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[良い点]
小説を完結直後に拝読し、再びじっくりと読みました。
結末を知りながらも、書き込みや展開に引き込まれ、とても面白く読めました。

生存が最優先される状況で人は鬼畜に変貌しますが、
それでも人としての優しさが見え隠れする点が味わい深いです。

食料資源の不足によって集団の一部が新天地へ移動する話とも読めました。
有史以来こうしたことは無数にあっただろうと思います。
何らかの形で伝承として残っているかもしれないと想像しました。

楽しませていただきました。ありがとうございました。
菱屋千里さん、感想ありがとうございます。ましてや二度も読んでいただくとは感激です。誤字脱字、怪しい日本語と、見苦しい点もあったかと思います^^;


本作で描いた『お船さま』の到来を願う村人の考えですが、なにも日本に限られた事象ではないようです。
ご存知でしょうか、奇しくも、19世紀後半から現在まで、ニューギニアを中心とするメラネシアの各地で、カーゴ・カルト(積荷崇拝)なる信仰があるとされています。

第一次・第二次世界大戦間に起きた一種の宗教的社会運動だそうで、当時、連合軍、日本軍問わずに各国の軍隊が基地を建てはじめたことを契機に起きたとか。
僻地に飛行機が離着陸する滑走路が急ピッチで作られ、軍事行動のための大量の物資が運び込まれました。
しきりに飛行機からは武器、食糧、衣類、薬などが輸送され、時には空中投下されたこともありました。

現地人たちは、たまたま飛行機が投下したそれらの物資を手に入れ、ありがたがった。
そしてシャーマンや、預言者の託宣によって、これは、『我々の神がもたらしてくれたもの』、『死んだ祖先や親族、仲間たちが、海の向こうから大量の富を手に、帰ってきた』に違いないと解釈し、その飛行機(もしくは港を出入りする船)を崇拝の対象にしたと言います。その際、今まで白人優先の社会ではない理想郷が実現すると信じられているそうです。

さらに現地人は貧しさから脱却するため、行動に移します。
神の国からカーゴを受け入れるために、簡易的な桟橋や滑走路を作ったり、倉庫や特別な建物を建てたりしたのです。
また沖合や、上空を通過する船舶や飛行機を『おびき寄せる』ために、木や藁で作ったハリボテの『船』や『飛行機』を設置するケースも……。

また、『カーゴ』の到来を促すべく、トランス状態になるほど集団で踊り、歌い続け、放心状態となって海岸で海の彼方を見つめ続けるのだとか。
したがって日常生活が疎かになり、村落の生活そのものが荒れ果ててしまうことも珍しくないと言います。
なんともはや、ですね^^;

いずれにせよ、お読みいただきありがとうございました!
[良い点]
読み応えのあるお話でした。
なろうの企画モノの長編(2万文字以上)は、お題から外れた作品を書いているのがほとんどで、ずっと失望していたのですが、本作のように「帰り道」の「怖い」話で、ここまで堂々とした長編に出会うとは思っていませんでした。
堪能させてもらいました。
無名の人さん、感想ありがとうございます。

本当は5,000文字ぐらいで、カッチリまとまった短編を書きたいのですが、単に書き込んでいるうちに、中途半端に長くなる悪い癖にすぎません。
どうも以前の企画作も、「テーマから逸脱しているのではないか」と、やんわり指摘されたこともあるのです。こちらとしては許容範囲内だと思っているつもりなのですが……。

というのも、理由があります。
プロの作家、井上雅彦が監修、国内外の作家の書下ろし短編・中編を網羅した、『異形コレクション』なるホラーアンソロジーがあるのをご存知でしょうか?

今のところ文庫本で、1巻から15巻までは廣済堂から、16巻から53巻までは光文社より刊行されていまして、他にも類似したシリーズが脈々と続いている人気シリーズです。ホラー小説ファンなら是非押さえておくべき短編集なのです。

それらは巻によって1つのお題があり、『なろう』の夏のホラー企画のテーマ同様、各プロ作家が腕によりをかけて競い合うわけです。
ですが、さすがプロ。みなさん被らないように、独創性あふれる短編が満載です。中には愚にもつかない駄作もないわけではありませんが、時に突拍子もない傑作もあり、病みつきになること必至。
特に注目すべきは、お題に対し、思いもよらぬ物語を構成してくるところです。

なにが言いたいかというと――『なろう』の企画参加者の作品は、あまりにも窮屈にお題に固執し、柔軟性を欠いていることです。
今回のテーマなら、学校帰り、会社帰りのあまりの多いこと。プロの自由奔放さを見習って欲しいと思います。

いずれにせよ、お読みいただき、ありがとうございました!
[一言]
こんばんは、つぶらやこーらです!
拝読いたしました。

人、さまざまに魔が差す瞬間はあるかと思います。
温厚篤実で知られる人も、公私を問わない様々な掛け違いの果てに「よもや、あの人が」という行いに走ってしまうことはいつの世も知らされます。

個人的に印象的なのは、善七が為吉に瀬取りの実態をつい伝えようとしたとき、銀婆があくまでイナサによるもの……と訂正させた一場面です。
実態を覆うための方便、ときに詭弁と称されるそれらをくぐり、史料批判をしながら真実を探るとは後世の史家たちの大きな課題。それがまた、こうして重なるのかな……と感じ入ってしまいました。

自らの魂の拠り所をどこにし、進んでいくのか。それらがいかにめぐり合うのか。
その形のひとつ、ありがたく読ませていただきました
つぶらやこーらさん、感想ありがとうございます。

ですね。貧しい村のために、常世の国からお宝を満載した『お船さま』の到来を期待するという信仰自体が、自分たちの行いを正当化しているにすぎません。
村の前面に岩礁・暗礁が広がっているのを逆手に取り、あまつさえやっていることは、まさに追い剥ぎレベル。

かつて沖縄のとある島でも、島民にとって、すべての禍福は神によるものと信じていたと言います。
時にはその神に、恐ろしいことも祈ったとか……。何日も雨が降らないと、真水が湧かないその島では、草も木も枯れて、食糧に困ってしまう。

いよいよ追いつめられると、北側の八重干瀬(宮古列島の池間島の北側に広がる日本最大の卓状サンゴ礁群)というところで、船が遭難するように願掛けしたそうです。太平洋戦争当時、ここは南方へ向かう運搬船がよく通った海域であり、座礁事故が多発したそうです。

難船をはじめ、流木、魚、海藻をもたらしてくれる風をアイノカゼと呼んだそうです。
アイノカゼという言葉は、日本海沿岸に限られて使われており、この名の語源は、海が様々な珍しいものを打ち寄せてくれることを期待したのではないかと言われています。アイという語は、食物のアエモノ、饗宴をさすアエと同じような意味を持つらしく、その風が吹くと浜には、いろいろ珍しいものが打ち寄せられたからであろうと伝えられています。

このたびは丁寧にお読みいただき、ありがとうございました!
[良い点]
まさかのハッピーエンド風味に驚きました
後書き含め、とても読み応えのある内容でした。

創作過程も垣間見えて、とても実のある読書体験でした。
読ませていただきありがとうございました
ジョーンさん、感想ありがとうございました。

第1稿が仕上がったとき、わりとビターエンドだったのです。実は為吉も死なせてしまったし。
そもそも弥助、彦兵衛らは、何も悪いことをしていないのに、無理やり連れていかれるのもどうか。
かなりこじ付けて、ましな終わり方に修正しました。特に子どもが死ぬのは、いささか後味が悪すぎる。それで、為吉も生き延びたということにしました。

お恥ずかしい話、あとからいくらでも誤字脱字が見つかります。こんな悪文にお付き合いいただき、重ねてお礼申し上げます^^;
[良い点]
あぁ 急展開に次ぐ急展開!
がんばれ弥助ー!
ジョーンさん、感想ありがとうございます。

弥助を応援してくださり感謝です。そう、いきなり疾風怒濤の展開。
……てか、弥助は主人公だよね?
プロットどおりに事は運びません。なぜか完結まで書き終えてから、ハタと気付きました。
これって、完全に群像劇であって、彦兵衛でさえ主人公ではないかと^^;。
[一言]
なかなかオゾマシイ内容みたいですね
横溝正史に通じるかも
頑張って下さい
(;^ω^)

彷徨(さすらい)のリベンジャー(JOKERモドキ)さん、感想ありがとうございます。

まだ途中ですが、このあとの山場で、未曽有のおぞましいことを描くつもりです。
小説は表現し、描写してなんぼ。背筋の凍る、鬼畜の山場をご期待ください……。

確かに生前の横溝先生なら、この瀬取り事件は興味を示したかもしれませんね^^。
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