感想一覧
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[良い点]
はじめまして!禽麗のノルディカ読ませていただきました。前半はほのぼのとした学園生活でありながら、じわじわと北国の崩壊が近づいている感じが描かれているのが、後半の怒涛の展開へとうまく繋がっていて面白かったです。起承転結がしっかりと組み立てられていて、読んでいてとても安定感がありました。特に最後のシーンはまさにこうであって欲しいという気持ちの良いエンディングですばらしかったです。少し児童文学のような雰囲気がありますね。小学校高学年から中学生くらいまでの多くの子供に読んで欲しいような、すがすがしいファンタジー小説でした。魅力的なキャラクターが多かったのも良かったと思います。どのキャラクターも個性がしっかりとしてどの子も好感が持てました。私のお気に入りはやっぱりキリク先生です。キリク先生は二人目の主人公といってもいいぐらいでしたね。悪魔だったキリク先生がシキとふれ合ううちに人間のような心を獲得していく過程が素敵でした。
[気になる点]
悪い点というか少しひっかかりを感じたのは、シキを撃ったときに使った前黒竜王の血はどこから出てきたのかなという点です。以前にキリク先生がシキに使ったものは貴重なものの用に扱われていたので、なんとなく出てきたのが気になりました。もしかしたら読み飛ばしてしまったのかもしれないですが・・・。もしちゃんと説明されていたらごめんなさい。
あとシムルのお父さんが竜医師であるということが少し唐突に感じました。シムルとの会話の中でなんとなくそれを匂わすような台詞があるともっと良かったかもしれません。
またシキが自分の中の黒竜王に打ち勝つ過程がもっとあるとよかったと思います。捕縛されて拷問されている間、弱った精神の中でまた黒竜王がシキの意識と戦うシーンがあったらお話的に更に盛り上がったような気がしました。(これはあくまで個人的な意見ですが・・・)
最後にフェイメルの最後の処分について、彼女が悪くないのは分かるんですが、それでもたくさんの人が死んだ原因は彼女にあるわけなので・・・無罪放免は少し軽すぎるかなあと感じました。重い処分は必要ないにしても、国への奉仕活動というかなんらかの刑罰はあってもいいのかな・・・と。
[一言]
・・・とまあ色々書いてしまいましたが、すごく良いお話でした。本当にたくさんの人に読んで欲しい作品です。こんな作品に出会えてよかったです、ありがとうございました。
はじめまして!禽麗のノルディカ読ませていただきました。前半はほのぼのとした学園生活でありながら、じわじわと北国の崩壊が近づいている感じが描かれているのが、後半の怒涛の展開へとうまく繋がっていて面白かったです。起承転結がしっかりと組み立てられていて、読んでいてとても安定感がありました。特に最後のシーンはまさにこうであって欲しいという気持ちの良いエンディングですばらしかったです。少し児童文学のような雰囲気がありますね。小学校高学年から中学生くらいまでの多くの子供に読んで欲しいような、すがすがしいファンタジー小説でした。魅力的なキャラクターが多かったのも良かったと思います。どのキャラクターも個性がしっかりとしてどの子も好感が持てました。私のお気に入りはやっぱりキリク先生です。キリク先生は二人目の主人公といってもいいぐらいでしたね。悪魔だったキリク先生がシキとふれ合ううちに人間のような心を獲得していく過程が素敵でした。
[気になる点]
悪い点というか少しひっかかりを感じたのは、シキを撃ったときに使った前黒竜王の血はどこから出てきたのかなという点です。以前にキリク先生がシキに使ったものは貴重なものの用に扱われていたので、なんとなく出てきたのが気になりました。もしかしたら読み飛ばしてしまったのかもしれないですが・・・。もしちゃんと説明されていたらごめんなさい。
あとシムルのお父さんが竜医師であるということが少し唐突に感じました。シムルとの会話の中でなんとなくそれを匂わすような台詞があるともっと良かったかもしれません。
またシキが自分の中の黒竜王に打ち勝つ過程がもっとあるとよかったと思います。捕縛されて拷問されている間、弱った精神の中でまた黒竜王がシキの意識と戦うシーンがあったらお話的に更に盛り上がったような気がしました。(これはあくまで個人的な意見ですが・・・)
最後にフェイメルの最後の処分について、彼女が悪くないのは分かるんですが、それでもたくさんの人が死んだ原因は彼女にあるわけなので・・・無罪放免は少し軽すぎるかなあと感じました。重い処分は必要ないにしても、国への奉仕活動というかなんらかの刑罰はあってもいいのかな・・・と。
[一言]
・・・とまあ色々書いてしまいましたが、すごく良いお話でした。本当にたくさんの人に読んで欲しい作品です。こんな作品に出会えてよかったです、ありがとうございました。
たんたんさま
はじめまして!黒雛桜と申します。この度は拙作を読んでくださって、なおかつ感想まで残してくださって、ありがとうございました。いただいた感想はどれも嬉しい言葉ですし、鋭く察していただいたり、すべて良し悪し含めて真摯に受け止めようと思いました。
丁寧に綴っていただいて、本当にうれしく思います。言い訳がましくなるので、どうすべきか迷ったのですが、せっかくなので、しばしお付き合い下さい。
実はお察ししていただいたとおり、児童文学寄りの描写を意識していました。副詞がやたらと多いのはそのためなんですが、残酷なシーンも多いので、今まで明言したことはなかったので、たんたんさまの鋭い感性に敬服いたしました。
前竜王の血については、「フェイメル・モルガーナ」の回で疑問が解決できればよいのですが、単に作者の力不足かもしれませんので、そのときはすみません…汗。
シムル父については、ご指摘いただいたことを胸に、反省しつつ次に活かせるようにしたいです。ちなみに、この長い話の中で、どこかに(書いた本人なのに把握してなくてお恥ずかしいです)1つだけ、エーレーン=竜医師、という気付かれるはずもない小石を投げていました。
フェイメルの処分ですが、こちらも、ご指摘いただいたとこを受け止めて、読み手側の気持ちにも沿って今後書ければな、と思います。自分でも裁判の結果に思うところがあったのですが、更新するとき、自分じゃなくてシキならどうするか、で決めました。とはいっても、読んでいただく物語ですので、読んでいて納得できるものにするのが、書き手のやるべきことだと思いますので、反省です。
長々と綴ってしまいましたが、本当に丁寧な感想、感謝の気持ちばかりです。お手に取ってもらえて光栄でした。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
はじめまして!黒雛桜と申します。この度は拙作を読んでくださって、なおかつ感想まで残してくださって、ありがとうございました。いただいた感想はどれも嬉しい言葉ですし、鋭く察していただいたり、すべて良し悪し含めて真摯に受け止めようと思いました。
丁寧に綴っていただいて、本当にうれしく思います。言い訳がましくなるので、どうすべきか迷ったのですが、せっかくなので、しばしお付き合い下さい。
実はお察ししていただいたとおり、児童文学寄りの描写を意識していました。副詞がやたらと多いのはそのためなんですが、残酷なシーンも多いので、今まで明言したことはなかったので、たんたんさまの鋭い感性に敬服いたしました。
前竜王の血については、「フェイメル・モルガーナ」の回で疑問が解決できればよいのですが、単に作者の力不足かもしれませんので、そのときはすみません…汗。
シムル父については、ご指摘いただいたことを胸に、反省しつつ次に活かせるようにしたいです。ちなみに、この長い話の中で、どこかに(書いた本人なのに把握してなくてお恥ずかしいです)1つだけ、エーレーン=竜医師、という気付かれるはずもない小石を投げていました。
フェイメルの処分ですが、こちらも、ご指摘いただいたとこを受け止めて、読み手側の気持ちにも沿って今後書ければな、と思います。自分でも裁判の結果に思うところがあったのですが、更新するとき、自分じゃなくてシキならどうするか、で決めました。とはいっても、読んでいただく物語ですので、読んでいて納得できるものにするのが、書き手のやるべきことだと思いますので、反省です。
長々と綴ってしまいましたが、本当に丁寧な感想、感謝の気持ちばかりです。お手に取ってもらえて光栄でした。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
- 黒雛 桜
- 2016年 06月04日 07時22分
[一言]
完結おめでとうございます。そして長い間お疲れ様でした。
優しい愛が最初から最後まで溢れるお話でした。
残酷なシーンもありましたが、読み終えて今思える感想はそれでした。
育ての父、キリク、ウルト、アリア、ユーリ、フェイメル、リジル、その他多数の登場人物たちがシキに向けた愛。そして彼が皆に向けた愛――。それらが交じり合い、巡ることで、見事な終わり方になったのだと思いました。
最後にシキの名前を意味を知った時、凍てついた国を舞台にした理由、ところどころ出てくる台詞など、すべてが繋がり、黒雛さんの力量に恐れ入ったと感じました。
前半部分は楽しい学園生活と、世界観の外枠を学んだお話でした。
個性溢れる先生方の授業は面白かったり、怖かったり。楽しく和やかな友たちとのやりとりは、とても微笑ましく、楽しかったです。
このままほのぼの終わるわけがないと暗示しているかのような、裏でのやりとり、伏線らしきもの、悪魔の襲来などに引き込まれながら中盤へと読み進めていました。
中盤、ホロン山から降りた以後は、まるでドミノのように勢いよく物語が倒れていきました。
急襲、擦れ違い、戦闘、涙、目覚め、そして――。
苦しく、歯がゆく、悔しいシーンの数々でした。でもこのシーンがなければ、最後の読了感は得られなかったと思います。とても苦心して書かれた部分だとお察しています、書ききってくださりありがとうございます。
さて、このお話の主人公と、影の主人公ではないかと思う彼女が、はっきりと交錯した時、物語は後半戦へと動きました。
実際の国の負の部分が垣間見え、冬を終わらせなければどうにもならないと、心底思いました。
しかしそれをどうにかするには、その前に立ちはだかる者たちの存在がある。では、ここからどうひっくり返す?とわくわくしながら更新を待っていました。
彼らを魔法で打倒するシーンもこの物語の醍醐味一つでしたが(実際、ハラハラドキドキ楽しませて頂きました)、それ以上に注目していたのはシキと友たちとの関係でした。
このまま5人がバラバラになってしまうのは避けたいが、ウルトたち側の想いもわかる。
どうなってしまうんだろう……と心底思っていたので、シキとウルトが想いをぶつけあった時、そしてフェイメルと皆が再会した時は、じわじわと込み上がるような想いがありました。
魔法や世界観の設定がしっかり練られていて、安心して読める面白い物語です。
キリクが頑張っていたのもわかります、リジルの真っ直ぐさは好きです、リュゼは抱きつきたいくらい大好きです。
それ以上に、私は5人の友情というのに感動しました。
この物語は最後の最後まで読まなければ、満足な読了感は得られない小説だと思っています。
だからこそ、最後の一文が読めて嬉しかったです。
凍てついた寒い冬が終わり、暖かな春が来たと思えるような終わりでした。
長々と失礼しました。本当にお疲れ様でした。
そして素敵な物語をありがとうございました。
完結おめでとうございます。そして長い間お疲れ様でした。
優しい愛が最初から最後まで溢れるお話でした。
残酷なシーンもありましたが、読み終えて今思える感想はそれでした。
育ての父、キリク、ウルト、アリア、ユーリ、フェイメル、リジル、その他多数の登場人物たちがシキに向けた愛。そして彼が皆に向けた愛――。それらが交じり合い、巡ることで、見事な終わり方になったのだと思いました。
最後にシキの名前を意味を知った時、凍てついた国を舞台にした理由、ところどころ出てくる台詞など、すべてが繋がり、黒雛さんの力量に恐れ入ったと感じました。
前半部分は楽しい学園生活と、世界観の外枠を学んだお話でした。
個性溢れる先生方の授業は面白かったり、怖かったり。楽しく和やかな友たちとのやりとりは、とても微笑ましく、楽しかったです。
このままほのぼの終わるわけがないと暗示しているかのような、裏でのやりとり、伏線らしきもの、悪魔の襲来などに引き込まれながら中盤へと読み進めていました。
中盤、ホロン山から降りた以後は、まるでドミノのように勢いよく物語が倒れていきました。
急襲、擦れ違い、戦闘、涙、目覚め、そして――。
苦しく、歯がゆく、悔しいシーンの数々でした。でもこのシーンがなければ、最後の読了感は得られなかったと思います。とても苦心して書かれた部分だとお察しています、書ききってくださりありがとうございます。
さて、このお話の主人公と、影の主人公ではないかと思う彼女が、はっきりと交錯した時、物語は後半戦へと動きました。
実際の国の負の部分が垣間見え、冬を終わらせなければどうにもならないと、心底思いました。
しかしそれをどうにかするには、その前に立ちはだかる者たちの存在がある。では、ここからどうひっくり返す?とわくわくしながら更新を待っていました。
彼らを魔法で打倒するシーンもこの物語の醍醐味一つでしたが(実際、ハラハラドキドキ楽しませて頂きました)、それ以上に注目していたのはシキと友たちとの関係でした。
このまま5人がバラバラになってしまうのは避けたいが、ウルトたち側の想いもわかる。
どうなってしまうんだろう……と心底思っていたので、シキとウルトが想いをぶつけあった時、そしてフェイメルと皆が再会した時は、じわじわと込み上がるような想いがありました。
魔法や世界観の設定がしっかり練られていて、安心して読める面白い物語です。
キリクが頑張っていたのもわかります、リジルの真っ直ぐさは好きです、リュゼは抱きつきたいくらい大好きです。
それ以上に、私は5人の友情というのに感動しました。
この物語は最後の最後まで読まなければ、満足な読了感は得られない小説だと思っています。
だからこそ、最後の一文が読めて嬉しかったです。
凍てついた寒い冬が終わり、暖かな春が来たと思えるような終わりでした。
長々と失礼しました。本当にお疲れ様でした。
そして素敵な物語をありがとうございました。
桐谷さん
いままでずっと、ありがとうございました…!
本当に感謝してもしきれません。
努力・友情・勝利の三原則と、ラブ。
それが最初のコンセプトで、ラブの部分は恋愛じゃなくて、愛を選びました。それが桐谷さんに伝わっていたことも、本当にうれしく思います。
本章ラストで、シキの名前にはっとしていただけたのなら、わたしは本望です。
流し読みしただけなら、きっとはっとはならないと思っているので、桐谷さんには感謝の言葉ばかりです。
実際はおっしゃるとおり、あの残酷シーンのための前半部分だったので、前半で見捨てないでくれて、ありがとうございましたとしか言いようがありません。
伝えたかったことは、いただいた感想にすべて詰まっていました。140字での感想も本当にありがとうございました。
わたしにはない読解力と的確で美しい文面で綴られる感想は、素直に感動しましたし、また頑張って更新しようという力になりました。
お礼を言っても言い足りないくらいです。
こちらこそ、最後までお付き合いくださってありがとうございました…!!
いままでずっと、ありがとうございました…!
本当に感謝してもしきれません。
努力・友情・勝利の三原則と、ラブ。
それが最初のコンセプトで、ラブの部分は恋愛じゃなくて、愛を選びました。それが桐谷さんに伝わっていたことも、本当にうれしく思います。
本章ラストで、シキの名前にはっとしていただけたのなら、わたしは本望です。
流し読みしただけなら、きっとはっとはならないと思っているので、桐谷さんには感謝の言葉ばかりです。
実際はおっしゃるとおり、あの残酷シーンのための前半部分だったので、前半で見捨てないでくれて、ありがとうございましたとしか言いようがありません。
伝えたかったことは、いただいた感想にすべて詰まっていました。140字での感想も本当にありがとうございました。
わたしにはない読解力と的確で美しい文面で綴られる感想は、素直に感動しましたし、また頑張って更新しようという力になりました。
お礼を言っても言い足りないくらいです。
こちらこそ、最後までお付き合いくださってありがとうございました…!!
- 黒雛 桜
- 2016年 06月01日 20時22分
[一言]
お世話になっております。
「禽麗のノルディカ」卜占 まで読ませていただきました。
最初の三章ぐらいでの印象は ハリーポッターのような魔法学校モノですね。
それを完全な異世界で、より広範の魔法を対象に組み上げている。
国家間の関係性や 世界の歴史まで含めた より広範な設定を前提に
ストーリーを展開したいのだと感じました。
ただ、その意識が強すぎて作品的なまとまりを欠いている感もあります。
物語には大きく分けて キャラクター、ストーリー、世界 の要素が必要ですが、
読者の興味も ほぼ この順序で強いものでしょう。
この順でないと興味が持続しないという傾向もあります。
本作の場合、キャラやストーリー以前に 世界への理解が求められます。
このハードルそのものが高い。
読み進める中で 理解の基盤となるべき意識がないまま
新しい知識を覚えろと言われているようなもので、
そもそも覚える気になれる人が少なくもあるでしょう。
しかも その知識が 相当に広範に及ぶ。
魔法だけでも 西洋・東洋・大枠から まじないまであり、
さらには 歴史、社会、慣習まで理解を強いられる。
長期的にはストーリーと絡んでくるのだと思われますが、
はじめから これら膨大な情報の理解が前提だと感じてしまうと、
そこまでの苦労をして読み進めたいという気力が湧いてこないのが大半でしょう。
例えるなら 西遊記を読む際、それが書かれるまでの中国の歴史を叩きこまれるようなもので、
興味がある人ならばともかく、ストーリーを楽しもうという人にはハードルが高い構造と言えます。
問題の前提として、この世界の標準的な意識が不明瞭な点があります。
ハリポタの場合は 現実世界が基盤にあり、魔法に対して驚くにしても
現実との比較として 読者自身の意識と比較できますが、
本作のように完全な異世界の場合、魔法が登場しても それがどの程度 珍しいのかが分かりません。
通常なら主人公の意識が 読者の意識の代替となりますが、
本作の場合は 主人公の生い立ちそのものが特殊なため、
なおさら一般の感覚がつかみにくくなってもいる。
旅の同伴として狼的な動物と一緒だったとされ、
しかも人語を解する存在では、すでに魔法的な印象が与えられてしまうでしょう。
これを許容している人物が 別の魔法に驚いたとしても
どの違いが驚きの対象になっているのかが わかりにくい。
ここを正確に理解するには これから示される膨大な設定が必要であり、
それがない状態で読んでいる者にとっては 混乱を飲みこんで進まなければならなくなる。
ある程度であれば魅力となって物語の推進剤にもなる要素ですが、
本作は全体的に この傾向が強くあり、多分に分かりにくさを増している感があります。
根本的な意識として、作者としてストーリーよりも 背景的な設定を示したい意図が強いのでしょう。
そちらがメインになってしまい、ストーリーの流れが 添え物的になってしまっている。
設定の説明の方が メインストーリーの文章より 比重が重く、
しかも必要な理解に対しては 情報が飛びがちな感じもしました。
以前に示された設定を 正確に覚えておかなければ
後の展開に対する理解が 正確には行えない。
感情面でなく論理的な思考が多く必要とされ、
しかも 部分的に置かれる それらをつなげるストーリーが細いため、
展開的な興味の持続が難しくなっている気がします。
魔法や歴史の詳細は 人によっては魅力となりますが、
これで多くの人の興味を惹くには 文章的な高い技術が必要です。
ストーリーとの明確な関連付けや 詳細そのものを面白く読ませる工夫など
部分だけでなく 構成的な配慮が欠かせません。
連載形式では なかなか不利な点だと思います。
現時点における対応は かなり難しいでしょう。
なので、まずはストーリー的な完結を目指した方がよい。
その上で ストーリーの理解に必要な情報を取捨していった方が
物語的な完成度は増すと思います。
取捨といっても 考えた設定を完全に捨てるのではなく、
それを意識した描写や ささやかな説明は残していける。
背景のすべてを明かすのではなく、そういう背景が確かにあると意識させられれば、
世界の深さを感じさせる魅力となって 作品への興味を喚起する材料にもなるでしょう。
ストーリーの完結は、同時に設定的な不整合や矛盾を洗い出す役にも立ちます。
読んだ範囲ですが、一つ一つの設定は考えこんでいる印象を受けましたが、
それぞれの連結においては まだ踏みこめていない感じもしました。
世界に歴史を含ませるとなると それぞれの影響も気にしないわけにはいきません。
ストーリーの説得力にも直結してくるでしょう。
これらを気づいた時点で なんとかするのではなく、
とりあえず無視してでもストーリーを完結させてしまい、
一通りの まとまりを得た後に再構築した方が
全体として矛盾の少ない形にできると思います。
もっとも、整合性を意識しすぎて起伏の少ない物語になってしまう可能性も高いので
要不要の判断は難しくもありますが。
こんなところで。
相互批評企画への参加、ありがとうございました。
お世話になっております。
「禽麗のノルディカ」卜占 まで読ませていただきました。
最初の三章ぐらいでの印象は ハリーポッターのような魔法学校モノですね。
それを完全な異世界で、より広範の魔法を対象に組み上げている。
国家間の関係性や 世界の歴史まで含めた より広範な設定を前提に
ストーリーを展開したいのだと感じました。
ただ、その意識が強すぎて作品的なまとまりを欠いている感もあります。
物語には大きく分けて キャラクター、ストーリー、世界 の要素が必要ですが、
読者の興味も ほぼ この順序で強いものでしょう。
この順でないと興味が持続しないという傾向もあります。
本作の場合、キャラやストーリー以前に 世界への理解が求められます。
このハードルそのものが高い。
読み進める中で 理解の基盤となるべき意識がないまま
新しい知識を覚えろと言われているようなもので、
そもそも覚える気になれる人が少なくもあるでしょう。
しかも その知識が 相当に広範に及ぶ。
魔法だけでも 西洋・東洋・大枠から まじないまであり、
さらには 歴史、社会、慣習まで理解を強いられる。
長期的にはストーリーと絡んでくるのだと思われますが、
はじめから これら膨大な情報の理解が前提だと感じてしまうと、
そこまでの苦労をして読み進めたいという気力が湧いてこないのが大半でしょう。
例えるなら 西遊記を読む際、それが書かれるまでの中国の歴史を叩きこまれるようなもので、
興味がある人ならばともかく、ストーリーを楽しもうという人にはハードルが高い構造と言えます。
問題の前提として、この世界の標準的な意識が不明瞭な点があります。
ハリポタの場合は 現実世界が基盤にあり、魔法に対して驚くにしても
現実との比較として 読者自身の意識と比較できますが、
本作のように完全な異世界の場合、魔法が登場しても それがどの程度 珍しいのかが分かりません。
通常なら主人公の意識が 読者の意識の代替となりますが、
本作の場合は 主人公の生い立ちそのものが特殊なため、
なおさら一般の感覚がつかみにくくなってもいる。
旅の同伴として狼的な動物と一緒だったとされ、
しかも人語を解する存在では、すでに魔法的な印象が与えられてしまうでしょう。
これを許容している人物が 別の魔法に驚いたとしても
どの違いが驚きの対象になっているのかが わかりにくい。
ここを正確に理解するには これから示される膨大な設定が必要であり、
それがない状態で読んでいる者にとっては 混乱を飲みこんで進まなければならなくなる。
ある程度であれば魅力となって物語の推進剤にもなる要素ですが、
本作は全体的に この傾向が強くあり、多分に分かりにくさを増している感があります。
根本的な意識として、作者としてストーリーよりも 背景的な設定を示したい意図が強いのでしょう。
そちらがメインになってしまい、ストーリーの流れが 添え物的になってしまっている。
設定の説明の方が メインストーリーの文章より 比重が重く、
しかも必要な理解に対しては 情報が飛びがちな感じもしました。
以前に示された設定を 正確に覚えておかなければ
後の展開に対する理解が 正確には行えない。
感情面でなく論理的な思考が多く必要とされ、
しかも 部分的に置かれる それらをつなげるストーリーが細いため、
展開的な興味の持続が難しくなっている気がします。
魔法や歴史の詳細は 人によっては魅力となりますが、
これで多くの人の興味を惹くには 文章的な高い技術が必要です。
ストーリーとの明確な関連付けや 詳細そのものを面白く読ませる工夫など
部分だけでなく 構成的な配慮が欠かせません。
連載形式では なかなか不利な点だと思います。
現時点における対応は かなり難しいでしょう。
なので、まずはストーリー的な完結を目指した方がよい。
その上で ストーリーの理解に必要な情報を取捨していった方が
物語的な完成度は増すと思います。
取捨といっても 考えた設定を完全に捨てるのではなく、
それを意識した描写や ささやかな説明は残していける。
背景のすべてを明かすのではなく、そういう背景が確かにあると意識させられれば、
世界の深さを感じさせる魅力となって 作品への興味を喚起する材料にもなるでしょう。
ストーリーの完結は、同時に設定的な不整合や矛盾を洗い出す役にも立ちます。
読んだ範囲ですが、一つ一つの設定は考えこんでいる印象を受けましたが、
それぞれの連結においては まだ踏みこめていない感じもしました。
世界に歴史を含ませるとなると それぞれの影響も気にしないわけにはいきません。
ストーリーの説得力にも直結してくるでしょう。
これらを気づいた時点で なんとかするのではなく、
とりあえず無視してでもストーリーを完結させてしまい、
一通りの まとまりを得た後に再構築した方が
全体として矛盾の少ない形にできると思います。
もっとも、整合性を意識しすぎて起伏の少ない物語になってしまう可能性も高いので
要不要の判断は難しくもありますが。
こんなところで。
相互批評企画への参加、ありがとうございました。
- 投稿者: 退会済み
- 2015年 11月15日 22時11分
管理
この度は丁寧な感想をありがとうございました。
若輩者の作とはいえ、読み手の頭を悩ませてしまうものだったようで、力不足が否めません。
ですが、貴重なご意見を伺えて、大変参考になりました。企画に参加させていただき、ありがとうございました
若輩者の作とはいえ、読み手の頭を悩ませてしまうものだったようで、力不足が否めません。
ですが、貴重なご意見を伺えて、大変参考になりました。企画に参加させていただき、ありがとうございました
- 黒雛 桜
- 2015年 11月15日 22時30分
[一言]
「禽麗のノルディカ」冒頭のみですが読ませていただきました。
状況の説明の中でも少しずつ情報を示し、全体の世界を感じさせる。
質の高い文章だと思いました。
世界の特徴は際立っていないものの、それゆえに内容の方で勝負するタイプなのでしょう。
渋い構成で自分の好みです。
自分も連載中の作品でネット小説大賞に参加しています。
完結したら相互批評企画などやろうかと考えておりますので、
よければ ご参加くださいませ。
「禽麗のノルディカ」冒頭のみですが読ませていただきました。
状況の説明の中でも少しずつ情報を示し、全体の世界を感じさせる。
質の高い文章だと思いました。
世界の特徴は際立っていないものの、それゆえに内容の方で勝負するタイプなのでしょう。
渋い構成で自分の好みです。
自分も連載中の作品でネット小説大賞に参加しています。
完結したら相互批評企画などやろうかと考えておりますので、
よければ ご参加くださいませ。
- 投稿者: 退会済み
- 2015年 10月09日 19時19分
管理
根無草野良さま
はじめまして、黒雛と申します。
うわああ身に余る光栄に存じます……!
そんなふうに言っていただけるとは思ってもみなかったので、嬉しいやらおそれ多いやら。いえ、やっぱりとても嬉しいです。
おっしゃるとおり、世界観の説明はほぼ省いて物語を進めています。構成に重きを置いたので、渋いのひと言をいただけただけで、報われた気分です。
企画をされる際はぜひ、末席に加えて下さいませ。
この度はありがとうございました。
はじめまして、黒雛と申します。
うわああ身に余る光栄に存じます……!
そんなふうに言っていただけるとは思ってもみなかったので、嬉しいやらおそれ多いやら。いえ、やっぱりとても嬉しいです。
おっしゃるとおり、世界観の説明はほぼ省いて物語を進めています。構成に重きを置いたので、渋いのひと言をいただけただけで、報われた気分です。
企画をされる際はぜひ、末席に加えて下さいませ。
この度はありがとうございました。
- 黒雛 桜
- 2015年 10月09日 22時25分
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