エピソード77の感想一覧

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ラストまで読ませていただきました。女神像の前でルオディックのために祈りを捧げるイルイダ、その前に現れたトーラの言葉、そして変わりゆく過去と消えゆく人々の記憶が心に残りました。

自分や誰かの夢を見続ける魔女と、その夢を掬い続ける女神。ディアトーラとリディアスとともに、対となりながら、皆本当は大切な者がいる世界、奪われない世界を望んでいる面では通ずるものもあるように感じました。その果てにたどり着いた、時が巡らない時輪の森が印象的です。

寄せては返す海の波のように、また、巡る風のように、命も時も巡りながらも、だからこそ巡らないものの大切さを知るような気がしました。

そして、海の色の瞳と、森の新緑の色の瞳。登場人物たちの瞳や髪の色をはじめ、きめ細かに紡がれる描写と設定に、奥深い世界観がひしひしと伝わってきました。

トーラをめぐる、この世界やワカバに対するラルーの想いも、本作を通じてとても心に残りました。また、「人間」と「魔女」をはじめ登場人物たちが抱える想いもそうですが、何が正しくて、何が本当の姿か、それは自分が望んだのか、誰かにそう思われたのかなど、二律背反、あるいは二つの存在の共存からも、作中を通じて目が離せませんでした。その世界に引きこまれ、心を揺らし、そして心に響く作品です。読ませていただき、ありがとうございます。
逢乃 雫さま

最後までずっとお付き合いくださりありがとうございました。
皆が同じことを望んでいる、ただそれがぶつかり合っているだけということを読み取っていただけたこと、本当に感無量です。だから、自分の願いが分からない始まりのトーラはその中でも一番強い願いにひかれてしまう。そんな力を引き継いでいく魔女達なのです。
未来を変えるものと過去を変えるものがいる世界で、変わっていくものもあり、変わらないものもある。だからこそ、巡ることなくあり続けるものこそが真理なのだと思っていたり……。
私自身もその答えは分かりませんし、それもそれぞれが持っているものだと思っています。
さらに、世界に引き込まれ、様々なことを考えてくださり、心に響いたというお言葉が本当に身に染みて嬉しいです。
本当にこんなに長いお話にずっと併走しながらお付き合いくださり、感謝しかありません。
逢乃さま、本当にありがとうございました。
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