エピソード60の感想一覧
▽感想を書く感想絞り込み
[一言]
古蔦さん、こんばんは。
一昨晩はネットカフェには行ったのですが、ごはんを食べたら朝まで眠りこけてしまい、どうにも残念な夜になりました。よくもあんな場所でいぎたなく眠れたものだと自分でも感心しているのですが、それでもひとつだけ収穫がありました。あなたの小説をpdf化して持ち帰ることができるという周知の事実に、ようやく私の頭が追いついたのです。なのでいつもは読んだその足の感想ですが、今回は一晩寝かせたものになります。
縦書きで読んだ古蔦さんの小説はいつも以上にどこか香り高いものを感じました。ですが、それがただの形式の違いによるものではないというのが、私がこの章を通じて感じた第一感です。私はこれまであなたの抒情味のある描写に惹かれていたと思っていましたが、決してそれだけではなかったと。
ここでの描写はむしろ叙事的で、カルナーナをめぐる政治や歴史、地理的な諸々の状況をあくまで物語の展開に沿う形で語られています。ルビーの置かれた状況を彼女に読み聞かせているような平明な文体でありながら、そこではまるで説明的なものを感じさせません。それにはふたつ理由があるのだろうと私は思いました。
ひとつはディテールが効いていることです。私には考証的なことは何も分かりませんが、港の事情であったり、はしけを用いた渡りのことや団員たちの大移動から見送りまでのこの一大イベントが、どこか祝祭めいたムードの中で語られていて、それ自体とても楽しく読みましたし、雑多に交錯する人々の息づかいや町の匂いというものを色濃く感じられるくだりでもありました。
あとひとつはやはりルビーのことです。貴族の庇護のもとで過ごす子女として読み書きや算術、人の世の理や振舞いについて日々自らを耕してきた少女の映し出す世界がここに来て等比的に開かれてきた感がありますよね。
依然として悩ましい出来事が彼女の心を占めてはいるのですが、この成長が古蔦さんの文体と重なり合うように歩を合わせていることで、ルビーの心の揺れが物語の中でより強く受け止められるようになったような気がします。フレームが安定したというのでしょうか、彼女の揺れをダイレクトに感じていた序盤よりも、物語への没入感が増したように思うんです。もちろんそう感じるのは、これまで健気な姿を見せてくれたルビーが読み手と親密な関係を築いてくれたおかげだとは思うのですが。
この章の分岐は、重要な人物たちとの別れもあって読者としても悩ましいものがありますね。ゲームであれば巡業ルートと侯爵家ルートも選べるのでしょうが。
団員たちの海路での大移動をめぐるあれこれと、ジョーカー的な役回りを愉しみながら務めてきた侯爵夫人との別れ。そういう物理的、心理的に大きな動きを経た上で、あの手のかかりそうなルビーがもう一枚手のかかるカナリーの騒動をどう収めていくのか、本当に見ものです。
これで私も、この生きた物語の現状の折り返しを迎えた訳ですが、あなたの現在地に近づけることが嬉しくもあり、それとは別に、いつまでもこの物語に浸っていたいという思いもあります。そういう意味では、私はまるで急いではいません。あなたが「書きたくない」と言えば、私はいつまでも尻尾を振ったまま、あなたがベルを鳴らすまで座して待つのでしょう。それでも欲を言えば、私が生きている間には何とかお願いしたいとは思っているのですが。冗談です。
宮崎アニメ、私も好きですよ。いつかそういうお話もできればいいですね。それにいつもいつも相手にしてくださって、ほんとうに感謝しています。それでは。
古蔦さん、こんばんは。
一昨晩はネットカフェには行ったのですが、ごはんを食べたら朝まで眠りこけてしまい、どうにも残念な夜になりました。よくもあんな場所でいぎたなく眠れたものだと自分でも感心しているのですが、それでもひとつだけ収穫がありました。あなたの小説をpdf化して持ち帰ることができるという周知の事実に、ようやく私の頭が追いついたのです。なのでいつもは読んだその足の感想ですが、今回は一晩寝かせたものになります。
縦書きで読んだ古蔦さんの小説はいつも以上にどこか香り高いものを感じました。ですが、それがただの形式の違いによるものではないというのが、私がこの章を通じて感じた第一感です。私はこれまであなたの抒情味のある描写に惹かれていたと思っていましたが、決してそれだけではなかったと。
ここでの描写はむしろ叙事的で、カルナーナをめぐる政治や歴史、地理的な諸々の状況をあくまで物語の展開に沿う形で語られています。ルビーの置かれた状況を彼女に読み聞かせているような平明な文体でありながら、そこではまるで説明的なものを感じさせません。それにはふたつ理由があるのだろうと私は思いました。
ひとつはディテールが効いていることです。私には考証的なことは何も分かりませんが、港の事情であったり、はしけを用いた渡りのことや団員たちの大移動から見送りまでのこの一大イベントが、どこか祝祭めいたムードの中で語られていて、それ自体とても楽しく読みましたし、雑多に交錯する人々の息づかいや町の匂いというものを色濃く感じられるくだりでもありました。
あとひとつはやはりルビーのことです。貴族の庇護のもとで過ごす子女として読み書きや算術、人の世の理や振舞いについて日々自らを耕してきた少女の映し出す世界がここに来て等比的に開かれてきた感がありますよね。
依然として悩ましい出来事が彼女の心を占めてはいるのですが、この成長が古蔦さんの文体と重なり合うように歩を合わせていることで、ルビーの心の揺れが物語の中でより強く受け止められるようになったような気がします。フレームが安定したというのでしょうか、彼女の揺れをダイレクトに感じていた序盤よりも、物語への没入感が増したように思うんです。もちろんそう感じるのは、これまで健気な姿を見せてくれたルビーが読み手と親密な関係を築いてくれたおかげだとは思うのですが。
この章の分岐は、重要な人物たちとの別れもあって読者としても悩ましいものがありますね。ゲームであれば巡業ルートと侯爵家ルートも選べるのでしょうが。
団員たちの海路での大移動をめぐるあれこれと、ジョーカー的な役回りを愉しみながら務めてきた侯爵夫人との別れ。そういう物理的、心理的に大きな動きを経た上で、あの手のかかりそうなルビーがもう一枚手のかかるカナリーの騒動をどう収めていくのか、本当に見ものです。
これで私も、この生きた物語の現状の折り返しを迎えた訳ですが、あなたの現在地に近づけることが嬉しくもあり、それとは別に、いつまでもこの物語に浸っていたいという思いもあります。そういう意味では、私はまるで急いではいません。あなたが「書きたくない」と言えば、私はいつまでも尻尾を振ったまま、あなたがベルを鳴らすまで座して待つのでしょう。それでも欲を言えば、私が生きている間には何とかお願いしたいとは思っているのですが。冗談です。
宮崎アニメ、私も好きですよ。いつかそういうお話もできればいいですね。それにいつもいつも相手にしてくださって、ほんとうに感謝しています。それでは。
エピソード60
みかげ石さん、いつも読んでくださって、感想を教えてくださってありがとうございます。
いま読んでくださっているあたりから登場人物も増え、結構ごちゃごちゃしてきているかと思います。ついてきてくださってありがとうございます。
貴婦人はそうですね、ジョーカーというかトリックスターといいますか、決して善人としては描いていないつもりなのですが、読んでくださっている方には割と受け入れてもらってきた印象です。多分彼女の行動と彼女の立ち位置が、書き手の意図にかかわらず、結果的に均衡がとれていたのだと思っています。トータルで帳尻が合うとでもいうのでしょうか。
カナリーにはもう少しおつきあいください。未熟な女の子ですが、未熟といえばルビーもまだまだなので。
あと、急いでいないと言ってくださってありがとうございます。時間を見つけて書き進めていきたいと思います。
宮崎アニメの話もぜひ。多分私は長編映画はほとんど網羅していると思います。短編やTVアニメは触れていないものも結構あるのですが。
返信がおくれてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
よろしければまたお立ち寄りください。
いま読んでくださっているあたりから登場人物も増え、結構ごちゃごちゃしてきているかと思います。ついてきてくださってありがとうございます。
貴婦人はそうですね、ジョーカーというかトリックスターといいますか、決して善人としては描いていないつもりなのですが、読んでくださっている方には割と受け入れてもらってきた印象です。多分彼女の行動と彼女の立ち位置が、書き手の意図にかかわらず、結果的に均衡がとれていたのだと思っています。トータルで帳尻が合うとでもいうのでしょうか。
カナリーにはもう少しおつきあいください。未熟な女の子ですが、未熟といえばルビーもまだまだなので。
あと、急いでいないと言ってくださってありがとうございます。時間を見つけて書き進めていきたいと思います。
宮崎アニメの話もぜひ。多分私は長編映画はほとんど網羅していると思います。短編やTVアニメは触れていないものも結構あるのですが。
返信がおくれてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
よろしければまたお立ち寄りください。
- 古蔦瑠璃
- 2023年 05月26日 19時31分
― 感想を書く ―