感想一覧

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[気になる点]
あ。
感想の続き、ずっと書き忘れてました・・・。
[一言]
イギリス諸島に伝わる伝承を見ていると、『生き残った先々住民民族との交流』が、根底にあるような雰囲気があるんですよ。
『先住民族』ではなく、『先々住民族』です。
つまり、『ケルト民族』ではなく『ピクト人』とかですね。
(イギリス諸島は何次にも渡る、外来民族による征服の末に成立した政権なので、民話の歴史も複雑です)

そういう視点で日本の民話を見ると、『ヤマト王権』が征服した先住民族との交流が、『妖怪』の根底に含まれてるような気がしなくもないんですよね・・・。
(本来の)ゴブリンの行動と、座敷童の行動に、微妙な共通点があったりもするので。
※ゴブリンが悪役化してしまったのは、トルーキンの『ホビットの冒険』が元凶です。

一方で、『日本神話』にはいくつか『ギリシア神話』が混入している点から考えると、古代交易で流入した『伝承』が、民話に取り込まれた可能性も排除出来ない要因かも知れません。
平泉の藤原政権では、渤海国との交易で財を為していた部分もあるようなので。
・・・そうすると、頼朝による『奥州討伐』も、義経はただの口実で、藤原政権が保持していた財源が狙いだったのではないか・・・という考察も出てきますが、それはまた別の話。


いずれにせよ『口伝』というモノは、流入した『外聞』を取り込み易いモノなのかも知れません。加えて『リアリティ』を増す為に、地場の情報を『尾鰭派鰭』と加える訳です。


・・・そして『現代』。
かつての『口伝』は、『ネット情報』として復活しかけているような気もします。
電子的口伝とも言うべき不確かな情報を、情報元の信頼性も確認せずに拡散する。
検索エンジンは情報元の信頼性など考慮外なので、『不正確な情報』を羅列してしまう。
とくに拍車をかけているのが『まとめサイト』ですね。

そうして『現代』に、新たな『座敷童』が誕生するのかも知れません。
・・・かつての『口裂け女』のように・・・。
  • 投稿者: ゆり
  • 2023年 12月10日 15時33分
ゆり様 感想ありがとうございますm(._.)m。

口伝に様々なものが融合するのは事実ですよね。

そして、創作作品が後世に与える影響はとても大きいです。
仰るように指輪物語はそれまでの妖精の概念を大きく変えて、近年のファンタジーに大きく影響をもたらしています。

また、政治的思想や差別意識なども影響しますよね。
宗教画におけるキリストはかつては有色人種でしたが、年を経るごとにホワイトウォッシュされましたし、天使の羽は初期では取り込んだゾロアスターの影響で極彩色でしたし、筋骨隆々とした男性でしたが、これも羽は白に統一されていき、中性的な女性のような姿へと変貌しました。

妖精のイメージがフェアリーに固定されたことも大きな変遷だと思っていますが、かつての仰るような先ヶ住民たちにとっての妖精はアールブに代表される「よくわからない人智を越えた存在」の総称で、ゴブリンもエルフもトロールも妖精だったんですよね。

ネットの加速は別のかたちのフォークロアを産み出していると思います。
情報が高速化することで混濁の仕方が変わったように感じます。
新しいかたちのフォークロアはまさしくまとめのような掘り起こしから、「欠落」によって産まれていくような気がしますね。
[良い点]
 良いですっ! 座敷童の話。

 それも福の神エピソードではなく、童が家から出て行くときの情け容赦の無い怖さ。
 貧乏神・死神もハダシで逃げ出す大惨事じゃないか……。

 中でも一番好きなのは、松谷みよ子の「日本の民話」に収録されている『三十三のゆりの花』かなぁ。

 夜明け前の雪道で、花のように美しい女の子から
「だって×××家は、もう終わりだもの。」
とかニッコリ笑われたら、失禁してしまいますわ。
[一言]
 「ぼくらは怪談巡礼団」 東雅夫・加門七海共著(メディアファクトリー)によれば

 (前略)つまり、座敷童のいる宿が、ここ二十年で三倍に増えているということになる。しかも事前に調べた話に依ると「民宿とおの」の座敷童は、昭和の終わりに宿泊客が置いて行ったものだという。(中略)
 だが、やがて女将が語り始めた真相は、こちらの固定概念を覆すに足るものだった。
「ここの座敷童は新潟から来たお客さんが、早池峰神社に行って、頂いてきたものをお礼にと置いていったんです」
(引用部分p183~p185より)

 現在では、上記のような展開でワラシが増殖しているようですよ。

 う~ん……。
 置いていかれたワラシが急に
「ワタシ、出テイカナクチャ。」
とか語り始めたら、どうするんでしょうか?

みなみのうお様 感想ありがとうございますm(_ _)m

増殖してるのは初めて知りました(笑)

何となく一般には良いものと思われがちな座敷わらしですが、おっしゃるとおり、残酷で非情な面が目立ちますよね。
 ノタバリコなどが赤いのは、圧殺されたさいの血の色だとも言われてますから、元来、座敷わらしは口減らしにあった子供の祟りであったり、人身御供となった子供の祟りなど、害となる存在としてあって、後にその他の伝承と混ざることで、現在の姿に落ち着いたのかと思ったりします。
 赤い服を着ると家を離れる前触れと言うのは、本来の座敷わらしの姿に近いのかもしれませんね。
[一言]
…ふむ。

座敷わらしって、イギリスの妖精に似た部分が有るんだなぁ。
(『妖精事典(イギリスのフォークロアに現れる妖精の伝承を事典形式に編纂した本)』を通読したことが有るので…)
  • 投稿者: ゆり
  • 2021年 09月22日 16時22分
ゆり様 感想ありがとうございますm(_ _)m

確かにそうかもしれません。
妖怪の存在自体が妖精などと共通する部分がありますよね。
人間の思考は原初の部分では同一で、神話や寓話に共通項が多く見られるのも、そういった所があるから何でしょうか(-ω- ?)
[良い点]
とてもお詳しいですね。
勉強になりました。
考察もまた、納得のいくものでした。
[気になる点]
赤を着たら凶事って……。

赤って、火と血の色でもあるんですよね……。
[一言]
なろうには、座敷童子が出てくる作品もいくつかありますね。

赤い服となると、トイレの花子さんの派生にある赤いはんてんが思い浮かびました。
平民のひろろさん様 感想ありがとうございますm(_ _)m

ちょうぴらこも白い服なんですよね。共通してて面白いです。
 地鎮祭などを行う神事かかわる神主など装束が白いので、その為かなとも思ったりします。

 赤い服を着ていると家を離れる前兆だとされてたりしますね。

 色々な伝承が混ざりながら、共通項が出来ていく、本当に面白いですねm(_ _)m
[一言]
 こういうのが座敷ぼっこです。っていうフレーズを思い出しました。

 はしかなんかも「いのちぎめ」といって、それで亡くなってしまったらもう仕方ない、みたいな考えがあったそうですね。
 うちの母は、小さい頃に近所ではしかがはやって、母(わたしからは祖母)に家に閉じ込められたそうです。

 本当は失いたくなかったのに失ってしまった子どもが、苦しいことはなく好きなように楽しく遊んでいると考えたい、という気持ちもあったのかもしれませんよね。

 でも、座敷わらしは本当に居てくれたらいいなと思います。

弓良 十矢様 感想ありがとうございますm(_ _)m

そうですね、吉原のことを苦界と呼びましたが、「そこに行けば、綺麗なおべべが着れて、ご飯もいっぱい食べれるよ」と売られていく子供も慰めたそうですが、半分は本音だったのでしょうね。
皆、子供に幸せになってほしいのは当たり前なんですよ。
儘ならない世界で強かに生きて来た人たちの思い遣りの心を感じます。
[良い点]
>そうすることでコミュニティにとって大切な子供の死を「神様からお借りしてた子供が帰っていった」と納得したわけです。

はあ~、そうだったんですか。それは知りませんでした。
それで、7歳を越えたら、取り敢えずは一安心できるところまでこれたって考えたんですね。
当たり前かもですが、昔は今以上に、子供が健康に大きく育ってくれることのありがたみを感じてたんでしょうね。
[一言]
座敷わらしと言えば、水谷豊主演の映画が印象に残ってます。
あれも、座敷わらしのお陰で色んなことが上手く回りつつ、無くなりかけていた家族の絆も戻ってくるって話だったように思います(^ω^)
  • 投稿者: 退会済み
  • 2021年 09月21日 20時46分
管理
こっぽらキング様 感想ありがとうございますm(_ _)m

江戸時代の長屋で冬の死因が凍死が最も多かったなんて話もありますし、死が日常の中で身近だったんですよね。
出産も今と違って命がけですし、子供はまさしく宝だったはずなんですよね、それを口減らしで殺さなければいけなかったわけですから、色々と理由付けをしなければ精神の安定が図れなかったのは想像に難くありません。
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