感想一覧
▽感想を書く[一言]
全俺が泣いた。
ある日、突然サムライになった「ぼく」の友だち。ちょんまげにビニールの刀を腰に差し、その恰好で、友だちはその日から過ごしてゆく。皆から忌避され、就職ができなくても、「なら、それはそれでいい」と言って、彼はそれを貫いていく。それを傍らから見ている「ぼく」のお話だ。
語りは淡々と進む。だが私はこの物語に涙を禁じえなかった。
作品の内容に泣いたのではない。貫くべきことを貫き通せなかった過去の己の体験を、サムライになった彼と重ね合わせて、勝手に仮託して泣いたのだ。
いい読み方ではないと思う。だがそうせざるを得なかった。それだけの、語り口からはわからないけれども、そこに静かに込められた熱量が、私をそうさせたんだろうと思う。
童話というものの持つ目的の中に、書き手の持つ世の中を、未来を示し伝える、というものがあるとするならば。これは確かに童話だった。ひとつの「ありかた」を伝える立派な物語だった。
これが読めてよかった。私は今、そう思っている。
全俺が泣いた。
ある日、突然サムライになった「ぼく」の友だち。ちょんまげにビニールの刀を腰に差し、その恰好で、友だちはその日から過ごしてゆく。皆から忌避され、就職ができなくても、「なら、それはそれでいい」と言って、彼はそれを貫いていく。それを傍らから見ている「ぼく」のお話だ。
語りは淡々と進む。だが私はこの物語に涙を禁じえなかった。
作品の内容に泣いたのではない。貫くべきことを貫き通せなかった過去の己の体験を、サムライになった彼と重ね合わせて、勝手に仮託して泣いたのだ。
いい読み方ではないと思う。だがそうせざるを得なかった。それだけの、語り口からはわからないけれども、そこに静かに込められた熱量が、私をそうさせたんだろうと思う。
童話というものの持つ目的の中に、書き手の持つ世の中を、未来を示し伝える、というものがあるとするならば。これは確かに童話だった。ひとつの「ありかた」を伝える立派な物語だった。
これが読めてよかった。私は今、そう思っている。
どうも緑乃さん。「ネクストワン」はお楽しみいただけたようでなによりです。
下の感想御返信にも書きましたが、ここで作者が云々と言葉を述べるのも何やら野暮な感じになっております。ですので、
「でも、その作り話が、苦しいところに立たされてこまっている君のことを助ける日が来たのなら、これ以上の幸せはないな。」
という劇中の言葉が緑乃さんへの御返信に一番しっくりくるかと思います。
お読みいただきまして、まことにありがとうございました。
下の感想御返信にも書きましたが、ここで作者が云々と言葉を述べるのも何やら野暮な感じになっております。ですので、
「でも、その作り話が、苦しいところに立たされてこまっている君のことを助ける日が来たのなら、これ以上の幸せはないな。」
という劇中の言葉が緑乃さんへの御返信に一番しっくりくるかと思います。
お読みいただきまして、まことにありがとうございました。
- 丸屋嗣也
- 2013年 02月12日 21時59分
[一言]
こんにちは拝読しました。
最後の「ぼく」と同じ、無責任ではあるけど、あの世なるもので会えたなら叱りたくなるかな。素敵なサムライになってほしかったと…。
余韻があるとても印象に残るお話でした。良かったです。
ではでは
こんにちは拝読しました。
最後の「ぼく」と同じ、無責任ではあるけど、あの世なるもので会えたなら叱りたくなるかな。素敵なサムライになってほしかったと…。
余韻があるとても印象に残るお話でした。良かったです。
ではでは
どうも、空想科学祭ではお世話になりました。
なんともですね、このお話のご返信ほど難しいものはないですね。作者としてはあんまりペラペラ喋って読後感をはちゃめちゃにするわけには参りませんし。
きっと、サムライはいっぱいいるんじゃないかなー、と思うんです。そういうサムライへのラブレターないしは応援歌がこの童話になってます。
どうも、お読みいただきましてありがとうございました。
なんともですね、このお話のご返信ほど難しいものはないですね。作者としてはあんまりペラペラ喋って読後感をはちゃめちゃにするわけには参りませんし。
きっと、サムライはいっぱいいるんじゃないかなー、と思うんです。そういうサムライへのラブレターないしは応援歌がこの童話になってます。
どうも、お読みいただきましてありがとうございました。
- 丸屋嗣也
- 2013年 02月12日 21時56分
― 感想を書く ―