感想一覧

[一言]
はじめまして。
「雨を織る」というタイトルに惹かれました。雨が降る中で紡がれるお話ですが、長閑な山間部の田園風景や村の様子が緩やかに眼前に立ち上り、女たちのおしゃべりの姦しくも甲高い声が軽やかに響いて来て、ぐずついた天気の憂さを吹き飛ばすような、上手く言えないのですが、底抜けの軽さと明るさが素敵だと思いました。

機織りや刺繍の描写もとても興味深く、昔八丈島で黄八丈の機織り体験をしたのを思い出しながら拝読しました。
いいですねぇ。ああいう女性たちの手仕事。民族衣装の刺繍や手織りの織物はとても綺麗で華やかなものですし。刺繍の不思議な場面では私も思わずオウレンと一緒に目をこすりました（笑）

同じシリーズの他の作品ともリンクしているのですね。それもとても面白かったです。
「孤獣の伴侶」は南総里見八犬伝の伏姫を思い出しつつ、一見、しんみりしたお話になるかと思いきや、スイリンの「もう間に合わないかと思ったわ」というセリフで一気に空気があっけらかんとした明るいものに。
「三人の機織り娘」も昔話風で裕福な家の賑やかな様子がよく伝わってきました。

遊森さまの描くヒロインたちは、皆、快活で明るくポジティヴで逞しい。なんとも言えない魅力がありますね。それがきっと作品の明るさと読後感の爽やかさに繋がっているのだなぁと思いました。

すいませんつい長々と。他の作品も読んでみたくなりましたので、また度々お邪魔するかと思いますが、その時はどうぞ適当にあしらって下さい（笑）

長文失礼しました。

P.S. 活動報告にあった「読書バトン」こっそり拝借させていただいてもいいですか？　とても面白そうだと思ったので。