感想一覧

▽感想を書く
感想絞り込み
全て表示
主人公の前向きでハツラツとした気質であったり軽快な口調とテンポのおかげで、なかなか悲惨な境遇にあるにもかかわらず、気持ちよく拝読いたしました。
主の息女と恋仲になったり、賭け事やら、主の若い後妻に手を出したりだとか、それぞれ清廉潔白というわけでもなく、かといってめちゃくちゃに悪辣漢というわけでもない人柄と、仲間内のやりとりに親近感と人情味を感じました。
とくに促織との関係、とてもよかったです!

昱歓お嬢様と再会できてよかった! と思う反面、それまでアニスのいい妻っぷりがあったので、これはどうしたら……とドキドキしたのですが、『聖典にも、四人まで妻を持っても良いと書かれて』あってよかった!
七郎ならきっと、本当にふたりを分け隔てなく大事にするんだろうなあという安心感もあって。

それぞれの地の気風がひしひしと伝わってくるのも、ロマンがあってとても素敵でした。
おもしろかったです!
  • 投稿者: 空原海
  • 2025年 01月12日 14時16分
感想ありがとうございます!

七郎くんはくよくよしない性格なもので(笑)。

タラスの戦いで紙漉き職人が捕虜になって……と言われていますが、考えてみると、アッバース朝軍が唐に攻め込んできて職人をさらって行ったわけではなく、また徴兵制で無理矢理駆り出されたわけでもないようなんですよね。
となると、手に職を持っていながら兵士になって戦場に赴いた連中というのは、あまりまともな人たちではなかったんじゃないか、ということでキャラ造形しました。
促織くんはなかなかいい仕事をしてくれました。

アニスはマジでいい子なのです。
〝製紙法の西方への伝播〟はシルクロード好きには欠かせないエピソードで、楽しく拝読しました!
「高仙芝」「タラス河畔」「杜環」……と、知っているワード(人名・地名)が出てくるたびにドキドキしました。歴史物語って、やっぱり良いですね!

 昱歓お嬢様とは長安で別れて、それっきりなのかな? と思っていたら、まさかの再登場! ストーリーも、とっても面白かったです。
『すべては紙のお導き』というタイトルもエスプリに富んでいて、お見事! と感心いたしました。
いつも感想ありがとうございます!

杜環をご存知だったとは!
さすがしのぶ様です。
私は全然知りませんでした(笑)。
彼の「経行記」がちゃんとした形で残っていたらと思うと、大変残念です。

昱歓がサマルカンドにまで連れて来られてしまう展開はいささか強引かとも思いましたが、やっぱりハッピーエンドじゃないとね^^;
中国の技術の技術のうちの四大発明(紙・火薬・活版印刷・羅針盤)は、全てが欧米による世界制圧の主要要素となって、現代の世界秩序を作っているわけで、その西方伝播は確かに大分水嶺です。

こうして作品として書かれると、その事に気付くわけですが、「やられた」と嫉妬するにはあまりにも資料が少なく、本作を拝見しても「私には書けないな」と納得してしまう分水嶺でした。資料がないってのは、確かに何でも書ける訳ですよね。

俗説である「戦争の捕虜から伝わった」というのを膨らましたお話、楽しませて頂きました。近年の研究だと、戦争ではなく平和的に(この戦争の前に)つたわったそうですが(wikiではなく百度のほうの情報)、俗説の方が物語には相応しいですね。
感想ありがとうございます!

>近年の研究だと、戦争ではなく平和的に(この戦争の前に)つたわったそうですが
ああ、やっぱりそうなのですね。
本作の執筆に当たって調べてみた限りでは、捕虜説が定説みたいな書き方をされているものしか見つけられなかったのですが、そりゃそうだわな。
大体、侵略されたのならともかく、なんで遠征軍に手に技術を持った職人が混ざってるんだよ、という話でして。
ただ、実際に、唐軍の捕虜の中に(紙漉きに限らず)職人が含まれていたことも確かなようなんですよね。
まあ、捕虜の中にも職人がいて、彼らがなにがしかの技術発展に寄与はしたとしても、タラスの戦いがなければ西方への技術伝播はなかったというわけではない、というあたりが妥当でしょうか。


何らかの専門知識に秀でていたり専門技術を会得したりしていると、いざという時に役立ちますね。
耶律楚材がチンギス・ハーンに見い出されたのも、天文学と占いの知識が物を言ったらしいですし。
いつも感想ありがとうございます!

まさに芸は身を助くなのです。
いわゆる「開元の治」と称される善政を敷いて唐を繫栄させた玄宗皇帝も、この時期になると楊貴妃に耽溺して政務を疎かにし始めるようになりましたね。
やがて「安史の乱」が起きて安禄山の軍勢が攻め寄せてくる事を考えますと、昱歓さんを始めとする第1章に登場した長安の人々の運命が心配になりますね。
無事だと良いのですが…
いつも感想ありがとうございます!

タラスの戦いって、まさに安史の乱の前夜の出来事だったんですよね。
お嬢様の運命やいかに。
↑ページトップへ