個性的で楽しいと思いました。
「わたしは機械」と答えるノアですが、愛について考えたり、動物たちと同じように望みを持ち、生命力を持っていたのですね。
ノアの身体が機械に置き換わり、一度は心を捨てたという悲しい出来事がありましたが、助手の男性に心を動かされて、明るい世界へと覚醒していく過程が見えたときは、読んでいるこちらにも光が感じられました。
新しい世界の朝が温かく迎えられて、本当によかったと思います。
素敵なお話をありがとうございました。
「世界の終わりまであと七日」という状況に、本来ならすごく緊迫したものを感じるはずなのに、最初から不思議とゆったりとした雰囲気を感じ、安心して読み進めました。
主人公のノアがバスで「昼の町」へ向かう過程で出会う動物たちはそれぞれ個性的で楽しいと思いました。
「わたしは機械」と答えるノアですが、愛について考えたり、動物たちと同じように望みを持ち、生命力を持っていたのですね。
ノアの身体が機械に置き換わり、一度は心を捨てたという悲しい出来事がありましたが、助手の男性に心を動かされて、明るい世界へと覚醒していく過程が見えたときは、読んでいるこちらにも光が感じられました。
新しい世界の朝が温かく迎えられて、本当によかったと思います。
素敵なお話をありがとうございました。
◆石江京子様
穏やかな雰囲気の物語にするべく文章を綴ったので、「ゆったり」というお言葉が嬉しいです。
主人公が無個性なぶん、彼女に影響を与える動物たちは個性豊かにしました。乗客が増えて賑やかになり、止まっていた心が動き出すようすが出ていればいいなーと思います。
SF書きの石江さんにも読んでいただけて、すごく嬉しいです。
ありがとうございました。
穏やかな雰囲気の物語にするべく文章を綴ったので、「ゆったり」というお言葉が嬉しいです。
主人公が無個性なぶん、彼女に影響を与える動物たちは個性豊かにしました。乗客が増えて賑やかになり、止まっていた心が動き出すようすが出ていればいいなーと思います。
SF書きの石江さんにも読んでいただけて、すごく嬉しいです。
ありがとうございました。
- 彩瀬あいり
- 2021年 08月22日 20時53分
[良い点]
めちゃめちゃ好きです。
世界の終わりだし、銀河鉄道だし、てっきり死へ向かうものと思っていましたが。どうして目的地が昼なのだろうと思っていたら。
逆だったんですね。
夜から昼へ。死(夢)から生へ。世界が終わり、新しい世界が始まる。
朝の訪れ。未来に向かうラストがとても良かったです。
機械らしい、淡々とした語り口も好きでした。
面白かったです。
めちゃめちゃ好きです。
世界の終わりだし、銀河鉄道だし、てっきり死へ向かうものと思っていましたが。どうして目的地が昼なのだろうと思っていたら。
逆だったんですね。
夜から昼へ。死(夢)から生へ。世界が終わり、新しい世界が始まる。
朝の訪れ。未来に向かうラストがとても良かったです。
機械らしい、淡々とした語り口も好きでした。
面白かったです。
◆遥彼方様
最初に思いついたお話は闇(死)へ向かうものだったんですが、どうして反転したのか自分でも覚えていないんですよね。
ただ、規定文をカウントダウンとして繰り返していくうちに、「おはよう→起きる→眠ってる」になって、その理由はなんだろう、みたいになったの、かな?
ほんと、自分でも曖昧ですが、書き終わったあとはすごく満足したので、この形で正解だったのだと思います。
世界というと、とても大きく感じますが、もっと身近で小さな範囲も「自分の世界」であって、そこに閉じこもっていては、見えるものも見えなくなってしまう。
視野を広げたり、考え方を変えてみたり。
難しいものですが、ほんの少しでも変わることができれば、それはもう以前とは違う、新しい「世界」になる。
地球規模の事件ではなく、地味で狭い範囲の物語に帰結するあたりが、なんとも私らしいと振り返って思いますし、でも遥さんもこういうの好きだと思ってます(笑)
ありがとうございました!
最初に思いついたお話は闇(死)へ向かうものだったんですが、どうして反転したのか自分でも覚えていないんですよね。
ただ、規定文をカウントダウンとして繰り返していくうちに、「おはよう→起きる→眠ってる」になって、その理由はなんだろう、みたいになったの、かな?
ほんと、自分でも曖昧ですが、書き終わったあとはすごく満足したので、この形で正解だったのだと思います。
世界というと、とても大きく感じますが、もっと身近で小さな範囲も「自分の世界」であって、そこに閉じこもっていては、見えるものも見えなくなってしまう。
視野を広げたり、考え方を変えてみたり。
難しいものですが、ほんの少しでも変わることができれば、それはもう以前とは違う、新しい「世界」になる。
地球規模の事件ではなく、地味で狭い範囲の物語に帰結するあたりが、なんとも私らしいと振り返って思いますし、でも遥さんもこういうの好きだと思ってます(笑)
ありがとうございました!
- 彩瀬あいり
- 2021年 08月13日 11時49分
[良い点]
イマジネーションが素晴らしいとおもいました。
夜の町をゆっくりと走るバス。
山羊頭の運転手と機械少女。
世界の破滅のカウントダウンと乗り込んでくる異形のものたち。
簡便な語り口の中にも不穏な雰囲気と緊張感が漂って良い感じでした。
一言で語るならばセンスオブワンダーに満ちた物語、でしょうか。
イマジネーションが素晴らしいとおもいました。
夜の町をゆっくりと走るバス。
山羊頭の運転手と機械少女。
世界の破滅のカウントダウンと乗り込んでくる異形のものたち。
簡便な語り口の中にも不穏な雰囲気と緊張感が漂って良い感じでした。
一言で語るならばセンスオブワンダーに満ちた物語、でしょうか。
◆風風風虱様
風風さんのお言葉がまた美しい。
端的に、かつ確実に、この作品の魅力を掬いとってくださっているように思います。泣いていいですかね。
規定の文章が、「言う」と断定口調で終わるので、そこから敬体へ持っていくと違和感あるよなと思いつつ、でもこの話を書くには童話調でなければ意味がないと思っていて。
だから、なるべく淡々とした語り口を目指しました。そのあたりが、いいほうに作用したのかなと思います。
センスオブワンダー! 感じていただけましたか。
ちゃんとSFしててよかったです。
ありがとうございました。
風風さんのお言葉がまた美しい。
端的に、かつ確実に、この作品の魅力を掬いとってくださっているように思います。泣いていいですかね。
規定の文章が、「言う」と断定口調で終わるので、そこから敬体へ持っていくと違和感あるよなと思いつつ、でもこの話を書くには童話調でなければ意味がないと思っていて。
だから、なるべく淡々とした語り口を目指しました。そのあたりが、いいほうに作用したのかなと思います。
センスオブワンダー! 感じていただけましたか。
ちゃんとSFしててよかったです。
ありがとうございました。
- 彩瀬あいり
- 2021年 08月12日 10時56分
[一言]
読み始めは、てっきりラストで方舟にたどり着いて乗り込むのだろうと思っていました。
ですが、だんだんと集まるメンバーの顔ぶれに、これは方舟には乗らないのかな?と、予想がつかなくなりました。
ラストで気づかされました。
これは『夜が終わり、明るい昼間が来る話』だったんだなって。
面白くて一気に読ませて来るけど、勢いだけじゃなくて、読後感もとても良かったです。
本当に、目の前がパアッと明るくなるようか気がしました。
世界の終わりに相応しい、素敵なお話でした。
読み始めは、てっきりラストで方舟にたどり着いて乗り込むのだろうと思っていました。
ですが、だんだんと集まるメンバーの顔ぶれに、これは方舟には乗らないのかな?と、予想がつかなくなりました。
ラストで気づかされました。
これは『夜が終わり、明るい昼間が来る話』だったんだなって。
面白くて一気に読ませて来るけど、勢いだけじゃなくて、読後感もとても良かったです。
本当に、目の前がパアッと明るくなるようか気がしました。
世界の終わりに相応しい、素敵なお話でした。
◆古森遊様
他にも色々考えた中で、いわゆる方舟として新しい世界へ向かうようなネタもあったのですが、仮想世界、あるいは彼女のインナーワールドとして展開する形になりました。
世界の終わりをどう定義するのかが、この共通書き出しコンテストにおける肝だろうと思いますが、カウントダウンとして「おはようございます」を繰り返して使っていくうちに、これは朝が来る話なのでは? と思うようになって、ラストシーンが見えました。
光が射す、視界とともに思考が晴れる。
そんなイメージでしたので、古森さんのお言葉が嬉しいです。
ご感想、ありがとうございました。
他にも色々考えた中で、いわゆる方舟として新しい世界へ向かうようなネタもあったのですが、仮想世界、あるいは彼女のインナーワールドとして展開する形になりました。
世界の終わりをどう定義するのかが、この共通書き出しコンテストにおける肝だろうと思いますが、カウントダウンとして「おはようございます」を繰り返して使っていくうちに、これは朝が来る話なのでは? と思うようになって、ラストシーンが見えました。
光が射す、視界とともに思考が晴れる。
そんなイメージでしたので、古森さんのお言葉が嬉しいです。
ご感想、ありがとうございました。
- 彩瀬あいり
- 2021年 08月12日 10時45分
[良い点]
手に取ったが最後、試し読みのつもりがするすると文字を追ってしまって、気がつくと読了していました。
「ノア」とカウントダウンされる七日間。ゆっくりと進むバス。
最初からそこにいた、運転手さん。
──やぎさん。
ラストの、あの場面で鳥肌が立ち、喜びが湧きました。いまもです。すごい……!
生きることの力というか。
振り返ると、ノアに、人間として当たり前にそなわるものを思い出させてくれた動物たちとのやり取りが、また違った角度から甦ります。
児童書ですね……! なんて、やさしいSF!!
なぜか、泣きたくなって息がつまりました。
(ほんとうに、なんでなんだろう……)
いまもです。
失ったもの、形のないもの。かけがえのないもの。
そんな大事なことを押しつけることなく、読み終えたあと胸の中にそっと預けてもらえるような、得がたいお話でした。
[一言]
こちらで投稿してくださって、読ませてくださってありがとうございました!
なんか……。読後のこの感じ、すごくきゅんきゅんして、不思議と少女小説です。好き。
ノア、という名前(漢字)も、彼女の容姿がとても自然に猫さんによって判明する流れもすごいなぁと……。
ラストの画も、ひたすら尊いなぁ、と感じてしまいます。
すてきでした……(切なさと尊さの余韻がすごいです。じわっと興奮してしまいますーー!!!)
手に取ったが最後、試し読みのつもりがするすると文字を追ってしまって、気がつくと読了していました。
「ノア」とカウントダウンされる七日間。ゆっくりと進むバス。
最初からそこにいた、運転手さん。
──やぎさん。
ラストの、あの場面で鳥肌が立ち、喜びが湧きました。いまもです。すごい……!
生きることの力というか。
振り返ると、ノアに、人間として当たり前にそなわるものを思い出させてくれた動物たちとのやり取りが、また違った角度から甦ります。
児童書ですね……! なんて、やさしいSF!!
なぜか、泣きたくなって息がつまりました。
(ほんとうに、なんでなんだろう……)
いまもです。
失ったもの、形のないもの。かけがえのないもの。
そんな大事なことを押しつけることなく、読み終えたあと胸の中にそっと預けてもらえるような、得がたいお話でした。
[一言]
こちらで投稿してくださって、読ませてくださってありがとうございました!
なんか……。読後のこの感じ、すごくきゅんきゅんして、不思議と少女小説です。好き。
ノア、という名前(漢字)も、彼女の容姿がとても自然に猫さんによって判明する流れもすごいなぁと……。
ラストの画も、ひたすら尊いなぁ、と感じてしまいます。
すてきでした……(切なさと尊さの余韻がすごいです。じわっと興奮してしまいますーー!!!)
◆汐の音様
実は助手さんの名前は後付けでして、ノアが声をかけるまで私も知らなかったのです。
おそらく汐の音さんの感じた思いと同じものを私も体感しまして、「だ、だだ、だから山羊の頭っ!」でした。
私はいつも感覚で書くので、あとから考えると全部繋がっている、意味があった、ということがあるのですが、この物語についてはすべてがそれで。
博士や八木さんによって、ノアだけではなく私も導かれた気分です。
わああ、こそばゆい。動物たちに託したものとか、書きたいと思っていたものを受け止めてくださっていて、汐の音さんが尊いです。
お手にとっていだたき、ありがとうございました。
八木さんと乃愛に幸あれ!
実は助手さんの名前は後付けでして、ノアが声をかけるまで私も知らなかったのです。
おそらく汐の音さんの感じた思いと同じものを私も体感しまして、「だ、だだ、だから山羊の頭っ!」でした。
私はいつも感覚で書くので、あとから考えると全部繋がっている、意味があった、ということがあるのですが、この物語についてはすべてがそれで。
博士や八木さんによって、ノアだけではなく私も導かれた気分です。
わああ、こそばゆい。動物たちに託したものとか、書きたいと思っていたものを受け止めてくださっていて、汐の音さんが尊いです。
お手にとっていだたき、ありがとうございました。
八木さんと乃愛に幸あれ!
- 彩瀬あいり
- 2021年 08月12日 10時33分
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