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[一言]
 拝読いたしました。
 各話ともになんとも生々しい。立ち現れる怪異怪奇よりも、そこに立ち会った人々の情念の方にこそ圧倒されてしまいます。
 不条理というか理不尽というか、図太くも逞しい剥き出しの人間が各所随所に見られるようで、褒め言葉としてはおかしいですが、いい意味で実に「厭」な物語でした。
 怪談部分も実話な為か、すっきりしない未解決な結末、因果が詳らかならない部分が多い。だからその「どうしてだろう」に想像が刺激されて、自家中毒のように自分の想像で厭な気分になれました。疑心暗鬼といいますが、これもまた怪談話の醍醐味でしょうか。

 語り手の環境と、語られる怪談とでここまでで二重に楽しませてもらっているのですが、更にしてやられたのがDJ自身の物語。
「なんか疲れる」「調子悪い」「尾木ちゃんも身近な人間が」云々といった述懐。そしてリスナーネーム。
 種を明かされてみれば膝を打つような具合でしたが、ネタばらしになってしまうので詳しくは書けませんが、なるほど、なるほど。改めて各話中の彼の物語に注目して再読したりしておりました。

 十把一絡げにしてしまうのはどうかと思うのですが、端貫木さんのような人たちは「幸せになるやり方を知らない」のだとする説を読んだ事があります。だから唯一自分の知っている方法で同じ形で不幸になって、その既知感に安心してしまうのだと。
 でも類型のパターンはあっても、全く同じ人間などいないわけで、そして周囲の環境だって全て異なっているわけで。『少年の妖怪』のRさんに犬連れおばさんがいたように、端貫木さんにもディレクターや尾木さんがいるわけで。
 端貫木さんとその彼女、そして周囲がじわりと改善し合って、いつか笑い話にできるようになればいいと思いました。
鵜狩さんだ~♪ 首を長くしてお待ちしてました~。
イタリアンマフィアが殺す相手に過剰なサービスをすることを警戒してみえるようですが、私が鵜狩さんに伝えている尊敬と親愛には裏はありませんよお。陰で「何やねん、このハイレベルな作者は? 食いついていかんと将来大きな壁になるわ」とか失礼なことぐらいは思ってますけど~。

……こほん。
なんか本音を漏らしたような気もするけど、ここからは気を取り直して。

同じホラーを書かれる鵜狩さんと私、僭越ながらおおまかに比較させていただくと、鵜狩さんの作品は『澄んでいるゆえにコアな読み手を惹きつける』、逆に私は『雑味が多く読者の種類を限定しない』のだと思います。
創作物に完成形があるとすれば、それは『自分の得意のジャンルを高いレベルで安定的に提供できること』だと私は考えています。つまり私にとって『完成形』が『鵜狩ホラー』なわけなんですね。
でも、幸いなことに、拙作を気に入ってくださる読者さんの中には、私の『雑味』を好んでくださる方々もたくさんいる。だから試してみたくなったのです。雑味だらけの私の作品が鵜狩さんの純粋ホラーにどこまで肉薄できるのか、を。

とはいえ……えっとですねえ……(ぽりぽり)。
今回、企画参加を決めてから書き上げるまでの期間が短かったじゃないですか。鵜狩さんに至っては、私が声をかけなかったら参加すらも意識していなかったかも、ですよね? そんな拙速な環境の中で、お互いに実力を出しあうのは無理かな~、なんて密かに思っていたんです。だから自分の予告文章を上げるときは「一番で掲載したら笑いを誘えるかな~」とか「メタ発言っぽいの入れたら注目されるかな~」とか雑念だらけだったのです。
が!
後発で掲載された鵜狩さんの予告文章があまりにも整っているのを見て「やべっ。気を抜けるレベルじゃなくなってきた(汗)」と大慌てで本腰を入れたのね。軽く『自身の体験を記憶から引き出し』たり『創作部分でネタバレ上等の簡単な仕掛けを施し』たりぐらいで考えてたのに、最終的には胃痛でもう原稿見たくなくなりました(核爆)。

そんな、合ってんのか間違ってんのかわからないけど多大な努力をした作品だったので、『自家中毒のように自分の想像で厭な気分になれました』の一言には大きくガッツポーズいただきました(笑)。
これが、現時点で鵜狩さんに認めてもらえる私の一番の持ち味ですよね。屍ケ台のときにも『主人公の足を引っ張る登場人物たちには、いい意味で苛立たされた』と褒めてくれたもの♪

端貫木のモノローグの端々に悲壮感が漂っているのを感じてくれてありがとうございます。
ラストまで読んでからでないと真意が伝わらない部分だったので、『再読した』『読み返した』の言葉には特に深く感謝しています。
『幸せになる方法を知らなくて不幸の既知感を求めてしまう』人、案外、見ますよね。自分に対して過剰に否定的な側面を持つ日本人には、むしろお馴染みな感覚かもしれません。
でも彼らの『下支えに対する辛抱強さ』は社会において必要不可欠なもの。だから私は不器用な人生を送る人たちの生き方を否定したくないんだな。私自身のけっして器用ではない生き方を拒否されないためにも。

『深夜ラジオ』を取り巻く面々への応援、どうもありがとうございました。
それと、『夏のホラー2013』を一緒に乗り切ってくださったこと、合わせて感謝いたします。
[良い点]
遅ればせながら最後まで読みました。
話数が進むにつれて、人の本質に触れる怖さへと話が深くなっていって、おばけとか幽霊の怖さから人の怖さもプラスされてました。

そして最後にネタばらしされてた仕掛けは秀逸でしたね。
思わず再度確認しました。

夜トイレに行けなくなるような怖さとは違いますが、怖がらせてもらいつつ楽しませて貰いました。
  • 投稿者: 退会済み
  • 23歳~29歳 男性
  • 2013年 08月14日 10時24分
管理
いらっしゃいまし、紳士サムさん♪
何やら先週体調を崩されたとのこと。活報にお見舞いを申し上げようと思っていたのですが忙殺されてしまいました。不義理ですみません(ぺこり)。
寒暖差アレルギーは自律神経の乱れで起こる病理みたいですね。自律神経は繊細なバランスを持っている器官ですが、その分、不安定になりやすく、また逆に整えやすい部分でもあります。有効な治療法として『(鼻炎には)マスク』『(急激な冷えには)体温程度のぬるま湯に浸かる』という方法があるよう。もし再発したらぜひお試しを。

今作への感想、そんな中でしたためていただいて感謝します。
今回、本来ならばイベントの趣旨から言ってもっと『恐怖』を全面に打ち出すはずだったのですが……よ、予告文章がみんな怖そうだったんだもん(汗)。こりゃかなわんわ、と早々に『ホラー』からの離脱を図ってしまいました。
実は活報その他で『実話怪談だから怖いよ』と煽っていたことそのものがミスリードだったり(爆)。おかげさま(?)で、第一話アップ時の感想の多くが『期待するほどには怖くない。まだジャブだね』という色合いのものだったので、狙い通りはいえ、密かに『どうやってこの恐怖への期待をクリアするよ?』と頭を悩ませていたのでしたwww
結果として、ゾッとするような怖さを提供することには失敗しましたが、ホラーというカモフラージュの裏での画策には感心していただけたようで、卑小な満足ながらホッとしております。

最後にネタばらしした仕掛けはですねっ!
あのやり方を使うと、確認のために全話を見返すことになるじゃないですか。そうすると必然的にPVが増えるという……。
……いやっ嘘ですっ。そこまで画策してないって~(恥)。

『幽霊話っていうのは死人の話』。第二夜で端貫木が言ったこの言葉、私自身がこの手の体験をするたびに肝に銘じている姿勢でもあります。
死ぬ間際の人間の想いというのは、いま生きている私たちの感情が積み重なって凝縮したもの。だから『オカルト』は人間の業の物語なのだ、とね。
そういう『本質』を読み取ってくださって、どうもありがとうございます。
[一言]
ホラーは読まない主義だったのですが、思わず読んじゃいました。

個々の話もうすら怖いなぁと思って読んでいたのですが、ラストにびっくりです!
その展開は全く読めませんでした!すばらしいです!

それ以外の感想をうまく伝えられません。

ただただ、“小春日和さん、すごい”の一言です。
お久しぶりです、もへじさん!
まずはもへじさんの近況について少しコメントさせてくださいな。アルファポリスの『絵本童話大賞』に『紳士と熟女のためのお伽噺』シリーズをエントリーされているんですね。『北風と太陽』を初期から読み進めていて、なんとなく漂う淫靡な雰囲気にこれからを期待しています。
活動再開してくれてありがとうございまっす。

ではお返事のほうへ。

もへじさんってホラーは読まない方だったんですね。書かれているものがわりとダークな色合いがあったので、ちょっと意外でした。
あ、でも『国一番の美女』はあのラストでしたね。そっかあ。よかったあ。この作品で同じ趣旨のエンディングを提供できて。

私もどっちかといえば救いのない話よりはこういうほうが好き。逆に、まったく幸福感のない物語は自分の中で作り変えちゃったりしてます(笑)。

『火出国の姫』のときのように、ラストを引き立たせるために途中にひどいシーンを挟むこともありますが、おおむね私の作品はこんな感じだと思って、これからも安心して読んでいただければ嬉しいです。

感想、ありがとう!
もへじさんのほうにもまたお伺いしますね♪
[一言]
先ほど読み終えました。興奮冷めやらぬうちに感想を書きにはせ参じた次第です。

まずは連載お疲れ様です。毎日仕事終わった後こちらに伺い、満足感に浸り、それから眠りについていました。小春日和さんの引き出しの多さにびっくりです。

「山のおじさん」が一番印象に残っています。「おじさん」もそうなんですが、家庭内のドロドロ感が(汗)気に掛けて欲しくて人の迷惑考えなかったり、自分は被害者であり何一つ間違っていないと主張するような人はある意味羨ましいです。仕事場で結構見かけるんですが、もうああいう風になりたいとさえ思います(笑)ほんとたくましい!

二人称になっているんだし、物語の構成上、絶対なにかあるなと思っていたのに、見抜けませんでした。あの小春日和さんだ、絶対何か仕掛けがあるぞと思っていたのに!!

高い構成力と文章力で最後まで楽しめました。
やっぱり小春日和さんのホラーは内容が濃くて素晴らしいと再確認したしっぽなのでした^^
子守唄代わりにホラーを読んでくださったとは、さすが、しっぽさん!
……といつもならまずおちゃらけた言葉を返すのですが、今回に限っては『よしっ!』とまず手応えを喜ばせてください。『満足に浸り』という一文がすごく嬉しかったので。

『山のおじさん』、お気に召していただけましたか。
あれね、実際に遭遇したときは怖くはなかったんです。祖母が見つからない不安のほうがずっと大きかったので。
でも、作中で書いたように、自分が大人になるにつれて後味の悪い結末が想像できてしまうんですよね(汗)。実はこの話をベースにして書いたホラーをある公募に送ったんです。結果は落選だったのですが、まあ手前味噌的によく書けた部分もあるので、そのうちに発表させていただこうと思います。

『自分は被害者であり何一つ間違っていないと主張するような人』は、確かにいる~。
ただ、じっくり観察してみると、そういう人たちって決して『考えなし』とか『天真爛漫』とかじゃないの。むしろ、気が弱すぎて常に自分の行動にケチをつけられることにビクビクしているから、他人の意見をシャットアウトしちゃってるみたい。
一見図太くて羨ましいんですけど、歳を取って自身の力が弱くなったときに、今度は拒絶してきた他人から爪弾きにされちゃうもんね。私としては、しっぽさんが孤独な老人になるぐらいなら、若いうちに踏ん張ってほしいなあ(笑)。

>あの小春日和さんだ、絶対何か仕掛けがあるぞと思っていたのに!!
ふふふふふっ!
……そ、そんなに腹黒いですか、私?(汗)
でも喜んでますよお。喜びまくってますよお。毎回更新するたびにヒヤヒヤしてましたから。「そろそろバレる~」って。
特にしっぽさんは構成と言葉の使い方に特化した作者さんですからね。あの部分に強く引っかかってしまったら解かれるな、と思って、あえて端貫木のモノローグ全体を意味ありげな雰囲気に仕立ててたんだ♪

というわけで、楽しんでいただいて私こそ大満足させていただきましたっ。
ありがとう!
[一言]
まさか、のラストでした。

仕掛けには全く気付きませんでして。
何度も見直しました。

誰に宛てたメッセージだったのか。
不思議な事に、彼女宛てだったような気がして。
彼女に、おれの真実を見つけてっていうメッセージ。

そこが、愛であり、恐ろしさのような気がして・・・なによりも、怖いなと思ってしまいました。
  • 投稿者: 西山久美子
  • 40歳~49歳 女性
  • 2013年 08月11日 01時17分
感想だけじゃなく、活報のコメントまで書いてくださってありがとう、久美子さん!
久美子さんは『仕掛けに気づかなかった。他の読者さんの観察眼はすごい』と思ってくれたようですが、私にはむしろ『久美子さんの独創的な発想』に思い至らなかった自分自身が恥ずかしいですよ。

端貫木のメッセージ。
そうですよね。これ、久美子さんの言うように『恋人に向けて発したもの』という意味も含ませたのなら、端貫木の人間性をもっと深く掘り下げられたなあ……。『おれの真実を見つけて』。ものすごい執念を感じさせる言葉だと思います。
端貫木は、自分に刃を向けた彼女を、本心ではどう思ったんでしょうね。他人の痛みに敏感になるしかない彼は、『痛みを感じさせてくれる他人』に、ある意味依存しているのかもしれません。『彼女が不安定になってくれること』が端貫木にとって『生きがい』に通じるのだ、と。
……こわっ!(汗) これはたしかに恐ろしいですよ、久美子さんっ。

あ、ちなみに『誰に当てたメッセージだったのか』の正答を出しますと、これは『ラジオを聞いていたリスナーさん、と、ディレクター等の関係者』に対してですね。なんだかんだ言って、死にたくないと足掻いていたわけですよ、端貫木はwww
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