エピソード31の感想一覧

[良い点]
ものすごくおもしろかったです！！
プロローグはまさしく、ジョン・エヴァレット・ミレーのあの絵が思い浮かび、その瞬間に胸をつかまれたような心地でした。
ぜったいにおもしろいに違いない！　という導入から、第１話に移って、これまたヴィクトリアンスタイルなハードボイルドが、もうめちゃくちゃかっこよくて、すっかりハマってしまいました。

登場人物の言動や性質はもちろん、情景だったり、小物だったり。
説得力のある世界観が、ていねいにわかりやすく読みやすく描かれていて、物語の美しい景色が目の前にはっきりと浮かび上がり、拝読していてドキドキが止まりませんでした。

そしてかんじんの事件について。
複雑に絡まりあった事情が、すこしずつ解き明かされていく中、なんだか不穏、とか、ここ伏線かな？　なんて考えつつ、ええええっ！？　という展開に、とても驚きました。
そしてその驚きから、ああ、よかった、という結末に着地すること。
すごくすごく、おもしろかったです！

ネタバレなしで「この展開にうなった！　ここがよかった！　これこれこうで、本当に嬉しかった！」ということをお伝えするのが、私の頭ではどうしてもむずかしく、もどかしいのですが、本当に本当におもしろかったです！
[一言]
推理のお話に感想を書かせていただくにあたって、ネタバレにならないよう、注意しているつもりなのですが、なにか問題のあることを書いていたら、大変申し訳ございません。
もしこれはちょっと、ということがございましたら、お手数をおかけいたしますが、削除していただけたらと思います。

最後に。
最高の読書時間をいただいたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
素敵な物語をありがとうございました！

[良い点]
全て。

各人の心の動きとか個性、情景描写とか、意外な展開とその伏線とか（ここのところ何かあるんだろうな〜……はあ！？　みたいな）、問題が解決していくスッキリ加減とか、最終話のオチのつけ方とか、諸々。

もっと早く読んでおけば良かったです。
[気になる点]
お医者さんの名前はフェル先生？　フェン先生？

最初『フェル先生、ぼくはあなたが嫌いです』というマザーグースからとったのかと思ったんですが、後はずっとフェン先生だったので。

[良い点]
タイトルがいいですねぇ…！おもわず誰が殺したクックロビン〜♪と歌いそうになるのをこらえつつ、その元ネタを思い出しつつ、本家の詩にちなんだネーミングに唸りつつ、タイトルが二転三転していく様に驚きました。
『そ、こ、か〜！！！』と思わず呟いてしまう転には参りました！！お見事！！
十六年前の事件が落とす影にも、自分を取り巻く環境から鮮やかに飛び去ってゆく姿にも、やられた〜！！となりました。
[気になる点]
ダウ男爵は気が付かずマリーを見ていたのかもしれません。だからこそ彼女を手に入れなければ…となおのこと思い込んでしまったのかも。無意識で誰かに取られるかもしれない、と気付いたのかもしれませんな…
[一言]
無意識に人を下に見る人を時代の変化と共に描いているのが上手いな〜と思いました。身分制度が形骸化していても、それに育てられた人、それに教育された人がそこから逃げるのは難しいですものですね…。百年たって身分制度がある時代に育てられた人に育てられた人が衰えるまで、身分という意識は無くならないということを考えてしまいました。
最後もそれか〜！と膝打ちする気持ちでいっぱいです！
嘘を真実にするのはそんなことはなかったと思い込むこと…記録や写真や映像があってもなお、人の記憶はあやふやなものですから、嫌な思い出や記憶とそれに関わるすべての人と別れてしまえば、マリーがリネットであったことなど、本人でさえ完全に忘れることは可能なのでしょう。
なにはともあれ、無事くっついて何よりです。
産後鬱にならないように…！！
それにしてもちょっとでも気を抜くと『だ〜れが殺したクックロビン♪』のメロディーが流れてくるのと戦う読書でもありました。さもなくば『だれがこまどり殺したの？それは私、とスズメが言った…』とエドガーがアランに語りかける場面が思い起こされてくるあたり、この二つ記憶に刻まれ過ぎる…

[一言]
固茹風味のいいミステリーでした。

故フィス・ジェニーレンに関しては、「被疑者死亡のまま書類送検」で第二級殺人(米司法)辺りを問うてもよかった気もします。

[良い点]
事件の構造、そしてその解法の仕方が完璧でした。
読み終えた後の充足感が半端ないです。
特にそれぞれのキャラクターの一人称で感情を吐露する流れからの違和感のある話。
ここから真実が解き明かされる話に至った時の快感は得も言われぬものがありました。
[一言]
素晴らしい作品でした！
ランキングから拝見して一気見。
その後もう一回回読みました。
過不足泣き名作、作者様応援してます！