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[良い点]
おだやかな町の景色と、それに重ねられたキャラクターの心情がとても丁寧に描かれていてひたすらに情緒を揺さぶられっぱなしでした!
何と言いますか、「エモさの一撃」がすみずみに仕掛けられていて読後感はとにかく切なく、ビターな思いで胸がいっぱいです。カーステやWalkmanから流れる曲を使って当時と現在を往復するギミックも、よりいっそうシーンを際立てていますね。
現代恋愛ものとしてはおそらくとても王道なストーリーなのですが、由夏のエキセントリックな言動やポップでコミカルなシーンの存在がいい意味でのラノベ感を足しており、古臭さを感じませんでした。
振り回される晋二郎(「シンジ君」という呼び方は由夏さんのものなので・笑)の様子も「これぞ青春恋愛コメディ!」という感じで好きです。学生の間にだけ許される爽やかな恋愛模様に心が洗われました。
素敵な作品をありがとうございます!
[気になる点]
強いて挙げるなら一点だけ。
1997年11月、由夏の身に起きた出来事を晋二郎がずっと知らないままでいたというのは少し無理があるかもしれないと思いました……。
(どこか読み落としていたら申し訳ありません、気にしないでください。ただ、恐らく現実で同じ出来事があれば高校から何らかお知らせがあるような気がします。
ふと今気づいたのですが、在校生の多い学校だったり、あるいは由夏が事前に自主退学していたらお知らせがなかったりするのかもしれませんね、すみません)
[一言]
暇つぶしがてら故郷の町の名前で検索していたのですが、こんなに素敵な作品に巡り合うことができるだなんて思いもしませんでした。もはや奇跡!
長らく里帰りできていなかったのですが、作品内で繰り返し描写される風景や建物、道路の名前にとても懐かしくなりました。コロナ禍が明けて温かい季節になったら、この作品を読みながらあの町を歩きたいなと思います。
  • 投稿者: けだま
  • 2021年 12月21日 23時11分
けだまさん

とっても素敵な、筆者にとって励みにしかならない感想を頂き、心からお礼申し上げます。

都会から少し離れたところにある、どこにでもある普通の町・・・のようでありながら、一歩踏み入れると誰にでも「おかえり」と言う言葉が聞こえて来そうな素敵な町・・・ですね。

山と川に挟まれた線路と道路、それが交差する場所を越えると、町全体が纏う優しさに包まれる感覚を持つことができるのでしょう。

晋二郎と由夏のような柑橘類のような二人に良く似合う場所だと思っています。

けだまさんが緩やかな時間の中で、もう一度この作品を思い出していただけることを心から願っております。

本当に、ありがとうございました。どうか素敵な時間をお過ごしください。
  • 刀根 貴史
  • 2021年 12月28日 22時23分
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