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[良い点]
 文章が具体的、かつ簡潔で分かりやすく、過不足のない必要十分な描写が素晴らしいと思いました。
 それだけに、百合さんの過酷すぎる生い立ちは読んでいて胸が痛くなり、失礼ではあるのですが、途中から読み飛ばしてしまいました。申し訳ありません。ですが、じっくり読むには辛くて仕方なかったです……。
 逆にいえば、それだけ真に迫る描写でした。

 ミステリーパートでは、ぜんぜん推理ができず、解答編まで真相が分かりませんでした(苦笑)。奥さんの浮気の描写が、そう繋がってくるのか、と目から鱗の思いで、なかなか新鮮な思いを味わわせて頂きました。
[気になる点]
 入れ替わり関係で、2点、気になることがありました。

1、楓さんは面識があるのですから、いくら時間が経過したといっても、彼女を見誤ることはないのではないでしょうか。整形手術などを受けたという話もなかったようですし、そこまで顔かたちが変わるものだろうか、と思いました。

2、なぜわざわざ、百合さんに八神林檎を名乗らせていたのだろう、と疑問に思いました。普通に「残念ながら林檎は容体の急変で亡くなってしまった。これからは百合を八神家の後継者とする」と勇心がおおやけに宣言すれば、それで綺麗にまとまったのではないかと思いました。
[一言]
 私はミステリーはほんの齧る程度しか読んだことはないのですが、「権威的な当主が血統や資質にこだわって、子供の命を弄ぶ」という筋立ては、横溝正史の『獄門島』や『犬神家の一族』を思い起こさせるものでした。

 林檎ちゃんも可哀そうでしたが、百合さんの報われなさがきつかったです。楓さんはせっかくなので、高校時代の金田一ハジメばりに涙の説得で百合さんを思いとどまらせて自首させ、後年二人で林檎ちゃんのお墓参りに行くなどの終わりを迎えてほしかったなぁ……などと思ってしまいました。

 ともあれ、なろうでは珍しいミステリ話、楽しませて頂きました。ありがとうございました。
  • 投稿者: ゲンジ
  • 2022年 10月16日 22時25分
ありがとうございます!


八年という月日を経た百合の成長ぶりは楓すら気づかないほどだったのです!
さらに言うと、当時の楓は、彼女は林檎だという先入観があったので、気づくことは難しかったでしょう。

また、勇心が百合に林檎と名乗らせていたのは、百合を納得させるため、という意味合いが強いです。林檎の分まで生きてほしい、という建前を作り、百合に不信感を与えないようにしていたのですね。


最終話の後書きでも書きましたが、私は救いのない結末は苦手なので、百合と林檎は絶対に再会させてあげたかったのです。
無事、再会できてよかった!

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