感想一覧

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感想失礼します。

テーマパークという「キラキラの非日常」の中で、終始やっていることが“過去の整理”なのが切なくて良かったです。観覧車に乗るまでのワイワイした雰囲気と、ゴンドラの中に入った途端、空気が一気に“中三の夏”に引き戻される感じがすごく自然でした。
特に、ところどころに挟まれる* * *の回想パートの使い方が上手くて、「前に来た時の会話」と「今のやりとり」がきれいに鏡映しになっているのが効いてました。

光祐の「琴葉といるのが一番楽しい」の一言が、本当にずるいですね……。読者目線だと「今それ言うなよ!」って心の中でツッコミ入れつつ、それでもやっぱり揺れてしまう琴葉の心情にも納得してしまう。
そのうえで、琴葉の口から出てくるのが「そんなの、これからいくらでも変わるよ」という“正論寄りの防衛線”なのがリアルでした。言いたい本音は別にあるのに、絶対にそこだけは見せまいとする感じが痛い。

一方で、三好くんの存在が「今ここにある優しさ」としてすごく効いていますね。
指をからめて「……好きだよ」と言う場面、ちゃんと自分の意志で“今の恋を続ける”側に足を置いた瞬間として読めました。それでも最後の「いやにぬるいあいつの体温を思い出さないように、茜射す記憶に蓋をしながら。」という一文で、完全なハッピーエンドにはしないところも好みです。今の恋を選んだけれど、過去の恋が消えたわけじゃない、その“グラデーションのまま終わる”感じがとても余韻のあるラストでした。

青春の苦さと、ちゃんと前を向こうとする意地が同居した素敵な恋愛短編でした。読ませていただきありがとうございました。
相馬ゆう様、感想ありがとうございます。
*で隔てた回想と現在の対比は特に意識した点でもあるので気づいていただけて嬉しいです。
ゴンドラ内での光祐の発言は私自身もツッコミを入れながら書いていました。ここでは故意にずるい言葉ばかりを選んでいます。ここで琴葉が揺らぐ様子があれば畳みかけ、靡かなければ何事もなかったかのように引くというたちの悪さ……我ながら厄介な男だと思います。
三好の存在も意味を持つように描いたので、その優しさが効いていると言っていただけてとても嬉しいです。彼は恋愛作品においていわゆる「好きになれたら幸せ」な当て馬タイプなのだろうと思います。

作品の深部にまで触れた感想をいただき光栄です。
改めて、素敵な感想をありがとうございました。
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