感想一覧

[一言]
　これはすごい！
　いままでずいぶんたくさんのＳＦやファンタジーを読んできましたが、これほどの奇想にはあまりお目にかかったことがありません。有名な作品でいうと、山尾悠子の「遠近法」やラリイ・ニーヴンの『リングワールド』に匹敵すると思います。

　ただ、すこし気になったところが。以下に述べるところはあまり自信がないので鵜呑みにしないでほしいのですが、終盤ややダレているような気がします。
　この作品のクライマックスは、トモミちゃんの曲がり角レポートだと思うのです。ところが、最後のミズキと両親の会話、とくに両親がさんざんもったいぶるところがいかにも長すぎて、曲がり角の興奮がさめてしまいます。そうなるまえに手早く物語をまとめてしまったほうがいいのではないかという気がしてなりません。結末の「空を見に行こう」は、いわば曲がり角のついでに軽く添える感じで。
　重ねて言いますが、あまり自信のない意見です。このとおりに書き直したとして、作品がもっと良くなるかどうか断言できません。

　批判もしましたが、まれに見る佳作なのはたしかです。これほどドキドキさせてくれる小説はひさしぶりでした。この作品に出会えただけでもインターネットをはじめた甲斐がありました。ありがとうございます。