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 この作品において、あまり「犬が好き」という言葉は出てきません。野良公の生涯をたんたんと、踊るように綴っているだけ。

 なのにどうしてでしょう、強い愛情をひしひしと感じるのです。瞳はきっと、野良公のことを愛していた。だって彼のことを本当によくみていて、観察していて、そして時が経ってもその感触を覚えているほどだから。

 心に空いた犬型の穴は、犬でしか埋まらないって聞いたことがあります。瞳の心に空いた穴は、果たして埋まったのでしょうか。

 自分も愛犬がいる身ですから、今作はとても楽しく読むことができました。
  • 投稿者: 海の字
  • 2026年 09月09日 23時49分