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読み終えた直後、胸の奥が静かに熱くなりました。
スポーツ小説としての高揚感があるのに、いちばん残るのは「勝利」ではなく**“声を取り戻す瞬間”**でした。

冒頭の「祝福はいつも少しだけ暴力的だ」という感覚から、もう世界観に掴まれました。光が痛い、祝福が逃げ道を塞ぐ――この言語化が鋭くて、主人公の息苦しさが読者の体にも入ってくる。野球の舞台を借りた物語なのに、読んでいる自分の仕事や生活の“看板”の重さまで浮かび上がってくるのがすごいです。

「JAPANの顔」「象徴」「物語の中心」みたいな言葉が、守る形をして人を縛っていく怖さ。
正しい言葉ほど逃げ場がない、という苦さがずっと効いていて、だからこそ九回裏の静けさが本当に刺さりました。

アドバイザーの存在も最高でした。熱血でも説教でもなく、苦いコーヒーみたいに現実の輪郭を戻してくれる。
“勝つこと”より先に、自分の野球を自分の言葉で選ぶことが描かれているのが、この作品の一番好きなところです。

読後、派手に泣くというより、静かに「よく息ができる」感じが残りました。
頑張っているのに、どこかで声が小さくなってしまった人に届く物語だと思います。
  • 投稿者: 麗奈
  • 2026年 01月14日 13時50分
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