感想一覧
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[一言]
遅ればせながら二年かけて? 読了いたしました。
私がぜんまいのきれたよるにを書いたころの作品だったんですね。
冒頭スプラッターで始まったので大仰なだけの怖くないホラーだと勘違いしたのだと思います。
けれども実際読んでみたらローザが「クルト? 貴方、どこにいるの? 」だったわけで、全身の骨が凍り付いた心持ちが致しました。
そう、yamayuriさんがつまらない話を書くはずなどなかったんですね。
二年近くもほったらかしにしていて、大変失礼いたしました。
直前、振り返らずに愛を語るローザも、不穏さを引っ張りつつ表面上平穏に話が進めていてとても見事な前振りになっています。
もう一つの恐怖場面である森からの逃走シーンも、恐怖の対象は見えないものであり、むしろyamayuriさんのホラーに対する造詣の深さが出た作品でしたね。
時折――――挟まれる! ――――独白など緊張感のある短い文章が強く意識されていて、私自身も手に汗握りながら読ませて頂きました。
一方で、演奏の場面やローザがクルトに傷をつける場面、クライマックスの愁嘆場などは音や手触りを編み込んだ細やかな文章で美しく描かれており、作品に大きな魅力を添えています。
舞台劇のような長台詞も言い回しが絶妙で、読むものの胸を締め付ける力がありました。
回想の中の出会いと死後の呪われた再会が重なるエピローグは、危うい幸福を描く本作の集大成といえましょう。
この物語の本質は、以上に見た美しさと不穏さの積層に有るのだと思います。
美しく澄んだ水面の輝きと、その奥に見え隠れする冷たい淵。
その核になっているのは、クルトを破滅に誘うローザへの執心ですね。
それはローザが見せる小さな違和感や、スザネとの衝突によく表れていました。
ローザが悪魔だと言われたとき素直に疑ってしまうのは、だから少しもったいなかったかもしれません。
発覚から解決に向かう道筋を二分割して、紋様が見つかった後に軟禁され、脱走してローザと駆け落ちを試み、森からは出られないと言われて喧嘩になり、森の中で追いかけられる流れをその後に回すといった手が考えられますね。
勿論、書きあがった後だから言える話なのですが。
yamayuriさんの他の作品でも大事なシーンは短く畳まれがちでしたね。
ターンイングポイントやクライマックスを複数のシーンに跨らせ、尺を増やして盛り上がるための余裕を作ってあげるよう意識されると、今後の作品の出来もまた変わってくるのではないかと思います。(アドバイス税
遅ればせながら二年かけて? 読了いたしました。
私がぜんまいのきれたよるにを書いたころの作品だったんですね。
冒頭スプラッターで始まったので大仰なだけの怖くないホラーだと勘違いしたのだと思います。
けれども実際読んでみたらローザが「クルト? 貴方、どこにいるの? 」だったわけで、全身の骨が凍り付いた心持ちが致しました。
そう、yamayuriさんがつまらない話を書くはずなどなかったんですね。
二年近くもほったらかしにしていて、大変失礼いたしました。
直前、振り返らずに愛を語るローザも、不穏さを引っ張りつつ表面上平穏に話が進めていてとても見事な前振りになっています。
もう一つの恐怖場面である森からの逃走シーンも、恐怖の対象は見えないものであり、むしろyamayuriさんのホラーに対する造詣の深さが出た作品でしたね。
時折――――挟まれる! ――――独白など緊張感のある短い文章が強く意識されていて、私自身も手に汗握りながら読ませて頂きました。
一方で、演奏の場面やローザがクルトに傷をつける場面、クライマックスの愁嘆場などは音や手触りを編み込んだ細やかな文章で美しく描かれており、作品に大きな魅力を添えています。
舞台劇のような長台詞も言い回しが絶妙で、読むものの胸を締め付ける力がありました。
回想の中の出会いと死後の呪われた再会が重なるエピローグは、危うい幸福を描く本作の集大成といえましょう。
この物語の本質は、以上に見た美しさと不穏さの積層に有るのだと思います。
美しく澄んだ水面の輝きと、その奥に見え隠れする冷たい淵。
その核になっているのは、クルトを破滅に誘うローザへの執心ですね。
それはローザが見せる小さな違和感や、スザネとの衝突によく表れていました。
ローザが悪魔だと言われたとき素直に疑ってしまうのは、だから少しもったいなかったかもしれません。
発覚から解決に向かう道筋を二分割して、紋様が見つかった後に軟禁され、脱走してローザと駆け落ちを試み、森からは出られないと言われて喧嘩になり、森の中で追いかけられる流れをその後に回すといった手が考えられますね。
勿論、書きあがった後だから言える話なのですが。
yamayuriさんの他の作品でも大事なシーンは短く畳まれがちでしたね。
ターンイングポイントやクライマックスを複数のシーンに跨らせ、尺を増やして盛り上がるための余裕を作ってあげるよう意識されると、今後の作品の出来もまた変わってくるのではないかと思います。(アドバイス税
白えんぴつさん
ご感想ありがとうございます。
そうですか。ぜんまいのきれたよるに、を読みながら書いてたのかな? 懐かしいです。
細かいところの設定をどうしてあのようにしたのか、すっかり忘れてしまったのですが、確かにクライマックス、あっさりしてるよなー。何かがたりないなーと感じつつ、何を加えていいかがわかりませんでした。
夏のホラー前に急に思い立って書き始め、開催期間中にいかに完結させるかで焦っていたような。
うっかりしてると、このミスをやらかす癖があるようですね。
新しい作品でも、このウィークポイントに気をつけなくちゃ!と決意を新たにしました。
古い作品ですのに、わざわざ思い出して取り上げてくださって、嬉しいです。
重ね重ね、ありがとうございました!
ご感想ありがとうございます。
そうですか。ぜんまいのきれたよるに、を読みながら書いてたのかな? 懐かしいです。
細かいところの設定をどうしてあのようにしたのか、すっかり忘れてしまったのですが、確かにクライマックス、あっさりしてるよなー。何かがたりないなーと感じつつ、何を加えていいかがわかりませんでした。
夏のホラー前に急に思い立って書き始め、開催期間中にいかに完結させるかで焦っていたような。
うっかりしてると、このミスをやらかす癖があるようですね。
新しい作品でも、このウィークポイントに気をつけなくちゃ!と決意を新たにしました。
古い作品ですのに、わざわざ思い出して取り上げてくださって、嬉しいです。
重ね重ね、ありがとうございました!
- yamayuri
- 2015年 06月02日 21時26分
[良い点]
ツイッターにて、宣伝されている文章に惹かれ、読ませて頂きました。
西洋の古典のような、バロック調の雰囲気を感じました。
ローゼマリアの雰囲気がいいですね。
魅力的で、謎めいていて……。
一方、スネザは話し方が荒っぽかったりと、ローゼマリアとの対比がよかったです。
スネザのことを思うと、とても切ない気持ちになります。一番不幸なのは彼女なのではないかしら……と思ってしまいました。
最後にこのシーン、とても効果的ですね。
言い知れぬ気持ちになり、鳥肌でした。
シーンの分配にセンスを感じました。
美しくも悲しい、ホラー作品でした。
拙い感想で失礼いたしました。
とても良かったです。
ツイッターにて、宣伝されている文章に惹かれ、読ませて頂きました。
西洋の古典のような、バロック調の雰囲気を感じました。
ローゼマリアの雰囲気がいいですね。
魅力的で、謎めいていて……。
一方、スネザは話し方が荒っぽかったりと、ローゼマリアとの対比がよかったです。
スネザのことを思うと、とても切ない気持ちになります。一番不幸なのは彼女なのではないかしら……と思ってしまいました。
最後にこのシーン、とても効果的ですね。
言い知れぬ気持ちになり、鳥肌でした。
シーンの分配にセンスを感じました。
美しくも悲しい、ホラー作品でした。
拙い感想で失礼いたしました。
とても良かったです。
- 投稿者: 退会済み
- 23歳~29歳 女性
- 2013年 09月12日 01時39分
管理
>なつのあゆみさん
お読みいただいて、ご感想までいただいてありがとうございます!
作中の一文を紹介するのが面白そうなので載せてみたのですが、そこから興味を持っていただけたとは、嬉しいかぎりです。
歴史ものではないので非常に曖昧ですが、背景は中世のドイツ(ヨーロッパ)の風俗を参考にしています。クライマックスのシーンでディズニーランドのホーンテッドマンションのような幽霊の舞踏会を描きたかったので。ホラーでありながらも童話的な雰囲気を出してみたかったのです。
>スネザのことを思うと
確かにこの物語でスザネがいちばん報われませんね。一途にクルトのために尽くしてきたのに、結局クルトは離れてしまうのですから。
この話はほとんどクルトの目線ですが、最後にこれをホラーと感じたのはスザネの目線です。つまり彼女にとっての恐怖(悲劇?)だったわけです。
かわいそうではありますが、彼女なしでは語れない話です。
最後のシーンをお褒めいただいてありがとうございます。
実はこの構成は私自身が感銘を受けた作品の構成を参考にしたものなんです。自分でもこんな風に纏まるのかと感心していた次第でして。
というわけで、表現方法や構成など試行錯誤のうえに出来上がった作品ですので、ここまで誉めていただけるとは思いませんでした。
大きな励みになりました。今後作品を作っていくのが楽しみになります。
素敵なご感想をいただいて、どうもありがとうございました。
お読みいただいて、ご感想までいただいてありがとうございます!
作中の一文を紹介するのが面白そうなので載せてみたのですが、そこから興味を持っていただけたとは、嬉しいかぎりです。
歴史ものではないので非常に曖昧ですが、背景は中世のドイツ(ヨーロッパ)の風俗を参考にしています。クライマックスのシーンでディズニーランドのホーンテッドマンションのような幽霊の舞踏会を描きたかったので。ホラーでありながらも童話的な雰囲気を出してみたかったのです。
>スネザのことを思うと
確かにこの物語でスザネがいちばん報われませんね。一途にクルトのために尽くしてきたのに、結局クルトは離れてしまうのですから。
この話はほとんどクルトの目線ですが、最後にこれをホラーと感じたのはスザネの目線です。つまり彼女にとっての恐怖(悲劇?)だったわけです。
かわいそうではありますが、彼女なしでは語れない話です。
最後のシーンをお褒めいただいてありがとうございます。
実はこの構成は私自身が感銘を受けた作品の構成を参考にしたものなんです。自分でもこんな風に纏まるのかと感心していた次第でして。
というわけで、表現方法や構成など試行錯誤のうえに出来上がった作品ですので、ここまで誉めていただけるとは思いませんでした。
大きな励みになりました。今後作品を作っていくのが楽しみになります。
素敵なご感想をいただいて、どうもありがとうございました。
- yamayuri
- 2013年 09月12日 21時10分
[一言]
ツイッターでも一言ずつ感想を呟いていましたが、読了しましたので、もう少し長く書かせていただきます。
まず、文章が非常に読みやすかったです。途中で変につまってしまうところもなくすらすらと読み進められました。
表現も丁寧で世界観に合っており、過度に飾ることのない、雰囲気のある洗練された筆致だと思いました。
とくに好いなあと思ったのは、クルトがローゼマリアを想いながら演奏する場面と、クルトが恐怖に怯えつつも自分を奮い立たせ、黒い森を通り抜ける場面における、心理描写でした。前者についてはただ清らかで美しいという感想を抱きました。そして後者については、巧みな心理描写も優れたホラー作品の一要素なのだなぁと改めて思わされました。
それから、最後にスザネが気付いた『悪魔を喚ぶのは人間の悪意や欲望ばかりではない〜』という部分……ローゼマリアの夫やローゼマリア、そしてクルトが辿った末路を思えば、本当にその通りだと思いました。この物語で描かれた恐怖のうち、最も印象に残った『恐ろしさ』でした。
全て読み終えた後に、冒頭に戻って再読しました。
ずっとあのシーンは何だろう? と思っていたのですが、二回目はちゃんとわかりました。全てはここから始まったのですね。こういう始まり方、良いですね。
加えて、終わり方も良いと思いました。二人の幻想的な出会いが哀しくも心地良い余韻を生み出し、物語全体のうつくしさを一層際立たせていました。
長くなってしまいましたが……
見せ方、というか展開のさせ方も秀逸で、とにかく先が気になり、毎日楽しませていただきました。
あらすじにもありますが、見るからに恐ろしいものを恐ろしく描いているだけのホラー作品ではなく、人の想いが生み出す恐怖が上手に描き出された、重みのあるホラー作品でした。
ツイッターでも一言ずつ感想を呟いていましたが、読了しましたので、もう少し長く書かせていただきます。
まず、文章が非常に読みやすかったです。途中で変につまってしまうところもなくすらすらと読み進められました。
表現も丁寧で世界観に合っており、過度に飾ることのない、雰囲気のある洗練された筆致だと思いました。
とくに好いなあと思ったのは、クルトがローゼマリアを想いながら演奏する場面と、クルトが恐怖に怯えつつも自分を奮い立たせ、黒い森を通り抜ける場面における、心理描写でした。前者についてはただ清らかで美しいという感想を抱きました。そして後者については、巧みな心理描写も優れたホラー作品の一要素なのだなぁと改めて思わされました。
それから、最後にスザネが気付いた『悪魔を喚ぶのは人間の悪意や欲望ばかりではない〜』という部分……ローゼマリアの夫やローゼマリア、そしてクルトが辿った末路を思えば、本当にその通りだと思いました。この物語で描かれた恐怖のうち、最も印象に残った『恐ろしさ』でした。
全て読み終えた後に、冒頭に戻って再読しました。
ずっとあのシーンは何だろう? と思っていたのですが、二回目はちゃんとわかりました。全てはここから始まったのですね。こういう始まり方、良いですね。
加えて、終わり方も良いと思いました。二人の幻想的な出会いが哀しくも心地良い余韻を生み出し、物語全体のうつくしさを一層際立たせていました。
長くなってしまいましたが……
見せ方、というか展開のさせ方も秀逸で、とにかく先が気になり、毎日楽しませていただきました。
あらすじにもありますが、見るからに恐ろしいものを恐ろしく描いているだけのホラー作品ではなく、人の想いが生み出す恐怖が上手に描き出された、重みのあるホラー作品でした。
>亜薇さん
毎日欠かさず読んでいただき、こうしてご丁寧な感想までいただいて、感謝いたします。
語彙が乏しいので凝った単語を用いることが出来ず、それが結果読みやすいということに繋がるのだと思いますが、それを『洗練された』と捉えていただけたことが非常に嬉しいです。
言葉を知らないゆえに、誰でも分かる文章になるのでしょうが、足りない言葉を補う表現をいろいろと工夫したことでそういう印象を持っていただけたことは何よりです。
ただ、もう少し文学的な表現が出来るように勉強するべきだと毎回反省しているのですが。
クルトが演奏するシーンと恐怖と戦いながら森を通り抜けるシーンが気に入っていただけたとのこと。ストーリーの流れとはあまり関わりない部分なので、その情景を伝える表現方法を練習する場面でもありました。ところどころ描写の方法を模索しながら書いている部分があるのですが、そういった部分で明確なイメージを持っていただけたことが分かり自信になりました。明暗の対比がはっきり伝わってこその作品ですので、何気ない部分が功を奏したのは良かったと思います。
>『悪魔を喚ぶのは人間の悪意や欲望ばかりではない』
最近の事件を考えると『悪意』に至るには、行き過ぎた『正義』『誠実さ』が原因となるものが多いのかな。だからこそ食い止めることが難しいのかなと感じているところ。これはファンタジーですが、実は現実社会への風刺も籠めています。
空想物語でもリアルでも、結末が釈然としないということは『恐怖』ですね。
最初のシーンが気になりましたか。
はじめ、細かく書き込み過ぎてしまって最初からネタバレになってしまい、何度も書き直しました。
ハインリヒの台詞にも『美しい薔薇よ。永遠なれ』と入っていたんですが、これじゃあ途中で分かる人には分かってしまうと思って省きました。
こういう振りは本当に難しいですね。いちばん頭を悩ませた部分です。
最後までバレずに済んで大成功(?)もう少し繋がりを持たせたほうがよかったのかもしれませんが、これ以上の工夫は私には無理でした。
丁寧に細かい部分まで読み込んでいただいて本当にありがとうございます。
こんな拙い作品でも、楽しみに読んでいただけたことが何より嬉しいです。
毎日欠かさず読んでいただき、こうしてご丁寧な感想までいただいて、感謝いたします。
語彙が乏しいので凝った単語を用いることが出来ず、それが結果読みやすいということに繋がるのだと思いますが、それを『洗練された』と捉えていただけたことが非常に嬉しいです。
言葉を知らないゆえに、誰でも分かる文章になるのでしょうが、足りない言葉を補う表現をいろいろと工夫したことでそういう印象を持っていただけたことは何よりです。
ただ、もう少し文学的な表現が出来るように勉強するべきだと毎回反省しているのですが。
クルトが演奏するシーンと恐怖と戦いながら森を通り抜けるシーンが気に入っていただけたとのこと。ストーリーの流れとはあまり関わりない部分なので、その情景を伝える表現方法を練習する場面でもありました。ところどころ描写の方法を模索しながら書いている部分があるのですが、そういった部分で明確なイメージを持っていただけたことが分かり自信になりました。明暗の対比がはっきり伝わってこその作品ですので、何気ない部分が功を奏したのは良かったと思います。
>『悪魔を喚ぶのは人間の悪意や欲望ばかりではない』
最近の事件を考えると『悪意』に至るには、行き過ぎた『正義』『誠実さ』が原因となるものが多いのかな。だからこそ食い止めることが難しいのかなと感じているところ。これはファンタジーですが、実は現実社会への風刺も籠めています。
空想物語でもリアルでも、結末が釈然としないということは『恐怖』ですね。
最初のシーンが気になりましたか。
はじめ、細かく書き込み過ぎてしまって最初からネタバレになってしまい、何度も書き直しました。
ハインリヒの台詞にも『美しい薔薇よ。永遠なれ』と入っていたんですが、これじゃあ途中で分かる人には分かってしまうと思って省きました。
こういう振りは本当に難しいですね。いちばん頭を悩ませた部分です。
最後までバレずに済んで大成功(?)もう少し繋がりを持たせたほうがよかったのかもしれませんが、これ以上の工夫は私には無理でした。
丁寧に細かい部分まで読み込んでいただいて本当にありがとうございます。
こんな拙い作品でも、楽しみに読んでいただけたことが何より嬉しいです。
- yamayuri
- 2013年 08月16日 23時33分
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