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読みました。
冒頭の「空腹を抱えて夕陽を見る」場面がとても印象的で、静かな日常の中にある過酷さが一気に伝わってきました。お母さんがいること自体が救いであり、それでもなお理不尽が積み重なっている状況が切なくて、自然と引き込まれました。

前世の記憶を取り戻した主人公が、感情論だけで怒るのではなく、「誰が一番悪いのか」を冷静に見極めて行動するのが印象的です。金貸しに食ってかかる場面も勢いだけではなく、子どもなりに筋を通そうとしているのが伝わってきて、読んでいて応援したくなりました。

金貸しの描写も一面的な悪ではなく、仕事として割り切っている存在として描かれているのがリアルでした。善人ではないけれど、約束は守るし、筋も通す。その距離感がこの物語をただの復讐譚にせず、社会の仕組みの話として読ませてくれたと思います。

後半、主人公が成長して「探す側」になる展開は爽快感がありつつも、決して軽く描かれていないのが良かったです。逃げた男の末路も淡々としていて、だからこそ重みがありました。復讐というより、奪われた人生の帳尻を合わせたように感じました。

最後のお母さんとの日常の場面がとても好きです。夕陽と空腹で始まった物語が、夕方の食堂の手伝いで終わるのが綺麗で、静かな希望を感じました。読後にじんわり残る一話で、とても印象に残りました。
善良な金貸し「凄い奴を育ててしまった、どんなに狡猾に逃げても捜索追跡し見つけ出すとか本当は刑事にでもなれれば良かったんだろうけどな・・・」
  • 投稿者: mansin
  • 2025年 12月29日 16時22分
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