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三年間、帰らない斂の部屋の呼び鈴を鳴らし続ける佳凛。序章の静かな切なさが、異世界での彼女の変化につながっていく構成が印象的でした。

特に心に残ったのは、レーンベルを守れなかった佳凛が、似た森の村を守り抜き、井戸の前で初めて涙を流す場面です。「今度は間に合った」という安堵が伝わってきました。

斂の人物像が、本人のいない場所で深まっていく構成も見事です。
佳凛にとって、斂は許せない相手であり、同時に忘れることのできない想い人でもある。
作品タイトルの「足跡」が、単なる旅の軌跡ではなく、一人の人間が世界に残したものを意味しているように感じられました。

一点気になったのはWEB小説としての読みやすさです。
情景描写や心理描写が非常に丁寧で、それ自体が大きな魅力なのですが、一話あたりの文章量が多く、空白行もほとんどないため、少し読み進めるのに疲れてしまうことがありました。

紙媒体の本とは異なり、長編のWEB小説は一話を読み切ることがひとつの区切りになりやすいと思います。
また、適度な余白を設けることで、読者が一息ついたり、場面の余韻を味わったりする「間」が生まれるのではないかと、個人的には考えています。

特に本作は、情景や人物の心情をじっくり味わえる作品だからこそ、適度に空白行を設けたり、一話を場面ごとに分割したりすることで、さらに読みやすくなるのではないかと思いました。

僭越なことを申し上げましたが、佳凛の心の変化を丁寧に描いていて、とても引き込まれました。斂との再会を経て、彼女がどのような答えを出すのか、これからの展開も楽しみにしています!