感想一覧

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[一言]
後書きを読んで作品を読み直すと、また違った趣きを感じました。厳格に男女の交わりを禁じられていたからこそ、少女の思い詰めた心理と神父の葛藤があったわけですね。尚更最後の一行の重みが増しました。
パン×クロックスさん

再度のご高覧どうもありがとうございます。

ご賢察の通り、一つ間違えれば、双方が破滅しかねない感情だからこその葛藤であり、苦悩なのです。

マルタはまだ少女ですが、神父は三十過ぎで当時としては中年の年配になるまで、ずっと異性との交わりを禁じられた孤独な生活をしていたのです。
[一言]
愛する妻というか神ですよね。
許されない相手を想うだけで行動に移さなければいいと自分は思いますが、自分の想いも娘の想いも必死に否定せずにいられないその余裕のなさと娘の告白で神父自身の心が壊れるかすごく深い傷を負う未来しか浮かびません。
潔癖さと頑なさは自分の心を毒(その人にとって否定すべきもの)から守るための薬でもあり、蝕む恐れもある一種の毒でもありますよね。

  • 投稿者: もぐら
  • 2014年 06月28日 14時51分
モグラさん

拙作へのご感想、どうもありがとうございます。

ご賢察の通り、神父にとって「愛する妻」とは「聖母マリア」すなわち神です。

聖書の中に「淫らな思いを持って女を眺める者は、心の中でその女を犯したのである」という趣旨の節があり、聖職者として生きる「私」にとって、教区の娘への想いは徹底して排除しなければならないが故に暗く燃え上がるというジレンマが一貫して存在しています。

ご賢察の通り、潔癖さと頑なさは途中までは神父自身を守るために機能していましたが、徐々に彼の心を蝕んでもいます。

この結末の後は、どう転んでも、二人にとって幸福なものにはならない可能性も高いですね。
[一言]
最後の一行で仰け反りました。大袈裟な言い方になりますが、この心のざわつきはそれ程の衝撃です。
文中、全ての人間が不満を持ち主人公を苛む、そして主人公にかかるストレスの元凶たる少女の懺悔。彼女に恋心(?)を持つ主人公の不安感は、この小説がどの様な着地点をもたらすのか、私をも不安にしました。
それが少女が街を出るという消極的ながら平和な幕引き……かと思いきや、最後の告白。
この後の主人公と少女の行く末がどの様な物になって行くのか、語らない切り方が絶妙でした。

パン×クロックスさん

拙作へのご高覧どうもありがとうございます。
こちらにもご感想、嬉しいです。

神父である主人公は日々、人々の悩みを聞く立場にありますが、それが彼自身を悩める境遇に追い込んでいきます。

結婚や異性との関わりを禁じられたまま壮年期を迎えた主人公の少女への思いは純粋な恋心とは言えない要素も含んでいるかもしれませんね。

ご賢察の通り、物語の本当の結末は、読み手の方の想像に委ねました。
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