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[一言]
もう忘れられているでしょうか……?感想依頼を承りました、桜竜深釵希です。大変遅くなってしまい、申し訳ありません。たった今読了致しましたので感想を送らせて頂きます。

 まず、一話目からおおっと思いました。ライトノベルというより文学という感じで非常に落ち着いた作風でした。
 文章力があり地の文がしっかりしていてキャラブレも特に見られず、読みきったあとに達成感が襲ってきました。
 しかし、地の文がしっかりしていて読みごたえがある反面、読み辛さも感じました。
 状況説明がしっかりとしていて心情も丁寧に描写されているのですが、くどいと思うことも。多分、表現が回りくどいこともあると思いますので適度な所で切ることも必要だと思いました。
 それから、接続詞についてです。この作品はだいたい接続詞によって文章がつなげられているのですが、意味合いが微妙に違った場面で使われていることが前半で見られました。
 と、ツラツラと思ったことを書かせていただきましたが好む人は好む、癖の強い作品でした。私の作品とは文章力の差が一目瞭然です。
 長々と失礼しました。また機会があれば仲良くしてくださいね(^o^)
  • 投稿者: 退会済み
  • ~14歳 女性
  • 2015年 11月09日 19時08分
管理
感想ありがとうございます。
返信が遅れて申し訳ございません。

やはり、読み難いところがありましたか。

少し、くどいなと自分でも思っている部分がありましたので、修正したいと思います。


[良い点]
①各人物の設定と物語軸
②伝わってくるような昂揚感
[気になる点]
①句読点の不備
②物語の上滑り
③アキラのキャラの違和感
④穢れについて
⑤その他の設定についての引っかかり
[一言]
 秘密基地の掲示板でご依頼いただきました酔狂なアヒルの子です。
 最終話(2015.6.16現在)の「7月28日 神鏡と男と犬」まで読ませていただきましたので、感想を。的外れ、読み落とし、誤読があればお許しいただければ、と思います。
 全体的に執筆者である山神賢太郎様が、力を入れて考え、なおかつ楽しんで書かれているのだろうと伝わってくる作品でした。文体の好みによる好き嫌いは分かれるかもしれませんが、山神様の考える作品、世界観にはこの形がマッチしていたと思います。


良い点について
①設定と物語軸
 鬼の血を引く鬼一義貫と謎の残る存在のアキラをはじめ、運命に従いながら穢れ神を追う物語の主軸は、伏線を残しつつ興味を引く作りになっていると感じました。まだすべての謎が解明されていない状態ですが、ぼんやりとした最終目標と目の前の課題とがうまく機能して配置されていたと思います。

②作者の昂揚感
 これはいい、悪いが分かれるかもしれませんが、楽しみながら書いているのだろうという感じが伝わってきました。この作品世界においては、その勢いやノリ?が読者を引き込む要素にもなっているのかもしれません。
いわゆる「萌え要素」でしょうか。これもまたいい意味で暴走していてるのではないかな、と。


悪い点
 一方気になった点も数点ありましたので、申し上げます。お気を悪くなさらぬようお願いいたします。

①句読点の不備
 物語の文字数も増えつつありますので、多少は仕方ないと思われる部分もあるのかもしれませんが、誤字脱字をはじめ、文章的な部分で目の留まってしまうことも多くあったのは事実です。
 誤字脱字はまあ「ミスかな」とこちらで補完しつつ読みましたが、句読点については文章のレベルに関係なく、読みにくいという印象を受けます。句点が抜けて文が繋がっていたり、読点が一切なくやたら長い一文になっていたり、という文が散見されました。一度校正をされてみてもいいかもしれません。
 なお、作者の意図もあるだろうと考えて、私はあまり文章のルールのようなものについては触れないようにしているのですが、今回は一点だけ。「 」内の文末の?については空白は要りません。「~ですか?」のようにそのまま閉じて大丈夫です。

②物語の上滑り
 すみません、これについては私の好みかもしれません。大多数の読者の方がこのままがよい、と仰るかもしれませんので、一意見としてご参考までに。
 全体を通じて会話のやり取りと、義貫の心の声とアキラの受け答えなどが話を進めていく上での大部分を占めています。
 そのこと自体は悪くないと思うのですが、そのためなのでしょうか、一つ一つの出来事を軽く流しすぎていて、深く踏み込まないまま話が進んでいる印象を受けました。それを上滑りと表現させていただきました。伏線になっている部分も多くあるのはわかるのですが、もう少し深く描いてもよいものも多かったのではないでしょうか。
 「蛇」と藤波さんを巡る戦いのみ、長く字数と話数を取られていますが、そこで大きな伏線が回収されるわけでもなく(回収の下地なのかもしれませんが)、メイン3人の関係性に大きな変化があるわけでもありません。牛の首谷橋に至っては、中村とテトの登場のためだけといった感がありました。
 ここに力を入れるのがダメ、とかではなく、それなら運命に絡む仙石楓の話や、鬼助の伝承をもっと広げ、伏線の強化か主人公たちの背負う陰に焦点を当ててもよかったのでは、と感じました。

③アキラのキャラの違和感
 これは山神様がわざとそのように表現していたり、何かの伏線であったりという可能性もあるのですが、アキラのキャラに違和感を覚えます。
 アキラの回想?話がプロローグをはじめ、数話挿入されているのですが、そこから感じるアキラ像と、義貫の傍にいるアキラとの口調、性格などにギャップがありすぎる気がするのです。
 回想時のアキラが「負」「陰」「哀」のイメージを受けるのに対し、物語の進行で出てくるアキラは「陽」「楽」を前面に出しすぎているのではないでしょうか。義貫の人間性やテトとの関係を通して、「今が楽しい」という表現もありましたが、それにしても同一人物とは思えないほどの言わば「軽さ」が引っかかる、という印象でした。

④穢れについて
 いや、これは野暮なのかもしれません。ですがあまりにも何の説明もなく、当初より当たり前のように用語として使われます。無論、何となくはわからなくもないのですが、凛の救出の際に
「無数の穢れが一斉に振り向き」
と出てくるまで、人型またはそれに準じる扱いをしていることに気付けませんでした。いまだに穢れとは何かの説明がありません。どこかで一文であっても説明を付け加えてもよかったのかもしれません。

⑤その他の設定についての引っかかり
 これらは非常に細かな部分かもしれませんし、野暮な指摘であったり、今後の伏線であったりという部分なのかもしれません。ですが、一応読んでいく上で「ん?」となってしまった点を挙げていこうかと思います。

《鬼助について》
 代々鬼一家で受け継がれる名、という設定は理解していますが、「どういう人物が受け継ぐのか」が描かれていませんし、その過程も不明です。何となく「鬼の血を強く感じることのできる者」なのだろうと予測はできますが、義貫はいつごろその名を継いだのかもわかりません。もし生まれた時にその血の濃さというか鬼の力を周囲が見抜いたのであれば、はじめから「鬼助」と命名(漢字をいじったとしても)すればよいでしょうし、もし成長に伴ういずれかの時点でその力に気付いたのならば、「義貫の中の鬼の存在」を知っていて、仮住まいの叔母の家の結界だけで抑えようとするのは甚だ危険な気もします。学校や街中、特に繁華街などはそれこそ瘴気に触れる機会が多いと思うのですが……。「鬼の力」と「瘴気による暴走」を知っているのなら、親族で監禁していてもいいレベルだと思います。
 それに楓も義貫もまだ若いし親もいるのに、次期当主に確定である点ももう少し描いてもよいのでは、と。

 また7月19日「鬼と亀」の中での義貫と自身の中の鬼とのやり取りです。


『俺を開放しろ』
「誰だ」

『お前の血の中にある鬼だ。俺ならこの状況をなんとかできるぞ』
「ダメだ。お前を出すのはダメだ。ダメ……だ」   以上「鬼と亀」より引用


 このような掛け合いがあるのですが、これだと「鬼の血」「鬼の力」を義貫は知っている対応です。ですが、この後の「お祓いと初代鬼助」で鬼の血族であることが明かされます。
 この点が非常に引っかかりました。それに鬼一の名でなにかをしなければならない、などと義貫が初期で感じていたことからも、破綻とまではいかないまでも引っかかる、という印象になって残っています。

《運命》
 義貫の「鬼助」としての運命は描かれています。ですがそれを受け入れるのに葛藤する場面があまりなかったことが、話が唐突に進んでいる印象を受けた、「上滑り」の一因なのかもしれません。元も子もない話ですが、その運命を受け入れないといけない理由が見えないのです。凛を助けるための突発的な事件はわかるのですが、いきなりそこから積極的に「穢れ神」を探す過程で戸惑いました。もし封印が弱まっていなければそもそも何もしなくてよいことになりますし……。これも破綻ではないけど気になった、という部分でした。
 また、仙石家やアキラの運命については伏線として今後に関連するだろうと思われるので、触れずに置きます。もう少し詳しく分かっている部分を描いてもよいのではとの感想、は上記でお伝えした通りです。

《穢れ神》
 すみません、これは本当に引っかかりました。
 穢れ神は五体いる、のは描かれていましたのでわかります。ですが、鬼助の封印すべき穢れ神はこの街近辺に封じられているもののみ、ということなのでしょうか。
「穢れ神はどこにでもいる」というアキラのセリフからも、穢れ神とは五体のみではないと思われます。しかし、穢れ神を探すのに近辺の地図を用いたり、近隣の噂を元に探索していることからも、穢れ神と鬼助の運命がぼやけてしまっている気がします。
 また、鬼助伝に描かれている順番通り、亀の次が「蛇」と決まっているのは違和感がありました。何かしらの理由があるのかもしれませんが、既定路線できてしまったのでは?と邪推してしまうほどでした。

《警察》
 これは野暮でしょうが、突っ込み程度に。警察、仕事してください(笑)
 そんな大勢が同一地域で行方不明なら、大ニュース&大事件ですし、牛の首谷橋の事件も、関係者全員死亡に加え、身内が全滅なら面子にかけて諦めないでください(笑)    ……すみません。野暮です
 

 全体を通して、「細かな部分が引っかかるけれど、勢いやキャラの掛け合いで進む物語を楽しめる」という印象でした。
 その登場人物たちのキャラクターを楽しみながら、主軸の物語を追う、というこの形式は一つの手法としてうまくいっていると感じます。
 細かな部分をお伝えしてしまったので、悪い部分ばかりのように見えてしまいますが、細かな設定や表現に気を遣いすぎるとこの話のウリでもある、キャラの心情の掛け合いで進む物語、という部分をつぶしてしまうような気もします。一読者が気になった点としてご報告までに申し上げた、とお受け取りください。
 失礼なことも多く申し上げたかもしれませんし、誤読や読み落とし、伏線に触れてしまっている部分もあるのかもしれません。ご容赦いただければ幸いです。

 末筆ながら、山神賢太郎様の今後の活躍をお祈り申し上げます。
  • 投稿者: 酔狂なアヒルの子
  • 2015年 06月16日 02時43分
酔狂なアヒルの子様

御感想ありがとうございます。

自分の小説を客観的にみることができ、自分の強みと弱みがよくわかりました。

校正をしっかりとして読みやすくしていきたいと感じました。

これからは、今までよりも面白く読みやすい小説を更新していければと思っています。
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