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[良い点]
 とても素晴らしい物語で感動をいただきました。
 そして私好みの作品でした。

 ストーリーは幻想的に書かれてありますが、このような問題の核心を見事に描いていますので、物語にリアリティがありました。
 終わらせ方もいいですね。
 秀逸な作品だと思います。
  • 投稿者: keikato
  • 2022年 01月12日 11時55分
keikatoさま
感想をありがとうございました。

親子というテーマは、私の中の核なのかなと感じています。

胡桃も椚山も同じ親からの愛情を得られなかった者たちですが、それぞれに違う選択をして、まったく違う未来が待っているようです。

自分の描いた作品ですが、ついつい彼らの未来を妄想してしまう私です。
読んでくださった方にもそんな余韻が残る作品だったらいいなあと思います。
  • 観月
  • 2022年 01月12日 19時26分
[一言]
幼いが故に、自らの不幸に憤りすら感じられない胡桃少年。あまりにも弱く純粋なこの少年を物語がどこへ連れて行くのか、不安と期待が入り交じった気持ちで拝読しました。
彼の置かれた救いのない逆境と、猫たちの長閑な世界のコントラストが実に鮮やかです。そして猫カフェの描写が平穏であればあるほど、元の世界に戻った胡桃にどんな辛い出来事が待ち受けているか……と心配になってしまいました。そして二つの世界を繋ぐ椚山という人物。最終話で彼の素性が分かった時、鏡写しのような二人の少年の物語だったのだと分かりました。
胡桃にも椚山のように実社会生き抜く道があったかもしれないし、椚山も胡桃と同じく常世に逃げられたかもしれない。運命の分岐点は本人の能動的な選択ではなく、置かれた環境のわずかな違いや運・不運に左右されている気がします。逃げ場のない子供達を丸ごと救うことは難しくても、少しでも選択肢を増やしてあげることが私たち大人の責務なんじゃないでしょうか。(そういう意味で、やっぱり椚山さんには頑張ってほしかった……!)
胡桃にとって猫カフェへの就職は緊急避難的なものだと思います。あの正解で時間の流れがどうなっているのか分からないけれど、彼にはぜひ自分の選択によって未来を決めてほしいと願ってやみません。そのまま猫たちと暮らすもよし、人間社会に立ち向かうもよし。続編が読みたくなる作品でした。
  • 投稿者: 橘 塔子
  • 女性
  • 2022年 01月08日 22時18分
橘 塔子さま
感想ありがとうございます。
そして胡桃を優しく見守っていただき、ありがとうございました。

椚山はどこかにまだ子どもだった自分を引きずっている。そんな人物だったのではないかと思います。今回の胡桃との苦い出会が、彼を一つ大人になる後押しをするのだろうと思います。ですから、これからの彼の選択に期待です。

胡桃は胡桃で猫カフェがまるっきり現実と切り離されているわけではないので、これからいろいろな感情が湧き上がってくるのではないかと思います。
現実を生きる者たちへのあこがれ、この世界へ来ざるをえなかった自分自身への悲しみも、彼が感じるのはこれから先なのでしょう。

その時胡桃がどんな行動をとり、どのように成長していくのか。
作者の私自身も気になるところです。
妄想が実を結んだらもしかしたらまた続編を書くことができるかもしれません。
  • 観月
  • 2022年 01月09日 19時42分
[良い点]
児童虐待、大変に重い言葉であるのに、読みやすくすんなりと物語の中に入り込みました。

最初、喋る猫に会った時は、胡桃君は優しい夢を見てるんだなと思いました。
カフェに行った時には、夢が覚めなければ良いのにと思いつつも、椚山さんに痣を見つけられて、ああ、これは現実なのかとホッとしました。

束の間の温かい休息が、幻であったらどんなに苦しいだろうと思ったからです。
でも、その夢のような猫の世界に飛び込むか、虐待をされてもやっぱり好きなお母さんと一緒にいるかを選べる場面があって、なんとも安心しました。

胡桃君の物語はこれで納得しつつ、その後に椚山さんの物語が続き、ぐっと考えさせられました。
その展開が見事です!
子どもたちには、希望の物語を。
大人には、児童虐待が取り巻く様々な環境を考えさせる深い作品になっていて、素晴らしいと思いました。


[一言]
胡桃君と椚山さん、「くるみ」と「くぬぎ」の読みがかなり似ているというところも秀逸だと思いました。
似たようなところがあり、違うところもある。
同じ人は誰もいない。似ていても違う。
だからこそ、最後椚山さんは葛藤もありましたが、救いもあったのだと思います。
胡桃君には猫の世界が必要だったのだと、受け入れられたと思います。
(ちょっと何言ってるのか自分でわからなくなってすみません。でも、この名づけがすごいと思ったので!)

  • 投稿者: marron
  • 2022年 01月07日 08時09分
marronさん

感想をありがとうございます。
深く読み込んでいただいて、感激です。
一番最初にこのお話を描いた時は、文字の制限もあり胡桃サイドのお話しのみでした。
今回加筆修正するにあたって椚山の部分を膨らませたので、その展開をほめていただけて、ホッとしております。

胡桃と椚山はある意味虐待された子ども同志です。
それぞれの選択、それぞれの未来は違ったものになりましたが、答えは一つではないと思うし、どちらがいいも悪いもないと思っていただけたらいいなと思います。

選び取ることのできる選択肢をたくさん持っている子どももいるでしょうし、胡桃のように究極の二択を迫られる子どももいます。選択する時間さえなく消えていく子もいることでしょう。

胡桃は母との手を放して別の道を選びました。
子どもたちが母親とつないだ手を自ら離すということはなかなか難しいことだろうと思います。
それでも、自分を殺す(身体的な意味でも、精神的な意味でも)親からは、逃げ出すしかない。あなたたちが見ている母親は幻想にすぎない。そう伝えたいのですが……やはり、子どもには辛すぎる現実ですね。

悲しい選択をするしかない子どもたちの周りに、やさしい大人が増えますようにと祈っております。
  • 観月
  • 2022年 01月08日 08時53分
[一言]
いわゆる昨今の児童虐待を思わせる描写でありながら、猫たちが出て来た途端に優しい雰囲気に。
胡桃くんを最初女の子かと勘違いしていましたが、男の子だったのですね。
胡桃くんが救われて本当によかった……。青あざの描写など、本当に痛々しくていたたまれなくなりました。

実は、胡桃くんが衣装ダンス?の中から外に出られたとき、一瞬「これは死後の世界だったりして…」と暗い気持ちに襲われてぞっとしてしまいました。すみません。そういうこともあるかも…と。
そうでないことを祈ります。

優しい物語と希望のあるラストをありがとうございました。
感想ありがとうございます。

胡桃の選んだ世界は死後の世界ではないけれども、現実を生きない世界という意味では、死後の世界にも少し似ているかもしれません。
でも胡桃のような境遇の子どもの場合、逃げていいのだと私は思うのですけれど、人によってそのあたりの考え方は違うのかもしれませんね。
胡桃は全く別の世界へ行ってしまったわけではないので、これからも椚山をはじめとする、現実を生きる人たちとの交流があるかもしれませんね。
その交流が胡桃にどんな影響を及ぼすのか、妄想してみるのも楽しいものです。
  • 観月
  • 2022年 01月06日 19時58分
[一言]
相変わらずの端正な文章にスルスル読み進めました。
「私が言ってあげる」と言う、深くその先の展開を想像しないおばさんの親切心が親を辱め、お前のせいだと子供が当たられることになる流れ、本当にあるあるだなと思いました。おばさんのそれは親切心というか、胡桃自身を本当には見ていない、単なる自己満足かもしれない。
このような経験を何度も繰り返し、助けを求め手を伸ばすことを諦めたのだろう胡桃が痛々しいです。
胡桃に幼い自分の心を重ねて見ていた椚山もまた、胡桃の恐れを支えてやれず本当の望みを掴んでやれない。幼い胡桃を永遠に囲おうとする猫を椚山が咎めるが、猫は「君と胡桃は違うんだ」と責める。この猫の理屈もまた胡桃を支配するのを正当化したにすぎない。ここでも胡桃自身は不在で……なんとも深く胸にくる話だなと感じました。
とても良かったです。

感想ありがとうございます。
おばさんのような人間は、案外たくさん存在しますよね。
これこそ小さな親切大きなお世話というやつです。
それが怖くて、虐待されている人間は口をつぐみ笑顔を浮かべます。

逃げていいのだということを書きたかったはずなのですが、作品ができ上がってみるとまあ、逃げ出すということもなんて大変なことなんだろうと思った私です。
できる事ならば続きを書きたいなあと思う作品のうちの一つです。
  • 観月
  • 2022年 01月05日 19時55分
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