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[良い点]
子供ながらにお姫様扱いされる生活に憧れていたから、敢えて籠の鳥としての境遇に甘んじていたというヒロイン像が新鮮です。

また、「彼」の「愛」が貴族の地位に物を言わせて相手の人格を無視したものであり、また期限付きのものでもあることを、どこか冷徹な目で見据えている描写も素晴らしいです。
[気になる点]
これまで捕らえられた少女たちと同様に「彼」に捨てられる将来を自覚している「わたし」ではありますが、捨てられた後にどうなるのかあまり具体的な想像をしていない点が気に懸かりました。

彼に捨てられ、また、劇中で何となく察しているように故郷にも戻してもらえないとすると、「私」は一体、どうなるのでしょうか。

また、これまでの少女たちはどのような形で彼曰く「手放され」たのでしょうか。

「彼の嗜好にはそぐわなくても、一般的には充分美しい部類の少女なので、他の貴族たちへ愛人や養女として譲渡される」等、これまでの少女たちのその後を示唆する程度にでも描写されると、話全体の説得力が増すと思います。
[一言]
ロリコンというよりぺドフィリアに近い男性のお話ですが、男性本人ではなく欲望の対象にされる少女の側から突き放した視点で描いているので、不思議と嫌らしい感触はなく、むしろ清清しく思えるラストでした。
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