感想一覧

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冒頭の抽象的な生命史、そして、次段の作戦行動前のやり取りは、なかなか分かりづらく読む手(目)が何度か止まりました。
鏡像異性体の「人間」2種による戦争。興味深く、想像を掻き立てる内容ですが、如何せん咀嚼しづらい。

遺伝子の螺旋回転の右・左で相互代謝不能なのは、その通りなのですが…。右・左それぞれで生態系が確立されたからこそ、お互いに人間が形成されている訳で。なればこそ、人間の戦争よりも前に争うべきは動植物達だと思うのですよね。
空を飛んで移動できる鳥や昆虫、人間よりも優れた身体能力で大移動する大型哺乳類、地表の7割を占める海に住む魚類、空気中に花粉をばら蒔く植物、そしてそれら全てと相互関係する微生物。
右・左に属するそれらが惑星表面のありとあらゆる場所で「衝突」するのが必然…。この冒頭の展開では、とても「人間同士の“呑気な”戦争」には至らないと個人的には結論付けてしまう。

また、戦闘機のやり取りも、ミリタリーものとしては重厚でよろしいのだろうけど、固有名詞がやたらと多く誰が何を喋っているか読者(こちら)からは判別できない。
主人公であるサキシマさんの立ち位置とその描写だけでも抜き出さないと、せっかくの文章に目が滑ってしまう。実際、かなり滑った。

しかし、そんなところを進んだ先。

本編とも言うべき捕虜パートからは、一転、人間らしい会話と想像しやすい情景描写でスムーズに読め、SFらしい刺激が得られました。

サキシマさんが何故この物語の主人公なのか。敵国に所属しながらも、ユーモアに溢れた人工知能学者との会話。人工知能やロボットとのやり取り。
間違いなく面白いSFです。

「戦闘機の中の戦術AI」、「生命の中の遺伝子」、「知性の根幹を成す感情」。これらの構造的共通項が、小気味良い。

短編にまとめるなら捕虜パートから開始する…、冒頭の世界観も展開したいなら連載形式で投稿して各話パートごとに区切る…、のが作品をより良くするのではないかなと愚考しました。ぼんやり参考にしてくださいませ。
  • 投稿者: 山羊野混乱
  • 30歳~39歳 男性
  • 2025年 04月20日 15時55分
「冒頭の抽象的な生命史」。
それこそが筆者が言いたかったことの大部分を占めています。
もう一つ。遺伝子が鏡像関係にあるのではなく、あらゆるアミノ酸が鏡像関係にあります。
ですからあらゆる生命は二分されていて人類もそうである、という立て付けです。
最後までお読み頂き有難うございました!
  • 濃尾
  • 2025年 05月02日 10時26分
最後までお読み下さりありがとうございました!

・「遺伝子の螺旋回転の右・左で相互代謝不能」←アミノ酸の鏡像異性体左右で相互代謝不能。
・「右・左に属するそれらが惑星表面のありとあらゆる場所で「衝突」するのが必然」←その描写は入れたつもりでした。

感想を参考にさせてもらいます。
  • 濃尾
  • 2025年 04月21日 10時09分
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