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[良い点]
夏目漱石に興味を惹かれて拝読しましたが勉強になりました。
香子が漱石を社会に繋ぎ止め作家としての仕事を全うせしめたとの指摘が興味深くもあり感動もしました。
漱石がハムレットのように家族を振り回していた事については子供には不幸としか言えません。
家族とは難しいものですが、家庭が漱石を安定させ、あるいは少し延命させたのではないかとも思いました。
[気になる点]
漱石の熊本時代が省かれているのは意図的なものでしょうか。
新婚時代でありオフィーリアが運命的に意識されたであろう夫婦にとって重要な時期だったと私は考えているのですが。
  • 投稿者: 豪陽
  • 男性
  • 2022年 01月05日 20時53分
お読みいただき、ありがとうございました。
ご指摘のとおり、熊本時代のことも書く方が良かったかも知れません。新婚時代の幸せな描写をもっと詳しく書いた方が、対比が生まれて効果が上がるかも知れません。検討します。
[一言]
大変興味深く、拝読させていただきました。
漱石の「神経衰弱」については、たびたび語られてきてはいるようですが、本当に「神経衰弱」という表現で良いのか、疑問がありました。
専門家ではないので無責任なことを書くのははばかられるのですが、精神病理的には、違う病名がつくのでは? と考えています。

漱石にとって、幼少期の環境・経験が大きかったとして、一方の妻、鏡子の方が、漱石と共に暮らしていながらも、なぜ比較的安定した精神状態を保てたのか? という点にも、興味が湧くところです。
当時の考え方ということで、離縁に応じなかったというのはあるのでしょうが、鏡子の考え方、漱石への対応の冷静さは、どこからきたのでしょうか? それは、やはり、彼女の育ちによるのでしょうか?

「負の連鎖」という表現がなされることもあり、実際、伸六の心に傷を残したことは確かなようですが、一方で、伸六は多くの文化人・政治家・芸能人と交流を持ち、慕われていたという事実もあります。
伸六を救ったのが、母親である鏡子だったとしたら、多くの不幸を断ち切るために検証すべきは、鏡子の方なのかもしれません。
お読みいただきありがとうございます。
ご指摘のとおり、鏡子の果たした役割や、鏡子の態度や精神面について深く考察する必要がありそうですね。
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