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[良い点]
ひたすら純真で一途なディオナが可愛い。
タイトル通り悪徳奴隷商人に騙され、過酷な環境で右腕を喪うという凄惨な体験をした彼女ですが、アランと出逢った事で状況が一変したところから始まったこの物語。
ほんの気まぐれで奴隷だった彼女を身請けし、オーガ族としての資質から傭兵としての知識や技量を教え込む生活の中で、二人が少しずつ信頼を重ねていく様子はほっこりしました。
また、二人を親身になって気遣ってくれた受付嬢のリリやユリア、ディオナの義手などの世話をしてくれたユガなど、二人の周囲の人たちの優しさに心が暖かくなりました。
[気になる点]
・依頼について

序盤でディオナが傭兵登録した初日、アランが受けた依頼は『森猪の駆除』となっていましたが、その日二人が討伐したのは『レッドバニー』でした。
レッドバニーに関しては、組合で精算する際に『三級傭兵向けに限定して討伐依頼が出されている』という地の文での解説があるのですが、そもそも『森猪』の討伐ではなくレッドバニーの討伐依頼だったのでしょうか?
討伐依頼対象が異なっている場合のペナルティ設定や、もしくは『誤字』だったのか、疑問に思います。
[一言]
世界を救う勇者や、破滅を目論む魔王のような突き抜けた存在は無く、辺境で細々と傭兵をしているアランと、隻腕で元奴隷のオーガ族のディオナの交流を描いた物語。
過酷な環境であっても、一度保護したディオナを弟子として熱心に育てていくアランと、そんなアランに全幅の信頼を寄せて、密かに想いを寄せていくディオナ。
焦れったいです。
この手の物語の主人公らしくアランは鈍感系であり、ディオナをあくまで弟子としか見ていないものの、実は誰よりも大事にしており、終盤での活躍が胸が熱くなりました。
物語は完結してしまいましたが、個人的には何やら幸せそうなディオナと、彼女の『ツノ』に触れたアランのこれから進む道筋を見てみたいと思いますが、きっとハッピーエンドなのでしょう。
純粋なディオナに心が洗われた優しい物語と出会えたことに感謝します。
本当に、ありがとうございました。
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