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「黒い湯気は幸せの匂い、お茶の香りは迷子の心を連れ戻す」という結びの言葉通り、読んでいるだけで深呼吸したくなるような一冊でした 。忙しい日常の中で「自分がどうしたいか」を見失いそうになっているすべての人に、ぜひ手に取ってほしい作品です。
読み終えたあと、思わず深呼吸しました。
この作品は“謎解き小説”の顔をしながら、実は心の回復を描いた物語だと思います。

事件はどれも小さく、命の危険もない。
でもその分、「疲れている大人の心」に真正面から効いてきました。

静岡の名所や食べ物がただの観光案内にならず、
人の気持ち・弱さ・優しさと結びついているのがとても良かったです。
黒はんぺんやお茶、まぐろ丼まで、すべてが“感情の装置”として機能しているのが見事。

特に印象的だったのは

「勝ってるのに疲れてる顔」
という言葉。
主人公だけでなく、読者である自分まで見透かされた気がして、胸に刺さりました。

結衣との会話のテンポも心地よく、
笑っているうちに、いつの間にか気持ちがほどけていく。
読後に「旅に出たい」より先に「少し優しくなろう」と思えた作品でした。
  • 投稿者: 麗奈
  • 2026年 01月14日 13時43分
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