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羊野ふゆ先生様

素敵なお話をありがとうございました。

洋菓子の日に、大切な人のためにオーダーメイドのバウムクーヘンを用意するゆかりちゃんの一生懸命さが、とても愛おしかったです。息を切らせて駆け込んでくる冒頭から、もう彼女のことを応援したくなってしまいました。

紫乃さんが滔々とバウムクーヘンの歴史を語り出す場面は、思わず笑ってしまいました。誤解している理由が「バウムクーヘンエンド」だと分かった瞬間の可笑しさと、その裏にある切実さ。コミカルなやりとりが、そのまま紫乃さんの不安の深さに繋がっていく流れが本当に見事だと感じました。

そして、冒頭の粘菌の本がさりげなく伏線になっていたことに、読み終えてから気づいて唸りました。琥珀色の身体に走る光を「小さな宇宙のよう」と感じるゆかりちゃんの視線が優しくて、怖さよりも美しさが勝る、不思議で温かい場面でした。

森の匂い、雨上がりの匂いで、あの夜の記憶が蘇るところは胸に沁みました。ゆかりちゃんにとって紫乃さんがどれほど大きな存在なのか、多くを語らずとも伝わってきて、じんわりと涙腺にきました。

お弁当の甘い卵焼きやコーン入りのポテトサラダ、お揃いの漆塗りのお箸といった細やかな日常の描写も、二人の積み重ねてきた時間を感じさせてくれて大好きです。

最後のスミレの花言葉の余韻も素敵でした。ゆかりちゃんが分かっているのかどうか、想像するだけで頬が緩みます。

可笑しくて、切なくて、最後はとても温かい。二人の今夜が穏やかでありますように、と願いたくなる物語でした。

素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました。
これからのご活躍も楽しみにしております。
  • 投稿者: 八雲 海
  • 男性
  • 2026年 09月23日 02時09分
八雲 海先生様

素敵なご感想ありがとうございます。

本のタイトルから紫乃の正体に気付かれたのは流石ですね。彼女自身、自分について学びたくて生物研究会の会長としてその手の資料を色々探しているようです。
ゆかりは紫乃が人間も食べる異形だと知りながらも、心から慕っています。それがどこまでゆかりの自発的なものなのかは分かりません(紫乃はある程度人間の認識に影響を与える事ができるみたいです)
それでもあの晩の森で命を救われた事、紫乃(の本当の姿)に包まれて森の命を感じた事、身寄りがなくても紫乃が手を回してくれたおかげで普通の生活ができる事……全てがゆかりにとっては紫乃への感謝でしかないのです。
それが恋慕なのか姉や母親への情のようなものなのかは、まだ混然としているのかなと思います。
紫乃は、この先も長く生き続けるでしょう。
ゆかりの最期も側にいるでしょう。

ゆかりへの気持ちは母性が一番近いのかもしれません。
それでも、バウムクーヘンであそこまで動揺するというのは、ゆかりに対して取っていた心の線引きに変化ができたのかもしれません。

人間と人外、寿命も形も違っても一番大切に思える相手がいるのは、幸せだと思います。

ご感想ありがとうございました。