感想一覧

▽感想を書く
[一言]
 高い評判を耳にしていたので、腰を据えてきちんと拝読しようと思っているうちに遅くなりました。
 いや評判通りに大層面白かったです。ぐっと引き込まれて読み耽りました。

 猿神退治をベースに練り込まれた人物と設定は素晴らしく、ひとりの人間の生き様が見事に描かれた作だと思います。
 死にかけているから死んでもいいで事に当たるのではなく、死の淵にあっても全命で事を成そうとする。一瞬の光芒、抜刀の様にも似た剣閃の煌き、濃く凝縮された信条、信念の光を見たように思います。

「僕は、夜浮子ちゃんを救えるかもしれない」
 このセリフにぐっと来ました。怪物と対峙する恐怖ではなく、英雄たろうとする功名心でもなく、ただ差し出せる手がある事を喜ぶ。鼓さんのその姿勢がひどく好きです。
 仮令道半ばで倒れたとしても、誰かがその背中を追ってくれるなら、その背に憧れた者が同じ場所を目指そうとするなら、魂や理想は決して死なずに積み重ねられて受け継がれて続いていくのでしょう。
 さながら抜刀室賀流という流派のように。
 この流派もまた、実在と思わせるばかりのリアリティがあって素晴らしい。特に開祖の生き様、そして死に様は、時代小説の短編として切り出してもいけそうな気すらします。

 ただひとつだけ、敢えて難点を挙げるなら、場面転換が分かりにくいというのがあります。
 他の方の指摘にもあり、またご自身の活動報告でも書かれていらっしゃいますが、実に完成度の高い作品であるだけに、こうした瑕疵が一層に勿体無く感じられました。
 いっそこちらは消さずに残したまま、連載形式で掲載しなおすのもありかな、などと愚考いたします。

 それから最後に、気がついた誤字など。

「政宗は偽作の多い刀匠ですし」 → 正宗
「抗魔の利剣」 → 降魔

 それぞれの誤変換かなと思いましたので、以上報告させていただきます。意図があっての事でしたらごめんなさい。
鵜狩さん、いつも感想をありがとうございます。
感想への返信が遅れてしまいすみません。

このままレビューとして投稿したいぐらいに、素晴らしい感想をいただいたと思っています。
あまりにカッコよくて初めて読んだときにすごく赤面して照れてしまいました。
……仕事中でなくてよかったです。

室賀新左衛門の話は膨らませて「歴史」ジャンルに投稿してみるか等と調子に
乗ってしまいそうです。
増長しないようにしなければ。

正宗については誤変換です。
「抗魔」については、「魔に抗う」という意味で書いたのですが、「利剣」とつけた以上、やはり「降魔」の方が正しいのでしょうね。
「降魔の利剣」という言葉があるのですから、確かにミスです。
次は気をつけたいです。
[良い点]
実在する地名や人物名があり、話全てが歴史の一端かと思いました。何処かの民話かと。
信州善光寺は昨年出かけたので、懐かしかったです。

[一言]
抜刀室賀流剣術・・・ご自身で考えられたものだったのですね。実在するものなのかと思いました。

主人公の真っ直ぐな性格が、読んでいて清清しかったです。登場人物達の性格が解り易く、感情移入しやすかったので勝江が・・・辛かったです。

題材はとても好みで、特に生贄間違いは鳥肌が立ちました。

大変面白い作品をありがとうございました!
把多摩子さん、感想をありがとうございます。

抜刀室賀流のもっともらしさを出すために、道具立てにできるかぎり凝ってみた甲斐があったようで安心しました。
善光寺については現地で取材できなかったので、描写が曖昧になってしまい残念でした。
もしできていれば、もう少しリアリティが出せたかなと思っています。

鼓朗は、評判のいいキャラクターに仕上がっていてくれて満足しています。
大猿も意外に個性が出てて、悪役を全うしてくれたようです。
把さんが言及されている勝江については、改めて読み直してみたら、手前味噌ですがとても良い娘だったのである意味で凹みました。

それでは、もうそろそろ別作品も投稿する予定ですので、またよろしかったら読んでやってください。

ありがとうございました。
[一言]
最初の書き出しから、引き込まれました。緩急も巧みで、さすが、ストーリーもさることながら、テンポをつけられるのが凄く上手で、羨ましい限りです(*^_^*)最後のシーンは胸が打たれ、ホロッとしました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 30歳~39歳 女性
  • 2013年 08月18日 22時32分
管理
かおりさん、いつも感想をありがとうございます。
以前、勧めた今作を読んでいただけて、本当に嬉しいです。

「剣の風~」は私の特徴が如実にあらわれているので、これが気に入ってもらえたのなら一安心といったところでしょうか。
そのうち、本作に登場した抜刀室賀流剣術の当代の話を書く予定ですので、よろしかったらまた読んでいただきたいです。

重ねて、感想、ありがとうございました。
[一言]
拝読させて頂きました。
鼓朗の生き様は見事でした。
そして、その生き様を書ききった事が見事だと思います。
スキンゴレムズを読んでいても思ったのですが、ボキャブラリーが豊富で少々羨ましいです。それがちゃんと表現に活かされている事がよくわかります。
……私は常に辞書を手元において書いてます。


個人的には評価を5:5入れたいのですが、私自身も小説を書く身であり、他人様を評価できる身ではないと考えておりますので、スキンゴレムズ同様ポイント無しである事をお許し下さい。



活動報告で短編にしては長すぎると書かれておりましたが、確かにちょっと厳しい長さでしたね。
それで損をしてる部分があるような気がします。
私も似たような事やっちゃって分割しました。
赤砂多菜さん、いつも感想をありがとうございます。

鼓朗のキャラクターは、ドラマにもなった「1リットルの涙」が好きだったことから、そこから作りました。
彼の生き様がうまく表現できていたのなら、「1リットルの涙」のおかげだと思います。

語彙については、他の小説を読んだ際にあまり使わない語句を専用のノートに書いたりして、できる限り増やすように努めているおかげだと考えています。
それに、私も常に誤用をしないように辞書を引きつつ書いていますので、必需品ですね。
目の前の箱よりも重宝するときがありますし。

短編にしては長すぎることは、当初もう少し真剣にリサーチするべきだったと反省しています。
アクセスを見ると、意外に携帯の方が見てくださっているので、その方たちのためにも、こういうミスは避けたいです。
赤砂多菜さんも似たようなことをされたそうですが、私なんかよく事務の方に「もう少し事務処理能力を身につけてください」と怒られますので、同様の基本的なミスをまたやらかしそうで凹んでいます。

では、もしよろしかったら次作についても読んでいただけたら幸いです。
[良い点]
すごく好みです
[気になる点]
時系列を崩した部分が少しわかりにくかったこと
[一言]
拙作の『非常口』に感想をつけてくださってありがとうございました、陸理明さん。感想自体も大変嬉しかったのですが、何よりこの作品とご縁を持てたことに感謝しています。

『剣の風が凪ぐとき』、一言で言って非常に好みな話でした。
(以下、すみませんがネタバレ要素を含みます)

因習の支配する田舎町、死期間近の好青年剣士、それに葛藤の末に自らを排斥しようと覚悟するヒロイン。
ともすれば既存の救世主譚で終わってしまいそうなパーツを丁寧に組み込んでいく技量はすごい! 特に『抜刀室賀流剣術』の始祖のエピソードには感動してしまいました。実在の人物をデフォルメしたのかと思って検索しちゃったぐらいです(笑)。

三〇年前の生贄取り違えの説明に母の日記を使った手法、『新太郎』の正体の考察、どちらも登場人物による強引な暴露ではないところがリアリティがあって面白かったです。
霊犬『早太郎』や『五郎入道正宗』などの実在の寓話や人物などを織り込んでいるところも知的好奇心を刺激されました。

勝枝が山ノ神に蹂躙されるシーンあたりからページを繰る手が止まらなくなったぐらい、本当にビンゴな作品でした。重ね重ねご縁を持たせてくださってありがとうございます。
あまりに感情移入しすぎたので、朗さんの死に様のシーンを見るのはかなり辛かったのですが、これから何度も読み返して少しずつ飲み下していきますね。

あ。『悪い点』に書かせていただいたことの詳細ですが、引っかかったのは主に『勝枝が誘拐される章』のことなんです。突然過去に飛んだのに、それを示唆するのが『ピンク○ンサー』だったので、時代設定がわかりにくかったの。三〇年前に流行った流行歌か何かなら、すぐに「あれ? 時代が古くない?」って気づいたと思うのですが。
なんとなく、陸さんはあえてこういう『場面、時代を混乱させる書き方』をしているんじゃないかと感じているので、それならなおさら読者に与えるヒントはもっと極端にしてもいいんじゃないかと思ったわけなんです。
まあこれは私の主観。この書き方にはもっと別の意味があって、私が読み取れていないという可能性も高いので、そのときはこの意見が無視してくださいな。

ではでは♪
  • 投稿者: 小春日和
  • 女性
  • 2013年 07月21日 23時51分
しっかりとした熱意ある長文の感想をありがとうございます。
こちらのサイトに投稿して最初にいただけた感想が、このようなありがたい内容であることについて、小春日和さんに感謝の念しかわいてきません。
本当にうれしくて、何度も読み返してしまいました。

また、色々と資料を読み込んで、ストーリーに肉付けした部分を褒めていただいてとても嬉しいです。
抜刀室賀流や病については完全にオリジナルですが、これも実際の事案から離れないように創作したので、少しでもリアリティを感じ取っていただけたならと思います。
時系列については、現代国語の問題のように前章に出た単語や語句を次章で繋げるイメージで構成したつもりですが、PDFで見てみるとかなり失敗している気がするので読者にわかりにくくなってしまっていると反省しています。
私に現国のテスト作成はさせないほうがいいみたいです。

構成の仕方・登場人物の造形・物語の流れ等は、私の癖が露骨にあらわれている作品なので、もしこの「剣の風」がお気に召すのでしたら、別の作品も読んでいただけたら幸いです。

重ねて、感想ありがとうございました。
↑ページトップへ