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 拝読しました。
 なんて邪悪なお姉ちゃん……。
 彼女にとって妹とは、都合のよい所有物だったのですね。ちょうど厄移しの人形のような。
「おねえちゃんの言うことを聞きなさい」との口癖が、その性質を代表するかのようです。
 そんな具合に常に妹を下と見ていたからこそ、「どっちもあげる」の発言が許せなかったのがよく伝わります。精神的成長というものは、決して他所から奪えない輝きですから。

 自身が唯一となれたのは、姉にとって幸せな成功体験であったのでしょう。
 我が娘に厄移しを得意げに語るのは、そして「時々わたしの名で娘を呼ぶ」のは、子供に自身の厄を写して、新たな幸福を得ようとしているのでしょうか。
 思えば娘という存在は、自分へ向けられるべき愛情を二分する、自分より下の近しい存在は、双子の妹との共通項が多いですし。
 ここへ差し込まれる、「心の奥底にしまい込んで鍵をかけた、その場所を思い出したかのように。」との描写をとても秀逸に感じました。
 犠牲にしたものを平素は振り返りもせず、けれど自分に都合のいい時にばかり凱歌として、未来図として思い出す。そんな彼女の精神性を端的に示すようで。

 我ながら悪趣味なことですが、おねえちゃんの顔を、巡り巡った厄が自分に帰ってきたその時の彼女の顔を、ちょっと見てみたい心地でいます。
鵜狩さん、お読みいただきコメントありがとうございます!
初めは、姉なのだから、妹より優れていなければならない、という自戒がいつの間にか変質していったのかも。双子だと、周りからは常に比べられていますしね。
子供のころに歪んだものが、何の矯正もなされずに成長してしまった姉なので、娘が生まれてふと妹と重なったとき、とれていたバランスが崩れたり……するのかもしれません!
姉の元に返る厄は、やはり妹の姿をしているのでしょうけど、彼女がそれをどう受け入れるのか……あるいはやはり「下」のものだと過去と同じ過ちを繰り返そうとするのかも。
大変深く読み込んでいただけて嬉しいです!ありがとうございました!
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