感想一覧

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[良い点]
文章が丁寧で、テンポよく読むことができました。短編としての形も成しているし、構成がしっかりしていてわかりやすいです。読んでいて、すっと入ってくる感じ。
結末をぼかしたところもよかったなあ。あくまで語り手が(ほとんど)傍観者であるという点は斬新で、だからこその恐ろしさもありました。
あとは、一色先輩のキャラもよかったですね。住職さんもいい味出してます。短編は、キャラが薄くなりがちになるかたが多いような気がするのですが、この作品はそんなことがなくて、むしろ各人物を軸にした続編が読みたいと思うくらいでした。
こんな言い方をしたら失礼かもしれませんが、お約束の展開でここまで読ませるのは、なんだかすごいことですね。静かにぞっとするようなホラー作品でした。
[気になる点]
展開にこれといった山がなかったので、なにか盛り上がりが欲しかったかもしれません。部屋をこっそりのぞくあたりのシーンは、とてもよかったんですけど。
展開に山を作るという意味でも、なにか小道具のようなものを、作中にちりばめられたら、もっとよかったのかなと思います。引っかかることなく読めたんですけど、たとえば新しい疑問が浮かんできたり、主人公が振り回されるようななにかが起こったり……ということがあれば、きっともっとおもしろかったんじゃないかなって。
[一言]
リリコです、お邪魔します。夏ということで、ホラー苦手なんですけど、挑戦してみました。おもしろかったです。苦手だからって読まないでいたらもったいなかった!
作品には性格が表れるって言いますけど、たしかにらきさんの作品だなあと思ったりもしました(そんなに性格を知っているわけではないと思うんですけど、そのあたりは大目に見てください^q^)。変なごまかしがなくて、すっきりまとまっていて、気持ちよく読めました。
すてきな作品をありがとうございます。お互い執筆がんばりましょうね!
  • 投稿者: 退会済み
  • 女性
  • 2013年 08月17日 21時34分
管理
わー!リリコさんありがとう!
怪談の形にしたかったから語り手がどうにかなっちゃうとやりづらくってほとんど傍観者になってしまったんだよね。ふたりとも部屋に入ってしまって、語り手だけ助けるっていう手も考えたんだけどかなり長くなっちゃいそうだったから他の機会に残しておくことにした覚えがあるね。いつか続編というか別の作品に設定引き継いで書きたいという気もしてるんだけれど、果たして時間があるかどうか……w
リリコさん執筆頑張ってるし、僕も頑張るよ!
  • らきむぼん(raki)
  • 2013年 08月17日 22時28分
[一言]
冒頭から興味を惹きつけられ、あっという間に読了しました。
全体を通して、読者を飽きさせない展開は見事です。

日本人なら、憧れとともに畏敬の念さえ抱く京都。どんな怪奇現象も、「京都ならあり得る」と思ってしまうから不思議ですね。ぼくも京都は数えるほどしか行ったことがありませんが、詳しく描写された背景には、ちょっとした観光気分を味わえました。

ホラーの定義はいろいろありますが、最高も最低も「怖いこと」が条件だと思っています。
『夏の翳り』は、ともかく「怖かった」の一言で、ホラー小説として素晴らしい作品だと思いました。
一番恐怖を感じたのは、先輩の影が消えていたシーンですね。あれは絶対に、「あの部屋」に入ったせいですから。
また、住職の語る『翳霊寺』という寺の名前が意味するもの、存在と実在の話は確かな説得力があり、恐怖を感じました。
先輩の急死は偶然なのか、それとも……
最後をあえて明確にしなかったのも、よかったと思います。

「なるほど、怪談とはこう書くのか」と、勉強させていただきました。ありがとうございました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 30歳~39歳 男性
  • 2011年 08月16日 15時39分
管理
拙作を読んでいただいき、感謝致します!
また、私の書いた感想に対する返信もしていただき、参考になりました。
なるほど、時代背景というのは、やはり得意分野があるわけですね。私は今まで時代物を書く方というのは、なにか特殊能力でも持っているのかと(笑)、思ってました。かえって、現代を舞台にしたほうが難しい場合もあるというのは先先入観を捨てられて、とても参考になりました。
ここプロ様の『三兄妹の怪談噺』は、実は、矢岳秀斗様の作品を読む直前に読ませていただいていたのですが、二作続けてここまでレベルの高い作品を読んでしまい、驚きというか尊敬というか、なかば反省までした次第です(笑)
しかし、私としては、『悦楽の鬼神』と『三兄妹の怪談噺』はホラー・怪談の中でも、すこしばかりジャンルの違う作品かなと思いながら読ませて頂きました。
二作ともとても勉強になりまして、作品の完成度も高く、私としては今回の企画では『悦楽の鬼神』と『三兄妹の怪談噺』がトップ2かなと、失礼ながら心のなかで評価させていただいていました。

拙作に関して「怖さ」が少ないという意見もいただきまして、その点に関して私も妥協した面があるので、反省していましたが、「怖かった」と言っていただけると、とても嬉しく思います。
「存在と実在」という話は、多少私の哲学観も内包していました。毎日のようにあんなことを考えていまして……w

こちらこそたくさんの勉強をさせて頂きました。
有難うございました。
  • らきむぼん(raki)
  • 2011年 08月16日 18時24分
[一言]
拝読させていただきました。
文章がお綺麗で、怪談と文学が相俟った作品に仕上がっていると感じました。
静けさが伝わるようなお寺の描写。美しさが浮かぶような京都の描写。作者様の筆力と拘りの感じられる場面が随所に現れていて、同じ書き手として色々と考えさせられながら読ませていただきました。
個人的には鍵が腐り落ちる、との発言が印象に残っています。
先輩が急死したのも変といえば変ですが、もっともホラーらしい”異様さ”が感じられたのはあの演出です。とても良かったと思います。

良い作品をありがとうございました!
  • 投稿者: 退会済み
  • 2011年 08月15日 10時30分
管理
お読みいただいて感謝致します。
「怪談と文学が相俟った作品」という御言葉は作者としてとても嬉しく思います。
寺や京都には実際には殆ど行ったことがなく、微かに残る過去の記憶を想起して何とか描写したので、うまいこと雰囲気が読者様に伝わったということならば、良かったです。
読了だけでなく、御感想まで、有難うございました!
  • らきむぼん(raki)
  • 2011年 08月15日 18時55分
[一言]
とても面白かったです。
「開かずの間」というオーソドックスな素材を使用していらっしゃいますが、それだけに作者様のしっかりした文章とストーリー展開が味わえました。
「開かず(開けず)の間」の成立の背景と理由付けが、怖さをさらに煽りますね。
主人公が小説家の一色を理解したがために、あえて帰京したのが実はちょっと意外でしたが、話が引き締まったと思いました。
また、「完全な関東人」でいらっしゃるそうですけれども、京都の寺社仏閣の描写が巧みで(特に渡月橋の場面)、京都に行きたくなりました。
ありがとうございます!
「開かずの間」や「寺」というのはホラーや怪談では多用される設定だったので、それ以外のところで少し拘りたいという気持ちがありました。
京都は一度しか言っておらず、しかも修学旅行だったのでコースも決まってまして、作中に出した名所は殆ど行ったことはなかったのですが、Google MapやGoogle Earthや写真で何とか情報を引き出しましたw
現実的に考えるとちょっと無理のある場面も会ったかと思いますが、楽しんでいただけてよかったです。
ご感想ありがとうございました!
  • らきむぼん(raki)
  • 2011年 08月12日 06時38分
[良い点]
こんばんは。
怖いもの見たさという言葉の通り、まずは見て、そして、入ってしまいますね。鍵がない、というのが性質が悪いです。絶対入ります。
先輩の場合は怖いもの見たさとは少し違うようですが…。
この小説のような扉がないことを祈ります。あるとしたら、怖いですよ。
後、影は人の存在の証明の考え方が面白いと思いました。
幽霊には影はありませんからね。


お読みいただいて感謝です。
幽霊に影がないというのは確かにそうですね。あるいは霊が影そのものというパターンもありますけれど。
以前から、影というものは切り離せない絶対のパートナーというイメージがありまして、そこに重要な意味を持たせたいなと思いました。
僕も、あんな部屋があったら入っちゃいますねw
住職が可哀想です。予め言っておかないと知らないで入ってしまうかもしれないですし、かといって言ってしまうと興味が喚起されてしまう。
本当にあんな部屋がどこかにありそうで怖いですね・・・w
  • らきむぼん(raki)
  • 2011年 08月10日 09時53分
[一言]
 とても面白かったです。
 ホラーを単なる零章や怪奇現象として終わらせず、現実世界でのきちっとした終わりを齎しているところがとても素晴らしいと思いました。
 落ち着き程よく硬い文体もあいまって安心して読み進められました。
 結果として彼の死は偶然なのかそれともという点も含め、読後感がとてもよかったです。
 いやあ、とても美味しかったです。
 ご馳走様でした。
  • 投稿者: 退会済み
  • 2011年 08月09日 21時36分
管理
お読みいただいて感謝します!
霊や妖怪のような怪奇を否定するこんな時代だからこそ、一色のように現実主義という合理主義を極端に主張する人間もいるのではないかと思い、創作しました。
結果として、そういった霊的な因果で死を迎えたのか否かは判りませんが、そうではないかという推量もまた恐怖の対象になりうるのかもしれませんね。
「怖さ」に関して難があったかと思いますが、面白かったと言っていただけてよかったです。
ありがとうございました!
  • らきむぼん(raki)
  • 2011年 08月10日 09時49分
[一言]
物語背景や情景描写などがしっかりして非常に良い文章でした。京都の風景やしんみりとした雰囲気が伝わってくるようで読んでいてぐっときました。

ただ肝心の怖い描写、特に開かずの間について、主人公が間接的にしか実態を知り得なかったのが恐怖に欠けたように思います。
影がない、住職の話、先輩の死といった見える恐怖もいいですが、日本ホラー特色の見えない恐怖をもう少し後押ししてもいい気がしました。
  • 投稿者: add
  • 2011年 08月08日 22時00分

読んでいただいてありがとうございます!
「怖さ」に関しては随分と手を抜いてしまって、もう少しどうにかならなかったかな、感じましたね・・・。
もっと改善の余地がありそうでした。

主人公が間接的体験にしか遭遇しなかったのは、書きながら気づいたのですが、「部屋」の性質上入る訳にもいかず、主人公にも最後に死を与えるか、あるいは何らかの呪いを打ち破る解決を与えるか、悩んだのですが、どうも想像力が追いつかなくって無理が出そうだったので無難に終わらせてしまいました。
次にホラーを書く際はぜひとも、日本ホラーのあの独特な雰囲気を創作したいです。

いろいろと参考になるアドバイス、ありがとうございました!
  • らきむぼん(raki)
  • 2011年 08月09日 12時27分
[一言]
ぞくっとしましたよw
ただ僕は都市伝説って嫌いなんです。
なのでそういう形式だったのでさほど「怖い」とまでは感じませんでした。
一色先輩の様子が普段通りだったから余計怖くなかった感じですね。
もしもう少し怖くしたければ、部屋から出てからの先輩を明らかにおかしくした方がいいと思いますよ。

素敵な時間をありがとうございました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 男性
  • 2011年 08月08日 19時54分
管理

ご感想とアドバイス、ありがとうございました!
一色にはもう少し何かアクションを起こさせても良かったかもしれないですね・・・
なかなか、ホラーというのは難しいですね。
いろいろと妥協してしまったのは確かで、もっと発想力やら想像力やらを向上させたいですね。

参考になりました、ありがとうございますm(_ _)m
  • らきむぼん(raki)
  • 2011年 08月09日 12時20分
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