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この9話は、三つの場所を並べながら、
「同じ行為が、立場によって全く別の意味に変質していく」
その過程を静かに描いていて、とても印象に残りました。

東京郊外の密会では、希望が都合よく再解釈され、
支えであるはずの施策が、継続の理由へとすり替わっていく。
誰かが悪意を持っているわけではないのに、
集団の論理が自然に暴走していく描写が怖いほどリアルです。

対照的に、台湾の農園と漁村では、
数字と記録が感情を抑え、行動を地に足のついたものにしている。
派手さはないけれど、「続くこと」そのものが価値として積み上がっていく様子に、
戦争の外側にある未来を感じました。

そして大蔵省副大臣のパート。
扇風機という小さな題材を通して、
勝敗でも継続でもなく、「終わった後」を見据える視線が示されます。
ここで初めて、希望と余地の違いがはっきり言語化され、
物語全体が一本の線でつながった感覚がありました。

声高に主張しないのに、読後に考えが残る回です。
判断を先送りすること、意味を与えすぎること、
そして静かに準備を進めることの差が、
この一話でくっきり浮かび上がったように思います。
  • 投稿者: あつし
  • 2026年 01月11日 11時20分
第9話の感想、ありがとうございます。

第9話で描きたかったものを、ここまで正確に受け取っていただけたことに、
正直、少し驚きと安堵があります。

お書きいただいた通り、
この回では「同じ行為が、置かれた立場によって意味を変えてしまう」ことを、
善悪ではなく“変質の過程”として並べてみました。
誰かの悪意や失策ではなく、希望や合理性が少しずつ姿を変えていく。
その静かなズレこそが、一番怖いのではないか――東京郊外の場面には、
そうした感覚を込めています。

一方で、台湾の農園や漁村では、
「続けること」そのものが判断基準になる世界を描きました。
数字や記録が感情を抑えるのではなく、むしろ感情を守っている。
その読み取りは、まさに意図したところでした。
戦争の外側にある未来、という言葉も、とても嬉しく拝見しました。

大蔵省副大臣のパートについて触れていただけたのもありがたいです。
扇風機という小さな題材を通して描いたかったのは、勝ち負けでも、継続か否かでもなく、
「終わった後に、何が残るのか」を考える視線でした。
ここで初めて“希望”と“余地”を分けて言葉にしたことで、物語全体の線が見えた、
というご感想は、書き手冥利に尽きます。

声高ではない回だからこそ、何が判断で、何が先送りで、何が準備なのか。
その差が残っていれば、この話は役目を果たせたのだと思います。

あらためて、深い読みと、言葉にして届けてくださったことに感謝します。
続きをまた、お付き合いいただけたら幸いです。

――まなかより
いつも楽しみに拝見させていただいています。時代背景も分かりやすく、当時の日本の内情もよく理解しやすく表してくださっているので助かります。
今後も更新楽しみにしております。
  • 投稿者: 俊道
  • 40歳~49歳 男性
  • 2026年 01月06日 23時17分
俊道さん:感想ありがとうございます。
時代背景や当時の日本の内情について、
伝わっていると感じていただけたのはとても嬉しいです。

1945年という重い題材だからこそ、
「わかりやすく」「想像しやすく」を大切にして書いています。
そう言っていただけて、続ける励みになりました。

まだ物語は始まったばかりですが、
これからも楽しんでいただけるよう更新していきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
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