感想一覧

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[一言]
 どうも。某掲示板より依頼を受けて参りました。
 向こうにも書いたように、辛口評価で行かせていただきます。
 ……力を入れるところを間違ってると言うことは、作品の質を落としてしまう、と言うことなんですね。

○文章
 悪くはないと思います。特に問題なく読み進めることができました。ただし、☆四つにするには足りないと思えるような文章でもあります。この文章力では、目の肥えた読者を文章で引き付けるのは不可能でしょう。
 全体的に盛り上がりに欠ける文章でした。確かにマー坊とケンちゃんの過去のくだり等、エピソードとしては面白いところもありました。しかし、せっかく興味深い話であるのに、「これこれこう言うことがあって、これこれがこうなった」と言う感じの、説明だけで終わってしまっていました。要するに、『描写』と言える文章が極端に少なかったんですね。
 それと、若干ながら文章に自己陶酔しているような節が見られました。
 と言うのも、全体的に雰囲気が無駄に美化されすぎているような感じがしたからです。いや、子供の頃の記憶と言うものは少なからず美化されるものなんでしょうが、それにしても何だか「のろけ話」を聞いているような気分になりました。詳しい話は内容の項でやりますが、特に『昭和の良き日々』と『辞世の句』は酷いと思いました。いや、そんな急にすい臓癌とか仰られても……と言うか一瞬、「え? この人写真見ながら死んだの?」とか思ってしまいました。それはそれでドラマチックだとは思うのですが……。まぁ、それは別に良いとしても、せめてそれらしき伏線を入れて欲しかったですし、辞世の句ももう少し捻って欲しかったです。確かにリアルですごい言葉を言えと言われたら無茶とは思いますが、せめて作中くらいはもう少し「ほう」と思えるものにして欲しかったです。いくらなんでもこれじゃ身も蓋もなさ過ぎます。
 しかし、釣りのことについて、ちゃんとした説明が載っていたのは良かったと思います。この辺り、読者を意識した書き方が出来ているなぁと思いました。そういう意味では、『文章』に酔っているというよりは『テーマ』に酔っていると言ったところでしょうか。

○内容
 それなりに、印象深い話ではありました。釣りをモチーフにした作品はあまり読んだこともありませんでしたし、少なくとも、星が一つや二つにされるほどに酷くはなかったです。が、これもやはり星を四つや五つにするとなるとかなり抵抗がありました。
 何と言うか、上の文章の欄でも触れました通り――すごく酷い言い方になるんですが――『年を取って死の淵にいるおっちゃんが自分の世界に入って思い出にひたっている』と言う雰囲気が露骨にでていて、それこそ『のろけ話』を聞いているような気分になりました。
 と言うのも、東條さんに対して感情移入が出来なかったからなんですよ。
 ぶっちゃけた話、のろけ話でもいいんですよ、面白ければ。しかしこの作品の場合、『昭和の良き日々』の一例として、『ハゼ釣り大会のインチキ』と言う思い出を選択してしまったことが原因で、「なんでこれが昭和の『良き日々』になるんだよ!」と言うツッコミをいれさせてしまい、さらにそれを必要以上に引っ張ってしまったせいで、ただの自分の世界と思わせてしまったんですね。確かに今となってはと言う考え方もありますし、一エピソードとしては面白いのです。しかし、せっかく良い思い出を思い出すところなんだから、もっと良い出来事を思い出しましょうよ。そしてそう言う思い出こそが、のろけ話を面白くするのでしょうに。
 そして、この出来事だけで『良き日々』を語っちゃうのはまずいと思いました。これだと、『私の釣り人生』がこの『はぜ釣り大会のインチキ』と言うトラウマで始まったと言う解釈すら出来てしまいます。まぁ間違ってはいないのかも知れませんが、「何だかなぁ」と思いました。とにかくこの思い出にこだわる理由が、全く分かりませんでした。
 後、この話において東條さんがゲストとしてテレビに出る必要性が分かりませんでした。と言うか、「そんなことしてる暇があったら、さっさとケンちゃんの所にでも行ってこい!」と、読み返して心から思いました。
 何でこれをこき下ろしたかと言うと、「この場面の他に書くべき場面はあるんじゃないのか?」と思ったからです。例えばケンちゃんとの交流、実家で休養している期間、『ハゼ釣り大会の伝統』を引き継いでしまった少年など、いくらでも様々な『良き日々』を語るタイミングがあったはずです。それを一言二言程度で済ませてしまったのには、「えー!」と言う感じでした。いやあんた、原点に返りにきたんじゃなかったの? って感じです。
 ……何だか、全体的に、力を入れるべきところを間違えてませんか?

○まとめ
 とにかく東條さんに言いたいことは、「あなたはこの作品で一体何がしたかったんですか?」と言うことです。そのところがはっきりしなかったために、「書きたいことを行き当たりばったりで書いたのかな?」と思わせてしまいました。今後は作品のテーマを明確にし、そのために不必要だと思うところはばっさりときり、必要だと思ったところは面倒でも書く、と言うことが大事だと思いました。
 さて、大分辛口&上から目線な批評になってしまいましたが、これも一概に東條さまに、今後よりよい作品を書いてもらいたい一心で書いたことを、ここに記しておきます。
 それでは、これにて失礼します。
  • 投稿者: 空箱零士
  • 男性
  • 2008年 03月16日 23時34分
阿武都龍一様、まことにご丁寧なご感想頂き、心よりお礼申し上げます。

今回初めて『短編小説』として、自身の文章力がどのくらいの評価を得られるのか?また字数制限の中で、短期ではなく、一人の人間の人生がどのくらい盛り込まれるのか?現在・過去・未来としての時系列が成立するのか?笑いとほのぼの・しみじみなどの感情を全て取り入れることが可能か?などなどの実験でありました。

ご指摘を受けたように、この字数の中ではその全てを表現することは、やはり不可能で逆に唐突で薄っぺらいものしか出来ないのが分かりました。
もう少しポイントを絞り、いいたい事が中心になるような小説を作っていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。
[一言]
掲示板から来ましたkazuyaです

文章については文句はありません
読みやすく綺麗にまとまっていますね
釣りのことを良く知らない僕でも十分理解できました

内容については少し厳しいかもしれませんが
パンチや面白みがなかったと思います
有名になった人が少年時代を回顧するという話は
少しありきたりかな・・・・・・と思ってしまいました

これからもがんばってくださいね

  • 投稿者: 鮎沢琴美
  • 18歳~22歳 男性
  • 2008年 03月16日 01時32分
kazuya様、ありがとうございます。

ご指摘の事を真摯に受止め、次回からは内容を吟味して精進したいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。
[一言]
切ないお話ですね。全く釣りに触れたことがなかったので、逆に興味深かったです。
タイトルを、もう少し釣りを連想させるよう工夫した方がいいと思いますよ。
最初の司会者の台詞「お越し頂く」が重複してます。台詞なので別にいいですが。

  • 投稿者: 夏のラジオ
  • 23歳~29歳 男性
  • 2008年 03月15日 01時21分
夏のラジオ様、ご指摘ありがとうございます。
最初はお笑い小説を書くつもりが途中で予定変更して、題名だけそのままにしていました^^;
今後の反省材料にさせて頂きます。

今後ともよろしくお願いいたします。
[一言]
 評価依頼を頂いてから大変遅くなりまして申し訳ありません。水原です

釣りをモチーフにした面白い作品ですね。一人称の文章も読みやすかったです。物語も爽やかなで読み終わったあとにふっと笑みがこぼれました。
僕も釣りが好きです。
ありがとうございます。
  • 投稿者: 水原武人
  • 男性
  • 2008年 03月12日 02時58分
水原様、評価ありがとうございました。
参考にさせて頂き、新たな物語を考えていこうと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。
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