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めんどくさい教授を前に向かせた少女。祖母の言葉、魂がしっかり少女に受け継がれていること。色というものは鮮やかに、鮮烈に、情景を飾ってくれるものですね。

心を鮮やかな色彩で染め上げるような物語でした。
初回の講義で自らを「愚者」と称し、学生たちに冷めた言葉を投じる教授。彼の姿は、まさに「めんどくさい教授」そのものだと感じました。

物語を通して印象的だったのは、未咲の奥底に息づく、祖母から受け継いだ言葉と魂です。「未咲の思うみどりって、どんな色?」という祖母の問いかけ。世界を固定された概念で捉えるのではなく、自分自身の視点で見つめることを教えてくれる素晴らしい保護者だと思います。
きっと主人公にとって、宝物みたいな時間だったんですね。だから祖母の言葉は、絵を描くことを諦めていた未咲の中で、消えずに残り続けていたのだと愚行いたしました。

そして、「色」という要素が、この物語を鮮やかに彩っていると感じました。

藤代にとっての「時雨」という言葉が、彼自身の孤独や諦念を象徴する灰色に見えるのに対し(教授にとっての文学、珈琲なんかもそうですね)、未咲にとっての「ビリジアン」や「バーミリオン」は、彼女の情熱や記憶と結びついた鮮烈な色彩に感じます。

二人がそれぞれの「色」「文学」を通して世界を認識していることが2人の隔たりと、それでも惹かれ合う不思議な関係性がより魅力を感じさせ、ぐっと引き込まれるようなお話でした。

めんどくさい教授と、祖母の言葉を受け継ぐ少女。
二人の出会いが、互いの世界に鮮やかな色彩を取り戻していく、そんな感動的な物語。

とても面白かったです。素敵なお話をありがとうございました!
木里さん、お忙しい中お読み頂きありがとうございます。
そして素敵なレビューまで……!
とっても嬉しいです(´ω`*)

非常に丁寧に読み込んで頂けて、ご感想を拝見しながら感動いたしました。
本作のテーマである色について、時雨についても読み解いてくださったのですね。
確かに自身を愚者と称する藤代は灰色の世界を生きていたのかも知れません。
木里さんのご感想で自分自身も改めて気付かされることが多々あり、また頑張って作品を書いていこうと思いました。
あたたかいご感想ありがとうございました。
[一言]
何度読んでも泣きます。
これのレビューを書かないのは、書けないからです。
この作品にふさわしいようなものが。
いつか、この作品のレビューが書けるようになったら、書こうと思っています。
  • 投稿者: Aju
  • 2023年 09月16日 17時19分
Ajuさん、お忙しい中お読み頂き、ありがとうございます。
しかも何度も読んで頂いていたのですね……! とても嬉しいです。
レビューを書きたいというお言葉も本当にありがたいです。
こうやって仰って頂けると、頑張って書いてよかったなぁと思います。
これからも琴線に触れるような作品を書けるよう、頑張ります。
あたたかいご感想、ありがとうございました。
[良い点]
二人の生き方がとても真摯で美しく表現されていると思いました。過不足なく上手な人だなと思います。生み出す者を生み出すという、救いのある終わり方も後味が良いです。人間同士のつながりを暖かく感じました。
[気になる点]
すんなり読めて、私には特になかったです。先生を主人公にして掘り下げると、またほかの話も膨らますことが出来るかなと思いました。ただの人ではない雰囲気をお持ちなので。
[一言]
大学の自由な解き放たれた世界の不安定さ。それでいて、主人公がその自由の中で人と会い、自分自身を見出していく過程が腑に落ちます。理想的な媒介としての先生。先生の持つ熱度の低い雰囲気が良い味わいになっていると思いました。

  • 投稿者: ゆっか
  • 2023年 09月15日 08時06分
yuraさん、お忙しい中お読み頂き、また素晴らしいレビューまで書いて頂きまして、誠にありがとうございます。
この作品は自分にとっても思い出深い作品でしたので、こうやって見付けて頂けたことをとても嬉しく感じております。

折角読んで頂けるからには、読後感がほっとするようなものが書けたらなぁと思いまして、このような作品になりました。
ふたりの登場人物もそれぞれに進む道を見付けられたと思っています。
先生のキャラクターも気に入って頂けて、とても嬉しいです。

あたたかいご感想を頂きまして、ありがとうございました。

[良い点]
教師って、特に美術教師や音楽教師はそうなのでしょうが、創作者の道を諦め、教職の道へ進む者が多いのだと思います。
教え子の中に、自分が追いきれなかったものを見つけたときの気持ち、分かるような気がします。
先生、まだくすぶっているんだろうなあ。
憧れであった「生み出す者」が見ている世界。彼らにあって自分にないものをいまだ探しているのだと思いました。

吹っ切った美咲の今後が気にはなりますが、とてもいい終わりでした。
先生と美咲の関係、好きですよ。
[一言]
ひだまりのねこさまの割烹(6/7の)から来ました。
お名前だけはあちこちの割烹でお見かけしておりましたが、読むのは初めて。
読んだらこれが面白くて、他のいくつかの作品も読み終えたところで、今更の感想です。(笑)
たんばりんさん、お忙しい中お読み頂き、ありがとうございます。
一方的にたんばりんさんのことは存じ上げておりましたので、今回こうやって感想を頂けて、びっくり&小躍りしてしまいました(´ω`*)

ひだまりのねこさんの活動報告でご紹介頂けていたのですね。そちらも知らなかったので、本当にありがたい限りでございます。
また、面白かったと仰って頂けてとても嬉しいです。
あまり目立つ作品はないのですが、のんびりマイペースで書いております。たんばりんさんの琴線に触れる作品があったら良いなぁ。

仰る通りで、ご自身の思いを秘めたままの先生って結構いらっしゃいますよね。
一度はそうやって諦めながらも、藤代も未咲との出逢いでまたその燻っていた気持ちに気付き、前に進んでいけたらいいなぁと思っています。
この度はあたたかいご感想を頂きまして、ありがとうございました。
[良い点]
大学時代を思い出して高校、中学、子ども時代までタイムスリップしているような感覚になりました。
色をここまで効果的に使っている作品を初めて読んだかもしれません。本当にすごい。
五感に訴えかけてくる小説って滅多にないんですよね。
全ての場面で絵が浮かぶ。音や薫りが感じられる。
創作をしている人全てが救われる優しい物語でした。
良いなあ……こんな風に書けたら楽しいだろうなあ……って思ってみたり(´艸`*)
ひだまりのねこさん! お忙しい中お読み頂き、ありがとうございます。
色々な所でお名前やイラストを拝見していたので、まさかひだまりのねこさんに私の作品を読んで頂けるとは……感無量です(´ω`*)

五感に訴えかけてくる小説、なんて嬉しいお言葉、ありがとうございます。
この作品はかなり純文学を意識していたので、普段自分が書いているものより地の文を重厚にしようと考えながら書いた結果、このような形になりました。
たとえうまくいかなかったとしても、ものをつくることの素晴らしさや歓びが霞むことはないということが読む方に伝わったら嬉しいなぁと思っていたので、とても嬉しいです。

あたたかいご感想を頂きまして、ありがとうございました。
[良い点]
とても綺麗な作品でした。

ご自身も意識されているのかと思いますが、伝えたい事は皆まで語らず、読者の想像に委ねる事で、より強く心に刻み込まれるのだと思います。
私自身、その辺の匙加減に苦労し、時に比喩の多様で意味が空中分解してしまい、いわゆる「何が言いたいんだかよくわからんない」って事態に陥ることが多々あります。

その点、この作品ーーと言いますか未来屋さん作品の全てに言えることかと思いますが、そのバランス感覚が素晴らしいと思いました。
個人的には締めのコーヒーの色〜会話のキャメルのくだり。あそこの文章から感じる色味というか、彩りというか、文章の余白から様々な模様が感じられて、本当に神がかっていると思いました。

言葉を知れば新しい世界が見えるというお考えを、作品のテーマの一つとして挙げておりましたが、今回このような作品を知れた事で、自分の世界もまた広がったような気がしました。

新しい世界を教えてくれてありがとうございます。
[一言]
非常に感動したので、初レビューを書いてみたいのですが、私のような最底辺が書いてもいいのでしょうか‥‥? 最近やっと他の作家さんとのやりとりが出てきたレベルのペーペーなので、ローカルルール的に失礼に当たらないか不安です!
幕田さん、お忙しい中お読み頂きまして、ありがとうございます。
神がかっているなんて、もう恐縮です……!
私は幕田さんの作品から溢れる純文学みというか、綺麗さがとても好きなので、そんな風に仰って頂けてとても嬉しいです。

この作品はかなり純文学を意識して書いた作品なので、多くの方に読んで気に入って頂けたのがとても励みになったことを覚えています。
というのも、なろうって純文学作品はみなさんあまりお好きでないと思っていたので。
自分の好きなものを書いても、こうやって受け入れて頂けたのが嬉しかったのです。

レビュー! 幕田さんに書いて頂けたらむっちゃ嬉しいです(´ω`*)
私も初めてレビューを書いた時はドキドキしたのですが(勿論お知り合いの作家さんなんて誰もいなかったもので……)、一度書いたらそこからリミッター外れて結構書くようになりました笑。
レビューを書いたことでお知り合いになれた方もいるので、色々書いてみてよかったなと思います(勿論スルーされることもままありますが……)

レビュー書かれて失礼だなんて思う方は恐らくいないので、ご安心くださいませ。

あたたかいご感想を頂きまして、ありがとうございました。
[良い点]
はじめまして。ラジオの朗読を聴いて、読んでみたくなりここにたどり着きました。
でも、なんとなくすぐには読めませんでした。その時の自分では目が滑ってしまう気がして、それは作者様に失礼だと思いました。
周りがにぎやかなところで読んでみようかなと思いつき、愛車の点検待ち中に一気読みしました。
前書きが長くなり申し訳ありません。
「静謐」「あたたかい」「色彩」
読了して浮かんだ言葉です。
文字に音や温度はつきませんが、このお話からは心地良い音やぬくもりを感じました。
私は超近眼なのですが、初めてコンタクト装着した時に見えた「いろいろなみどり」の木で感動したのを思い出しました。

普段はあまり読まないジャンルでしたが、心に残ってまた読み返したくなるお話でした。
[一言]
私ができることは小さいことだけど、それでいいんだと思わせて下さってありがとうございましたm(_ _)m
  • 投稿者: 綾瀬千
  • 40歳~49歳 女性
  • 2023年 02月16日 14時11分
綾瀬さん、お忙しい中お読み頂きありがとうございます。
ラジオの朗読からいらして頂いたのですね!
朗読の脚本とはまた少し違う文章なので、楽しんで頂けたのであれば幸いです(´ω`*)
お時間を作って読んで頂けたとのこと、本当にありがたい限りです。
コンタクトや眼鏡を通して見える世界って本当に色鮮やかですよね。
私は裸眼なのですが昔に比べると視力下がったので、たまに眼鏡をかけると感動します。世界ってこんなに綺麗なんだなって。

普段あまり読まないジャンルとのことですが、お越し頂けてとても嬉しいです。
あたたかく、励みになる感想を頂きまして、ありがとうございました。
これからも頑張ります。
[良い点]
私も、自分が何もなしていないんじゃないか、もう何もでてこないんじゃないか、という感覚といいますか恐怖に囚われることがあります。ですので、この作品の主題は、興味とドキドキが入り混じるものでした。
主人公は自分が何もなしえないのでは、教授は自分が何もなしてこなかったのでは、と、それを敏感に感じとる二人だからこその、素敵な物語だな、と思いました。
主人公も、教授も、きっと、これからもこんな気持ちと付き合いながら生きていくのかな。そして、その都度乗り越えたり、周りの人のそういう気持ちをくめる人になってゆくのかな、と思いました。
多くの人が、実は気にしているであろう気持ちに切り込んだ、素敵な作品ありがとうございます。
[一言]
心情ばかり、感想してしまいました。もちろん、物語の展開、面白いです。
朗読、とても素敵です。また、拝聴させていただくつもりです。
ばーでーんさん、お忙しい中お読み頂きありがとうございます。
また、朗読も合わせて聴いて頂いたとのこと、とても嬉しいです。

私も自分がいつかぱったりと何も生み出せなくなる日がくるんじゃないかと思うことがあります。一時期創作をしなかった時期は正にそれで、仕事が忙しかったといいつつも、たまになにかを書こうとしても大したものが出てこなかったんですよね。
なので、書けている内に色々と書いてしまおうと思っているのかも知れません。
自分ではない誰かに、自分が考えていることを伝えられることってとてもしあわせなことなのだと思います。

ばーでーんさんの琴線にすこしでも触れることができたのであれば、これ程嬉しいことはありません。
あたたかい感想をありがとうございました。
[良い点]
とても素敵な作品でした。
ものを創り出すという部分について、私は創作をしていますのでとても素直に心へ入ってきました。
創作活動を全くしていない人というのは厳密にはいないのでしょうけど、それでも世間的に創作活動とは縁が遠い人、そんな人がこの作品を読んだとき、どんな色に映るんでしょうか。
そんなことを考えました。
[一言]
良い点でもあるんですが、出来事はそう多くないのに読後にじんわりとした感覚が残りました。
面白い作品とは心に何かを残すもの、そう考えたときに、登場人物の「気づき」をあたかも自分の体験として感じられる、それが面白いの正体かもしれない、この作品からそんなことを気づかせていただきました。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました。
ただ巻きさん、お忙しい中お読み頂きありがとうございます。
仰る通り創作者をメインに置いた作品ですので、よりなろうの書き手の皆さんに気に入って頂けたのかも知れないです。ありがたい限りです。
いわゆる読み専の方に読んで頂いたことがあるのですが、その時にはどちらかというと「ものを生み出すこと」より「人によって世界の視え方が違うこと」に関するコメントが多かったように思います。

本作を書いた時は、あまり起伏のないストーリーということもあり、あまり多くの方に読んで頂けないのでは……と思っておりましたので、結果的に多くの方々の目に触れることができてとても嬉しいです。
登場人物の「気付き」が読者にとっても自身の体験として感じられること、確かにそうかも知れませんね。
これからも精進していきたいと思います。
あたたかい感想をありがとうございました。
[良い点]
完成度の高さに驚きました。プロの作品だと言われても違和感ありません。素晴らしかったです。

ほかのかたの感想とずれてしまって恐縮ですが、私は三話目がすごく好きでした。
実は一、二話目では先生のことがよくわからなくて。というか私自身に大学一年生の子がいるため、入学後一人の女の子に目をつける先生が若干危険に思え(すみません)、いえ、その危険さが魅力なのですが、若い子をたぶらかすなーなどとつい(すみません!)。

でもそれがすべて逆転し、先生自身の人間性が立ち現れてくる第三話のあざやかさ!
痺れました。なぜ彼女に注目したのか、なぜ惹かれたのか、そしてなぜ彼女が先生に惹かれたのかということまでも、すべてが腑に落ち、納得することができました。
おみごとです。
[一言]
一、二話目に漂うそこはかとない色気も好きです。三話目のあとに読み返すと、なおさら。
二人は恋愛関係ではなかったのかもしれませんが、そうなってもおかしくない危うさがいいですね。同じテーマで書いたとしても、ただの子弟関係では味わいが違ってしまうと思います。
「バーミリオン」という台詞にも、清潔な色っぽさを感じました。あのシーン、素敵でした。

言葉と世界の関係については、皆さまのご感想に全面同意です。
よい作品を、どうもありがとうございました。
こまのさん、お忙しい中お読み頂きありがとうございます。
プロの作品だなんて!! ありがたすぎるお言葉です。照れちゃいます……*^^*

個人的には先生など年上の男性大好きなんですが、この作品については恋愛関係にするのは違うなぁと思ってこういう形にしました(勿論恋愛に発展するというように読んで頂いても問題はないのですが)
大学一年生のお子さんがいらっしゃるんですね! 大学生って開放的な気持ちにもなりますし、ちょっと心配ですよね。
自分も大学の時は一気に解き放たれたので、あぶなっかしかったなぁと反省しています笑。
でも、その時だからこそできた経験も沢山ありました。こまのさんのお子さんが充実した学生生活を送ることができますよう、陰ながら応援しております。

バーミリオン、何だか高貴な色ですよね。
たまたま自分の頭の中で見えた色がバーミリオンだったのですが、結果的によかったなぁと思っています。

あたたかい感想を頂きまして、ありがとうございました。
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