感想一覧
▽感想を書く[良い点]
・冒頭の描写が立ってますね。特に「その中央のベッドに、しなびた枯れ木が横たわる。」は白眉です。はっとさせられました。
・「切符にハサミを入れる習慣は無い。これはまた切符として使えるのだろう。」この一文もよかったです。永遠に続いていく死と生の営みを、こんな言い回しで表現されるとは。正直、脱帽です。
[気になる点]
・「それとも使用方?」←修正を。
・「どういう所なんたよそれ」←修正を。
・春のやさしい雰囲気を「子供を待つ母親のように」と表現していますが、その前に「恋人を待つ少女のように」という一文がありますし、「子供を見守る母親のように」ぐらいが適当では。要するに、「少女」なら「恋人を待つ」もので、「母親」なら「子供を見守る」もの。そういうお約束なイメージを利用した方が、比喩は伝わりやすいという面がありますので。
・「ひょっとしたらそうかもね」←字下げされていません。確認を。
・「年なら僕の方がはるかに上なんだから」←句点を。
・離婚届に婚姻届が挟まっていたというくだりですが、それでなぜ「一回だけなら浮気を許す」という意味になるんでしょう。離婚したあとでもう一度結婚するという意思の表れ? でもそれって離婚込みってことなら許してないですよね?
[一言]
評価板にて批評依頼をお受けしましたnakonokoです。遅くなって申し訳ありません。
まず、率直に言って、前回よりも格段に磨かれた文章力に驚きました。特に冒頭の病室の描写はすばらしかったです。
テーマにも雰囲気にも文句はありません。死生観と桜は、下でおっしゃるとおり、日本人にとってはもうDNAレベルで切り離せないものですよね。その上桜はすぐに散ってしまうから、人生で花見ができる回数なんて実は知れている、さて私はあと何回桜を見られるだろうか……そんなことまで考えてしまいました。
死者の魂を乗せて走るバスというモチーフにも惹かれるものを感じます。各地に伝わる幽霊バスの話などもそうですが、バスってどこかこう怪しいイメージがあるんですよね。乗ったら最後、どこへ行くのかわからない……的な。不思議な切符が彼岸と此岸をつないでいる、というイメージも、実は私も拙作で使っていたりします(まさに『銀河鉄道の夜』から拝借したイメージです笑)ので、よーくわかります。
森田の語りもいいですね。あまり老人っぽくはありませんが、子供も孫もいない、ある種フーテンみたいな男と考えれば、こういう口調であってもおかしくはないかと。
気になった点ですが、見知らぬ人間にこれほど奇妙な話を持ちかけられたとして、どれほどの人間が相手の言うことを信じられるでしょうか。もちろん、棺おけに片足突っ込んでるという特殊な状況の人間なら、という考え方もできますが、それでももう少しフォローめいた文があってもいいかもしれません。
また、あと半日で死ぬと言われたにしては、森田がやけに元気過ぎませんか(笑)? これだけ発音もハッキリとしゃべれるのに死にかけと言われても、どうも説得力に欠ける気がします。気力はあるけれど体がついていかない(たとえば呂律がまわっていないとか)、そういう描写を足してみてはいかがでしょう。
「あの人」と「あなた」の件。私も正直、「あの人」は余計かなと感じました。
下でメタ臭を減らしたいと書かれていましたし、それは私も同感です。この場合は、私なら多分こう書きます。
いや、そうだ。
この物語を最後まで読んでくれた人。今僕達を目の前にしているあなたなら、きっと。
ある程度簡潔にしてしまった方が読みやすいですし、含蓄も増すんじゃないでしょうか。
同じく、切符の効力が切れてからの場面がやや長い気がしました。語りすぎでかえって余韻を薄めてしまっているというか。語り手にあまり感傷的にあれこれしゃべらせない方が、読者が感慨を抱くのを邪魔せずにすむかもしれません。
とはいえ内容そのものには何の問題もなく、いい話を堪能させていただきました。ありがとうございました。
・冒頭の描写が立ってますね。特に「その中央のベッドに、しなびた枯れ木が横たわる。」は白眉です。はっとさせられました。
・「切符にハサミを入れる習慣は無い。これはまた切符として使えるのだろう。」この一文もよかったです。永遠に続いていく死と生の営みを、こんな言い回しで表現されるとは。正直、脱帽です。
[気になる点]
・「それとも使用方?」←修正を。
・「どういう所なんたよそれ」←修正を。
・春のやさしい雰囲気を「子供を待つ母親のように」と表現していますが、その前に「恋人を待つ少女のように」という一文がありますし、「子供を見守る母親のように」ぐらいが適当では。要するに、「少女」なら「恋人を待つ」もので、「母親」なら「子供を見守る」もの。そういうお約束なイメージを利用した方が、比喩は伝わりやすいという面がありますので。
・「ひょっとしたらそうかもね」←字下げされていません。確認を。
・「年なら僕の方がはるかに上なんだから」←句点を。
・離婚届に婚姻届が挟まっていたというくだりですが、それでなぜ「一回だけなら浮気を許す」という意味になるんでしょう。離婚したあとでもう一度結婚するという意思の表れ? でもそれって離婚込みってことなら許してないですよね?
[一言]
評価板にて批評依頼をお受けしましたnakonokoです。遅くなって申し訳ありません。
まず、率直に言って、前回よりも格段に磨かれた文章力に驚きました。特に冒頭の病室の描写はすばらしかったです。
テーマにも雰囲気にも文句はありません。死生観と桜は、下でおっしゃるとおり、日本人にとってはもうDNAレベルで切り離せないものですよね。その上桜はすぐに散ってしまうから、人生で花見ができる回数なんて実は知れている、さて私はあと何回桜を見られるだろうか……そんなことまで考えてしまいました。
死者の魂を乗せて走るバスというモチーフにも惹かれるものを感じます。各地に伝わる幽霊バスの話などもそうですが、バスってどこかこう怪しいイメージがあるんですよね。乗ったら最後、どこへ行くのかわからない……的な。不思議な切符が彼岸と此岸をつないでいる、というイメージも、実は私も拙作で使っていたりします(まさに『銀河鉄道の夜』から拝借したイメージです笑)ので、よーくわかります。
森田の語りもいいですね。あまり老人っぽくはありませんが、子供も孫もいない、ある種フーテンみたいな男と考えれば、こういう口調であってもおかしくはないかと。
気になった点ですが、見知らぬ人間にこれほど奇妙な話を持ちかけられたとして、どれほどの人間が相手の言うことを信じられるでしょうか。もちろん、棺おけに片足突っ込んでるという特殊な状況の人間なら、という考え方もできますが、それでももう少しフォローめいた文があってもいいかもしれません。
また、あと半日で死ぬと言われたにしては、森田がやけに元気過ぎませんか(笑)? これだけ発音もハッキリとしゃべれるのに死にかけと言われても、どうも説得力に欠ける気がします。気力はあるけれど体がついていかない(たとえば呂律がまわっていないとか)、そういう描写を足してみてはいかがでしょう。
「あの人」と「あなた」の件。私も正直、「あの人」は余計かなと感じました。
下でメタ臭を減らしたいと書かれていましたし、それは私も同感です。この場合は、私なら多分こう書きます。
いや、そうだ。
この物語を最後まで読んでくれた人。今僕達を目の前にしているあなたなら、きっと。
ある程度簡潔にしてしまった方が読みやすいですし、含蓄も増すんじゃないでしょうか。
同じく、切符の効力が切れてからの場面がやや長い気がしました。語りすぎでかえって余韻を薄めてしまっているというか。語り手にあまり感傷的にあれこれしゃべらせない方が、読者が感慨を抱くのを邪魔せずにすむかもしれません。
とはいえ内容そのものには何の問題もなく、いい話を堪能させていただきました。ありがとうございました。
- 投稿者: 退会済み
- 2011年 06月18日 22時33分
管理
この度は依頼に応えて頂きありがとうございます。
拙作ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
自分なりにNakonoko様や他の作者様からご意見を頂き、少しはあれこれ考えて文章を書くようにしてみたのですが、どうやら僅かでも向上があるとみてもらったようで、ご意見を下さった方々には平伏するばかりですW
とりあえず指摘された点について
・春の佇む描写について
なるほど、たしかに「待つ」が連続するよりは「見守る母親」のほうが、より描写の暖かみの幅が出ていいですね。
・離婚届と婚姻届
まあ、婚姻届は最悪勢いで離婚してしまった場合の保険というやつでW
聞いた話ですが離婚してもまた同じ相手で復縁結婚する夫婦って結構いるらしいです。
・病室でやたら元気よく喋る森田について
普通は余命半日ならまず意識不明です。ならばどう動かしてもマトモに喋るのはムリ。だったら「魂というやつに直接車掌が話かけている」ということにして、会話が淀みないのも魂で話しているからということにしてみたんですが……描写足りなかったなぁ……
森田もそういう方法で話かけてくる車掌を「この世の者ではない」と薄々感づいているわけです。
あとはテーマに「死と生」を絡めても、自分の主義的に重々しくはしたくなかったので、のっけから森田と車掌には「仲の悪い孫と爺」「年の離れた悪友」といった感じで漫才をさせましたW
実は白状すると森田は自分の知り合いの方がモデルでして、話方が元気なのもその影響です。
・あの人とあなたについて
あー、やっぱり無駄に言葉をつけすぎてますか。シンプルに済ましたほうが読むほうにもスッと入っていきますもんね。
・後半の冗長さについて
清々しく逝ったと思ったらまた出てくる森田W
切符バラまきのシーンがどうしてもやりたかったのと、「遥か」という場所について「わからないということは不安もあるけれど、せいいっぱい生きようとする人にはどんな場所でも希望がある」ということを書きたかったんですが、冗長過ぎて余韻壊してますか……車掌くんは子供っぽく毒を吐いているほうがキャラクター的にらしかったですね。
丁寧かつ暖かな感想ありがとうございました。
頂いたアドバイスを生かして、さらにもっと良い文を書けるよう精進していきたいです。
拙作ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
自分なりにNakonoko様や他の作者様からご意見を頂き、少しはあれこれ考えて文章を書くようにしてみたのですが、どうやら僅かでも向上があるとみてもらったようで、ご意見を下さった方々には平伏するばかりですW
とりあえず指摘された点について
・春の佇む描写について
なるほど、たしかに「待つ」が連続するよりは「見守る母親」のほうが、より描写の暖かみの幅が出ていいですね。
・離婚届と婚姻届
まあ、婚姻届は最悪勢いで離婚してしまった場合の保険というやつでW
聞いた話ですが離婚してもまた同じ相手で復縁結婚する夫婦って結構いるらしいです。
・病室でやたら元気よく喋る森田について
普通は余命半日ならまず意識不明です。ならばどう動かしてもマトモに喋るのはムリ。だったら「魂というやつに直接車掌が話かけている」ということにして、会話が淀みないのも魂で話しているからということにしてみたんですが……描写足りなかったなぁ……
森田もそういう方法で話かけてくる車掌を「この世の者ではない」と薄々感づいているわけです。
あとはテーマに「死と生」を絡めても、自分の主義的に重々しくはしたくなかったので、のっけから森田と車掌には「仲の悪い孫と爺」「年の離れた悪友」といった感じで漫才をさせましたW
実は白状すると森田は自分の知り合いの方がモデルでして、話方が元気なのもその影響です。
・あの人とあなたについて
あー、やっぱり無駄に言葉をつけすぎてますか。シンプルに済ましたほうが読むほうにもスッと入っていきますもんね。
・後半の冗長さについて
清々しく逝ったと思ったらまた出てくる森田W
切符バラまきのシーンがどうしてもやりたかったのと、「遥か」という場所について「わからないということは不安もあるけれど、せいいっぱい生きようとする人にはどんな場所でも希望がある」ということを書きたかったんですが、冗長過ぎて余韻壊してますか……車掌くんは子供っぽく毒を吐いているほうがキャラクター的にらしかったですね。
丁寧かつ暖かな感想ありがとうございました。
頂いたアドバイスを生かして、さらにもっと良い文を書けるよう精進していきたいです。
- 切子QBィ
- 2011年 06月24日 22時04分
[良い点]
読ませていただきました。いい話ですね。
[気になる点]
「お前以外と人間に近いみたいだな」
「以外と」は「意外と」に修正ください。
私もよくやりますけど・・・
[一言]
「この物語を最後まで読んでくれた、今僕達を目の前にしているあなたなら、きっと。」
ここだけ、観客がでてくるんですよね・・・
その前の行の「あの人」も「あなた」に変えた方がわかりやすくないですか?
細かいとこ、つつくようで申し訳ありません。
それでもこの作品の良さが消えるわけではありませんので。
不思議な感じの作品は私も書いてみたいと思うところです。
日本人には死と生と桜はなんか、相性いいみたいですね。
読ませていただきました。いい話ですね。
[気になる点]
「お前以外と人間に近いみたいだな」
「以外と」は「意外と」に修正ください。
私もよくやりますけど・・・
[一言]
「この物語を最後まで読んでくれた、今僕達を目の前にしているあなたなら、きっと。」
ここだけ、観客がでてくるんですよね・・・
その前の行の「あの人」も「あなた」に変えた方がわかりやすくないですか?
細かいとこ、つつくようで申し訳ありません。
それでもこの作品の良さが消えるわけではありませんので。
不思議な感じの作品は私も書いてみたいと思うところです。
日本人には死と生と桜はなんか、相性いいみたいですね。
感想ありがとうございます。
誤字の方は今慌てて直してきましたW
「あの人」の部分ですか、
「あの人」から「あなた」に急に切り替えることで、読者への急なパスというか不意打ちを狙って見たんですが、ちょっと急過ぎましたね。
あとあまり読者強調し過ぎるとメタネタ臭くなるし……
「銀河鉄道の夜」のラストで観客席に寿命が伸びる切符をバラまくという、それまで傍観者だった観客への「生きろ」という強いメッセージの不意打ちがやってみたかったんですが……
とりあえずもうちょっと「あの人」から「あなた」へシームレスになるよう書き直してみました。
アドバイスありがとうございました。
日本人にとって死と生と桜はもう定番のセットですから。定食に米と味噌汁がつく位、定番ですW
まあ、定番ゆえに強く引きつけられイメージしやすい材料ですから、それだけストーリーが勝負なんですよね。
誤字の方は今慌てて直してきましたW
「あの人」の部分ですか、
「あの人」から「あなた」に急に切り替えることで、読者への急なパスというか不意打ちを狙って見たんですが、ちょっと急過ぎましたね。
あとあまり読者強調し過ぎるとメタネタ臭くなるし……
「銀河鉄道の夜」のラストで観客席に寿命が伸びる切符をバラまくという、それまで傍観者だった観客への「生きろ」という強いメッセージの不意打ちがやってみたかったんですが……
とりあえずもうちょっと「あの人」から「あなた」へシームレスになるよう書き直してみました。
アドバイスありがとうございました。
日本人にとって死と生と桜はもう定番のセットですから。定食に米と味噌汁がつく位、定番ですW
まあ、定番ゆえに強く引きつけられイメージしやすい材料ですから、それだけストーリーが勝負なんですよね。
- 切子QBィ
- 2011年 06月07日 06時48分
[一言]
おぉ・・・
何と不思議で心暖まる話だ!!
「昨日のいい話トップ3」ランクイン!!
おぉ・・・
何と不思議で心暖まる話だ!!
「昨日のいい話トップ3」ランクイン!!
感想ありがとうございます。
なんか後から見直してみると「ちょっと甘く過ぎたかな?」とも思えてきましたW
所で昨日のいい話の残り二つはどんな話だったのですか?
なんか後から見直してみると「ちょっと甘く過ぎたかな?」とも思えてきましたW
所で昨日のいい話の残り二つはどんな話だったのですか?
- 切子QBィ
- 2011年 06月07日 06時31分
[良い点]
詩情あふれる表現がとてもいい。映像が目に浮かびます。
[一言]
某所から読みに来ました。
詩情あふれる表現がとてもいい。映像が目に浮かびます。
[一言]
某所から読みに来ました。
感想ありがとうございます。
自分の綺麗だと思った光景を文章で伝えたかったのも、この短編を書いた動機の一つでして、上手く伝わってくれたのなら嬉しいです。
自分の綺麗だと思った光景を文章で伝えたかったのも、この短編を書いた動機の一つでして、上手く伝わってくれたのなら嬉しいです。
- 切子QBィ
- 2011年 06月07日 06時29分
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