感想一覧

[一言]
　昨年の空想科学祭で彗星のように現れたこの作者の今年の作品も、やはり期待を裏切らないとても完成度の高いものだった。シルクを思わせる滑らかな語り口ですんなりと読者をSFの世界に連れて行くその手腕は健在だ。人物描写、そして個々のアイテムの説明もいつの間にか頭に入っているという、まるで手品のような技術は素晴らしい。
　ハルとレイの描き方も、王道をまっすぐ、で小気味いい。二人のリズミカルな会話が飽きさせずにストーリーの流れを作っている。この２人、女の子同士で読んだりすると、きっと「あたしはレイ様」「あたしはハル派」とかお気に入りが分かれる（同じ人が好きだったりするとちょっと不機嫌になったりして）んじゃないか、と想像してしまった。しかし、主人公たちも油断はならない、彼らには「アルジャーノン」と「ヘルヴァ」という個性的かつ、キュートな強力なライバルがいるのである。アルジャーノンを飼育してみたいと身悶えする人も（でも、目の前の食事は勘弁）する人もいるのではないだろうか。もしかしておばあ様やキングに萌える、趣味人もいるのでは……。とにかく登場人物が皆イキイキしている。
　主人公２人達が、徐々にお互いを認め合っていく過程が丁寧に、かつテンポよく描かれていて、最後のどんでん返し、２人に訪れる危機のくだりでは「どうなるんだ～！」と手に汗を握ってしまった。
　いや、今年も面白かった。楽しませていただきました。
　ところで、ルナホープ……どこかで聞いたような、と思いこの作者の昨年の話題作「烈月のサバイバー」を読み返してみた。主人公響揮が懸賞であたり訪れる先がこの「月面都市ルナホープ」そして、なんとなんと、この「ハル＆レイ」もその冒頭から実は登場しているのだ。思わず大発見した気分！　この作者にとってこの２人は以前からのお気に入りの２人だったのかな？

[一言]
はじめまして(・∀・)♪

読ませていただきました*
とても面白かったです＼(^O^)／
これからも頑張ってください(*^-^*)