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言葉の力と責任を描いた寓話のような物語。高槻が過去の「沈黙」と向き合い、恐怖を認めながらも声を取り戻す姿に胸を打たれる。赤いランプの象徴的描写や、現実と魔法が交錯する世界観が鮮やかで、読むほどに「言葉の重み」を考えさせられる作品。最後の夜明けは静かで美しく、希望が残る余韻が印象的。
  • 投稿者:
  • 2026年 02月09日 13時15分
とても、苦しくて、誠実な物語でした。
読み進めるほどに、「黙る」という行為が、単なる逃避ではなく、恐怖と優しさが絡み合った選択なのだと突きつけられます。

赤いランプ、編集された真実、優しい声で語られる嘘。
どれもファンタジーの装いをしながら、現実の社会やメディアの空気をそのまま映しているようでした。
特に、**「ハロルドは個人ではなく、仕組みであり、願いの集合体だった」**という気づきは、背中が冷たくなるほど鋭いです。

高槻は最初から強い主人公ではありません。
何度も黙り、恐れ、正しくないと分かっていても安全な編集を選ぶ。
だからこそ、最後に声を出した瞬間が、英雄的ではなく、とても人間的に感じられました。

読み終えたあと、
「自分は、どんな場面で黙ってきただろう」
そんな問いが、静かに胸に残ります。
簡単に肯定も否定もできない、深い余韻のある作品でした。
  • 投稿者: 麗奈
  • 2026年 01月15日 00時10分
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