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毒の知識がちゃんと事件の謎解きに繋がっていて、読んでいて気持ちよかったです。
食文化や燻製の扱い方みたいな細かい部分が手掛かりになるのも、この作品ならではで面白かったです。
それ以上に、ずっと食事を疑ってきた夫が少しずつ安心して食べられるようになっていくところが印象に残りました。
毒殺事件の話なのに、最後は二人の信頼関係に少しあたたかい気持ちになれるのが良かったです。
燻製のところを拾っていただきました。

樅の樹脂の甘さは、この土地で燻したものなら必ず残ります。祭りでリーゼロッテが頂いた一枚にも、広場の三樽にもありました。倒れた男の椀に沈んでいた燻製にだけ、それが無い。彼女が先に気づいたのは毒の名前ではなく、「ここの匂いがしない」のほうでした。

食卓の疑いのほうは、その朝の粥に置いてあります。アレクシスは食べ終わったあとに部屋を見回さず、皿を下げる者の手元も追いません。ただ、彼女はこの屋敷で一度も毒見をしていません。婚姻契約書に、その一行が無かったからです。安心はそこから来たものではない、というつもりで書きました。

鷺沼さんには別の作品のほうでも何度か拾っていただいています。いつもありがとうございます。
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  • 2026年 09月09日 14時17分