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[一言]
死が多すぎる・・・これは私も感じました。
しかし、主人公は「死」をきっかけに成長していくお話であり、「死」そのものがテーマの一つとなっている・・・そして小説がテーマを主人公の思春期に凝縮したものであるならば、それもまたアリなのだろうとも思いました。
思春期真っ只中にありながら、これだけ多くの「死」に直面しながら、恋に目覚め、前向きに生きていくことができるようになった主人公の強さに感心するばかりです。反面、強すぎるその性格が羨ましくありながらもやや抵抗感も感じたのでした。
ただ「死」の生み出すマイナス面よりプラス面が前面に押し出されていて、それを誘導する役割の義理の祖母の存在、また死に行く人々の残した優しさ(義兄を除く)があったのかとも思います。
義兄については、彼が自殺したのは直面した現実、取り返しのつかない自らの行動からの逃避ですよね?私もそういう意味での自殺は考えたことがあります。様々なことを考え、結局単なる逃避であり、大切な方々を傷つけるだけのことだと考えて思い止まったのです。もっともそれだけの勇気もなかったのですが・・・ただ、彼のとった行動はともかく命がけの恋というものは理解できます。単なる悪役で終わらず、彼も主人公の成長の一助となっているように感じるのは、そういう経験のある私の感情移入なのでしょうか?もっとも、私の場合は反対に何もできない自分に嫌気がさしたのですが(^_^;)
私自身、大切な人間を亡くし、それを乗り越えるような経験をしたことがないので、なんとも言えません。しかしながら、チヌスパイクさんのおっしゃるように「死」はマイナス面のみならず、プラス面も持ち合わせているものなのかとも考えさせられました。
自分自身も、マイナス面をプラス変えることができるようになれると良いのですが。
また、死して残すものがある・・・こういう考えは「死」に関する私の恐怖心を和らげてくれます。現時点では、自らの子供(遺伝子)以外何もないわけですが。陽介先生のようにご自分の考えをこうして一般に残す手段を持たれていることが、実に羨ましいです。私の場合は、自分の子供たちに遺伝子のみならず、考えを教えていけたらという程度です。ただ一般人としてはこれが精一杯ですよね。それをこれからいっそう頑張っていきたいという気にさせられました!!
長々と感想文と言えるかどうかすら分からない文章ですし、言いたいことが上手く表現できたかはなはだ疑問ですが、以上が私の感じたことです。実に色々と考えさせられました。そういう意味で、嬉しい作品でした!!
  • 投稿者: TAKA
  • 30歳~39歳 男性
  • 2008年 03月04日 20時22分
takaさん、感想(批評)いただいて、ありがとうございます。
私は大切な人の死ならば、何度か経験しています。自分自身では自殺するなんて考えたこともないし、ましてや死ぬのは恐怖以外の何物でもないですが。
でも今の若い人たちには、リストカットもパフォーマンスの一つなんではないでしょうか。実際、手首に傷を勲章のように残している若者は、意外に多くいるものです。(最近はややそれも流行遅れになってしまった感がありますが……)
死というものが軽んじられ、リアルな世界のここかしこに死は転がっている。だから気がつけば、死ぬという行為は、いつしか極めて軽佻浮薄なパフォーマンスになっている。その死が持つ質量を取り戻してみたかった。だからこの物語は、死の軽量化へのアンチテーゼでもあります。

寂しくもだいぶ老いてしまった私にとって、思春期というものを翻ってみると、そこにはどうしても「死」の匂いがしてしまうのです。そうして書いてみて、今思うことは、「意味のない死を描くことこそ、きっと一番困難である」ということです。
かように思春期は哀しく、死は優しいものだと、今はそう感じています。
[一言]
構成は違和感なく読み進めました。
ただ私的感想から申し上げるに、『死』が多すぎるのが受け付けないというか・・・
おそらく私自身が、『死』を極端に恐れているのかと思います。

しかし裏を返せば、『生』と『死』は隣り合わせ、『生』を語るに、『死』を語らない訳にはいかないのだ!、とも考えさせられました。
そして、『生』の象徴ともいえるのが『恋』。
ちょっと自分と重ねてしまいました。

一時自暴自棄になっていた頃もあり、まさに義兄と同じように『恋』がない、または『恋』に疎く不器用だったのだと思います。
今思うと、自分も同じ過ちをしていたかもしれません。
私には義兄の自殺が、一番ショックでした。

結婚をして、子供ができて、家庭を持って感じるようになったことは、
執拗なまでの『生』への執着!?
しかし、これも周りの人達の恩恵があってのことですよね?
『死』の悲惨さも、周りの人達の『温もり』が和らげて、『生』への希望を持たせてくれる・・・
圭の成長と共に、自分もこうして成長してきたのかな、と想いかえしてしまいました。
  • 投稿者: チヌスパイク
  • 30歳~39歳 男性
  • 2008年 02月24日 17時40分
「死」をテーマにした以上、その好みが別れてしまうのは致したないかなと思いながら書きました。それゆえ、チヌスパイクさんの感想も至極もっともと受け止めています。
それでも義兄はあそこで死ななければならなかった。Blogで書いた気がしますが、この物語がフィクションである以上、義兄については自殺、それ以外なかったと今も思っています。

そういった意味では随分血なまぐさい物語ですが、それを積み重ねないとラストが書けませんでした。

次回はもっと淡々と、大人のラブストーリーをできれば短編で――そう考えています。

ご感想と貴重な意見をありがとうございました。
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