エピソード20の感想一覧

[一言]
動きのあるシーンを小説でやる場合は、その動きを詳細に書くことと、その動作の理由を書くことが大事だと思います。名優ジェミリー・ブレッド版のシャーロック・ホームズのカメラワークなんかは本当に参考になると思いますが、それを見れば特に「目線」の重要性に気づかされるはずです。

アクションシーンは歯切れよく、なんて言われますが、それは文章量を少なくしろ、という意味では無いと思います。例えばホラー作品で、幽霊の出る一番の山場などは映像作品でも、じっくり見せますよね。小説も同じで、面白い場面は読者の興味を引いているので、文章量を多くしても、読んでくれます。かえってそれが、「じらす」効果もあって、ガンガン読んでくれると思います。逆に焦って淡白にやってしまうと、興ざめするかもしれません。

あとは、そのシーンを頭の中で再現し、それだけでなく、自分も動いてみる、というのが私は大事だと思っています。そうすると、どういう反応が人間として自然なのか、見えてきます。

例えば店員と目が合った瞬間、犯人はすぐ逃げるか、一瞬固まるか、どうでしょうか。たぶん、一瞬固まると思います。それは、店員も同じでしょう。その瞬間、店員は何を考えて固まったのでしょうか。犯人は、どうでしょうか。一秒か、もっと短い「一瞬」かもしれませんが、その「一瞬」を詳細に切り取れるのが、小説という文章媒体の良さです。

ということで、アクションシーンこそ、どっしり腰を据えて、上滑りにならないように丁寧に書く、というのが大事だと私は考えています。

最後に上記を踏まえるとこんな感じ、という例を出してみます。つまらなかったら、上記のことは忘れてください(;'∀')

　店の四人掛けのソファーにどっかり座り、店員がいなくなると、刑事は運ばれてきたコップの水に舌打ちをした。それから、泥水でも啜るかのようなしかめっ面で、それに口をつけた。
　アイツはもうどこにいるか、見当もつかない。お手上げだ。
　自分への怒りと焦燥感、そして情けなさが、刑事の心の中に渦巻いていた。
　そんな時だった、ふと刑事は、コップの端から眼球だけをジロリと上に上げた。視界の中に動くものがあるとつい追ってしまう、職業病である。
　ちょうど刑事の視界の左側から、男が歩いてきたのだ。用を足して来たらしい。三十路ほどの男で、背は１７０ちょっとといったところか。ごわついた深緑色のオーバーコートを着ている。髪は、寝起きのようにぼさぼさだ。
　ただトイレから出て来た、無精そうな男。
　それだけのはずなのだが、刑事は何か、一目に違和感を覚えた。それはまず、男の首にかかっている喜平だった。髪もぼさぼさ、髭も伸ばしっぱなし、コートも安物と見える。そんな男が、百万は下らない金のネックレスなんかつけるだろうか。
　刑事の目は、つぶさに動いた。
　男の左腕。コートの裾で見え隠れするその手首に付けている時計。その時計の盤面は見えないが、ベルトはメタルブレスだ。報告書で嫌というほど見たガイシャのロレックスに酷似している。
　そうして靴を見た瞬間、刑事の勘があたりを点けた。
　黒いバッシュだが、その左足の外側に、赤黒いしみがある。ヤツは逃亡の際、防犯用のカラーボールを投げつけられたのだ。そしてそれは、ヤツの左足にぶつかって破裂した。
　しかしまだ、それだけでは証拠は不十分だ。
　決定的な証拠は、奴の左腕にある。こいつが犯人なら、コートに隠れたその腕に、十字架のタトゥーがある。
　男は、刑事の座るテーブルの前から、通路を歩いてきた。刑事は、すっと、右腕を水の入ったコップに近づけた。
　一歩、二歩と、男の大股が近づいてくる。
　刑事はメニューを見る振りをして顔を伏せながら、静かに呼吸する。さらに、一歩、二歩、男が歩を進める。
　三歩目、男が刑事のテーブルの前までやって来た。
　その瞬間、刑事は、メニュー表をめくる動作で、右手の手元にあったコップを、テーブルの上から落とした。
「あっ」
　と、刑事はつとめて間抜けな声を出し、ソファーから腰を浮かせた。コップの水は、男のコートの下にぶつかり、その足元を濡らした。
　男も咄嗟に足を止めた。
　ガシャンと、コップが割れ、その破片が飛び散った。客たちの会話もその破砕音で一瞬止まり、皆の視線が、刑事と男に集まる。
「あぁ、すみません、お怪我は」
　そう言いながら、刑事はフキンを手に取って、男のコートを触る。男は、思わず屈みながら、左腕を伸ばして刑事の手を振り払おうとした。
　その瞬間、刑事はむんずと男の左手のコートの裾を、下の長袖もろとも掴んだ。
　男は驚愕に目を見開き、刑事を見下ろした。
　刑事は構わず、右手で男の手首を押えると、ぐいと衣服を掴んだ左手を引き上げた。
　男の腕が肘まで露になる。
　そこには、あった。
　――十字架のタトゥーだ。
　刑事は男を掴んだまま顔を上げ、男を睨みつけた。
　二人の視線がぶつかった。
　刑事の目は、確信に満ちていた。その奥の怒りの揺るぎなさを見つけ、男――いや、犯人は、もはや誤魔化せないと思った。
「ああああ！」
　犯人は大声を上げると、体を滅茶苦茶に動かして、刑事の両腕を振り払った。しかしあまりに大きく動いたためか、その振り払った腕をしたたかにテーブルの角に打ち付けて、「うっ」と声を上げると一瞬、ぶつけた肘を庇った。
　間抜けな奴め、と思いながらも、その一瞬のすきめがけて、刑事は犯人のケツを蹴飛ばした。
　犯人は前につんのめるように倒れ込んだ。
「うわぁああ」
　と、犯人は悲鳴のような声を上げて、起き上がろうとした。
　しかしまた哀れなことに、犯人は、その後頭部をテーブルにぶつけて、一人悲鳴を上げた。
「警察だ、心配ない」
　刑事は皆にそう宣言しながら、這いつくばる男に近づいた。


と、まぁ、長くなってすみませんが、こんな感じでしょうか。参考までに。

[一言]
>>　よくアクションとかである、レストランから犯人が逃げるシーン。

これだけだと一般論過ぎて？難しいですね。
その逃げる状況になぜなったのか、逃げようとしてる犯人はどういうやつなのかとか分からないと書くのは難しいのではないでしょうか？

逃げる側の人がドジ想定だとしたら、そのドジ野郎（女かな？）がなんでそんな状況になったかとかも大事じゃないですかね。

テーブルひっくり返して料理ぶちまけてみたいな描写も必要かもしれませんが、それをした時に、その犯人さんの反応こそ大事じゃないだろうか？心理描写というか？

例えばドジでテーブルひっくり返してぶちまけた場合、「あああ～こんな時までドジをしてしまった。今日だけでいい。今日だけでいいから私のドジよ封印されろ～！」なんて心中思うだけで、切実さはある程度伝わるのではないだろうか？（こんな雑魚表現よりももっといい表現は絶対にありますｗ）

またはそのドジ子が悪い子じゃないのなら「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい、でも私は逃げちゃう悪い子なんです～」とか思うだけで、その性格が伝わるのではないでしょうか？（結局逃げる時点でクソやんって意見もくる可能性はありますがそれもまたよしｗ）

情景ばかり意識してる感じですが、倒した本人の状況や心理描写の側から攻めるのもいいと思いますよ。
まあ作風にもよりますけどね。

[一言]
一度感想を送ったのですが、何か違うなと思って、削除してしまいました。もし読まれていたら、申し訳ありませんm(_ _)m


あの作品の続きかなと思ったら、やはりそうなんですね。
一度読んだんですけど、添削なんてムリーと、そのままブラバ（すいません）。少したってからもう一度読んだら、面白くなっててすごいっ、と思っていました。
ブクマすらしてなかったことに気付いて、させて頂きました。

私もアクションシーンとか苦手で、できるだけ避けて通ろうと考えています。
避けられないときも、できるだけ簡潔に。


>凄い慌てて逃げる。テーブルとかひっくり返して店員にぶつかって料理を床にぶちまけさせて

この部分、自分でもちょっと書いてみたんですけど。
主人公の一人称のお話しなので、淡々とその事実を並べるのではなく、主人公の感情を交えて書く感じにしてみたらどうかなぁ、と思ったのですが。

あっ逃げたっ！　とか。
せっかくのお料理なのにっ　とか。

淡々とサラッと書くよりは、雰囲気少しは出るのかなぁと思うのですが、どうでしょう？

[一言]
あら？現在書いている小説でしょうか？
んー、アクションは私も苦手ですから、あまり言えることは無いのですが。
要はメリハリをつけたいってことですよね？

漫画の一コマのような印象的なごく短いシーンをいくつか設定して、それらを繋げるようにちょっとした文章を書くみたいな感じが良いですよ。
慣れない内は印象的な１コマの部分を先に全部書いてしまっても良いかも知れません。
最後に全体のバランスを見て、ちょっと間延びしてるなーって思ったら表現を削ったり、シーン自体を削ったりして整えたら完成です。

後、漫画に比べて小説の有利な点として、「少しくらいなら簡単にキャラを動かせる」ことと「一部分に注目したり離したり、いわゆるカメラワークにかなり自由が利く」ので、これらを意識するともっと良くなるかも知れません。
ただし両方ともあまりに動かし過ぎると一枚絵としての印象が薄くなってしまうので、メリハリをつけたいのであれば「動き」より「止め」を重視すると良いと思います。

[一言]
うーん、自分もアクション書くの上手くないですからね(;´д｀)

動きを頭で思い描いて、それでももやもやはっきりしないときは自分の体に置き換えて試して。
想像が無理なら、実際に動かしてみて、形や姿を言葉に置き換えてみて。
そんな感じでしょうか？(^_^;)

コミカルな演出は、そうした作品を見て、頭に置きつつシーンを置き換えたり真似たり、
スピーディーなら言葉を削ったり、←想像を読み手に委ねて
ストップモーションのようにゆっくりなら、書き込みを増やして描写を緻密にしたり、←言葉を読み手にじっくり理解させてみたり
そうした方法くらいでしょうか？
思いつくのは(^ω^)

つまずいてバランスがくずれたときに、手を突き出したり振り回したり、声が出たり、他のテーブル倒したり食器を落としたり、
逃げるときは、こそこそ背中を丸めて小さくなり辺りをキョロキョロするとか、
演出の速度感によって更に細かい描写、身体や表情を書き込むとか、削ったりとかは想像できるんですけど(苦笑)

難しいですよね描写って(^_^;)

[一言]
どなたかがおっしゃってた、映像化してから文章に置き換えていくスタイルを構築中なのですが難しいですね。

参考にしたいので、いま書かれてるのをこの場で公開して、添削狙いでいきましょう。