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 止まった時の世界で自分だけしか動けない状況で孤独に悩み、かといって良識を無視しての覗き見や盗みなどに手を染めて負の感情発散や怪奇現象を悪用する気にもなれず、不安などの泥に沈み震え続ける雫音。
 そんな彼女を病から直接助け出せずとも、彼女の異様な身体成長や違和感に偏見・戸惑いを見せず、支えになりつづける蓮。

 月日や季節が移り行く度、無情なまでに彼女を追い詰める病により、周囲が離れ、母親も涙し悲しい白旗をあげてしまうなか、愚直に向き合いながら学舎に通う蓮に対し、表立って登校できずともノートに感謝と信頼の言葉などを綴る雫音の様子が、心が揺さぶられます。

 最期まで時も病も蝕みましたが、絶望の黒泥に何度も浸りそうになるなか、薄っぺらとは程遠い希望を示し続けた彼は、雫音にとって蓮の花にふさわしく眩い存在だったのでしょう。

悲しくも美しい心理描写や腹黒さなどと無縁の愛に満ちた、素敵なお話でした!
  • 投稿者: ggt
  • 2025年 11月28日 23時37分
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